人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

高田博行『ヒトラー演説』

2015-12-18 05:00:00 | 近現代史

戦後70年、ということか。この2、3年、ヒトラーに関する新書本が
いくつか発売になっているが、本書もその一つである(中公新書。
平成26[2014]年6月25日発行)。

本書は、ヒトラーがナチ党党首になった1921年から約25年間の演説
を分析したもので、おもしろい。

「序章 遅れた国家統一」は、16世紀~19世紀後半についてコンパ
クトにまとめられており、参考になる。
冒頭に「ヒトラー、ナチ党関係略年表(1918~1945年)が置かれ
ているのもありがたい。

本書によれば、ヒトラーの生まれ育ったのは、バイエルン・オースト
リア方言」地域だった。ドイツ語の発音はドイツ帝国誕生後、舞台で
は北ドイツハノーファーの舞台における発音を採用することが決めら
れた。ヒトラーは、演説ではこの『舞台発音』に合った発音を心がけ
ていたという。

ヒトラーは、また1932年にデヴリエントというオペラ歌手に発声や
ジェスチャーの指導を受けていた。デヴリエントがヒトラーを指導し
たことは、デヴリエント自身誰にも話さなかったが、彼の息子が日記
を公開したことから分かったという。『わが教え子、ヒトラー』は
それをヒントにした映画である。

25年間、150万語の演説データ分析から、ヒトラーの上昇期、絶頂期、
そして敗戦に向かって進む時期が現されている。



高田博行『ヒトラー演説』(中公新書)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 12/13 慶應ワグネル男声合唱... | トップ | 『レコード芸術』1月号 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

近現代史」カテゴリの最新記事