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福沢諭吉と「脱亜論」  時事放談

2024-08-19 05:00:00 | 近現代史

福沢諭吉と「脱亜論」を整理しておきたくて、関連図書を読む。

福沢諭吉は、1835年生まれ、1901年死去。

初めて知ったが、生まれてから明治維新1968年までが33年、明
治維新から亡くなるまでも33年だ。

福沢諭吉の「脱亜論」は、昭和8(1933)年、石河幹明編『続福
沢全集』(昭和版全集)に初めて収録された。

戦後、昭和26(1951)年、遠山茂樹が「日清戦争と福沢諭吉」で
初めて「脱亜論」に言及。


「脱亜論」は、李氏朝鮮の政治家金玉均(1851-1894、開明派)
の動きと関連する。
1882/2~7 金玉均、日本留学←福沢諭吉支援
1882/10  壬午事変 済物浦条約 金、来日
1884/12  甲申事変クーデター失敗→金、日本に亡命
1885/3   「脱亜論」(「時事新報」) 

1894/3   金、上海で暗殺される。
1894/7   日清戦争(明治二十七、八年の役)



小泉信三『福澤諭吉』1966
飯田鼎『福澤諭吉』1984
 脱亜論と甲申の変(p188ー206)


丸山真男『「文明論之概略」を読む』1986


福沢諭吉『学問のすすめ』1942
福沢諭吉『福翁百話』(佐藤きむ現代語訳)2010
福澤諭吉『文明論之概略』(先崎彰容現代語訳)2017
宇野重規編『福沢諭吉』2021


北岡伸一『独立自尊』2011 ★×5
 (「脱亜論」で)福沢は、日本はすでに遅れたアジアの域を脱している。そ
 れに比べ、中国と朝鮮の二国は儒教流から変わることがなく、西洋文明を取
 り入れようとしない。このままでは西洋諸国の分割の対象となるかもしれな
 い。日本は隣国の開化を待ってアジアを興す余裕はない、・・・・・・、悪友を親
 しむ者は悪名を免れられない、われわれは心中でアジア東方の悪友を謝絶し
 よう、と主張した。・・・・・・朝鮮の文明開化に熱中した福沢の敗北宣言(坂野
 潤治)であった。(p255)

坂野潤治『近代日本とアジア』2013 ★×5
 甲申事変により朝鮮国内の親日派勢力が一掃されたことが、福沢の一貫した
 対外論であった朝鮮改造論の可能性を失わせ、それが福沢をして朝鮮に対す
 る「親愛」を放棄させたのである。(p61)

西部邁『福澤諭吉 その報国心と武士道』2013


坂本多加雄『新しい福沢諭吉』1997 ★×5
 福沢の「脱亜論」は、日本が西洋諸国と同等の優位の立場でアジア諸国に臨
 むような状況を前提にしているのではなく、むしろ逆に、朝鮮の一件に対す
 る深い失望と、強大な申告への憂慮の念に駆られて記された文章ではないか
 (p216)

平山洋『福沢諭吉の真実』2004
中嶋嶺雄編『歴史の噓を見破る』2006
渡辺利夫『新 脱亜論』2008 ★×5


福沢諭吉 齋藤孝訳『現代語訳 学問のすすめ』2009
小浜逸郎『福沢諭吉 しなやかな日本精神』2018
 日本のリベラル左派知識人は、自分たちの政治イデオロギーに都合のよいよう
 に憲法解釈し(それは保守派もおなじですが、政権担当者には、そうせざるを
 得ない現実的な根拠があります)、「立憲主義」という言葉を、なにやら高尚
 な知性の産物であるかのように錦の御旗とします。しかし彼らが実際にやって
 いることは、無責任な高みから、現実に政治に携わる者たちを批判するために
 この言葉を利用しているだけなのです。(小浜逸郎p337)

 はたして?一理は、あるか?ないか?

大久保健晴『福沢諭吉 最後の蘭学者』2023
小川原正道『福沢諭吉 変貌する肖像』2023 ★×5
 本書は福澤諭吉の死後、知識人たちは福沢をどう論じ、評価し
 てきたか--その変遷をまとめたもの。

福沢諭吉は、戦前は右翼に評判が悪く、戦後は左翼に評判が悪い
時期があった。

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<時事放談> 興味のない方はスルーなさってください(笑)。
○自民党総裁選に10人以上が立候補!?
 立候補する人が多ければ多いほど、20人の推薦人集めは苦労す
 る?石破氏は本当に集まる?

 選挙管理委員会は20日の会合で選挙日程を決める予定だが、投
 開票は9/20か9/27になりそうだ。
 となると、はたして「10月解散総選挙」はあるのかしらん。


8/18のYahoo! Newsに対するコメントだったか、西田亮介教授が
 公言される理屈すら自民党の論理ばかり。総裁選は公選法も適用されず、一
 般の国民は無関係。しかし自民党の理屈だけで総裁が決まるとすれば、遠く
 ない総選挙、さらに続く来夏の参院選で国民はすんなりと受容するだろうか。

と言っている。

私は(以前も書いたが)自民党員でもなければ自民党支持でもないが、西田
教授の(ステロタイプな?)意見には疑問を持つ(アンダーラ
インの部分はその通りだが)し、あまり信頼は置けない。

我が国は米国のような大統領制ではなく、英国型の議院内閣制(→
こちら)だ。

したがって、「国民参加」の選挙(とくに総選挙)による多数
党のリーダーが首相となるのは「当然」であって、それを、「政
策論争」のうえで、党員を含めた党内選挙で選ぶのも、その前に、
ホンネの言える「仲間内」で「事前調整」があるのも、また「当
たり前」とすべきではないか。
(山本七平からすれば「あたりまえ」は難しい問題だが[笑])。

(極論を言えば、話し合いや禅譲で総裁が決まっても[さすがにお金を配る時
代ではないが、以前はあった。]、それは自民党内の選択の問題だ。)

議院内閣制だから、現多数派の自民党の総裁が首相になるのだか
ら、メディアでも大きな注目の的になる。


立民党の代表選挙がメディアで盛り上がらないのは第一党になる
可能性が現時点ではまだ見えて来ないから?

立民党代表選挙の投開票は9/23だ(あまり知られていない?)。
個人的には注目しています。

立民党でも「大派閥」サンクチュアリ(どちらかというと、旧社会党グループ。
現近藤G。立民党左派)が誰に投票するかが問題なのだが。

立民党内は、「イデオロギー」対立がある(if any)だけよけいややこしい?

自民党員ではない私(自民党員以外の国民)にはむろん総裁選の
投票権はないが、あったらおかしい(笑)

ちなみに共産党のように党内選挙すら行わないのは論外?(これも以前書いた?)


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