本書は、加藤陽子先生の文庫最新刊だ。
目次(*)を見ても分かるように、一種の「さかのぼり日本史」だ。大き
な流れはかねて承知しているし、さほど細部を論じるわけではないが、
忘れていることや改めて認識することもあり、勉強になる。
戦前の「帝国国防方針」は、明治40(1907)に作成された時点で、
「想定敵国」は第一がロシアだったが、大正12(1923)年の改定で
は、それが米国になった。一方、米国でも1924年に日本を想定した
戦争作戦計画オレンジ・プランを作成していたことが分かっていると
いう。
今日の米中も同様な計画を作成しているのかもしれない。
本書であらためて認識したが、
サイパンは、現在米国自治領だが、戦前、大正9(1920)年から昭和
20(1945)年までは国際連盟による日本の委任統治領だった!(グ
アムはずっと米国領)。サイパンでは、日本の軍人約4万4千人、民間
人約1万2千人の死者が出ている。
当時の資料もところどころに引用されている。
中国文学者竹内好や小説家伊藤整の日米開戦時の日記は、「今か
ら見ると」勇ましいが、当時は私の父母を含め、みんなそんなものだ
ったのかもしれない。
*<目次>
第1章 敗戦への道 1944年(昭和19年)
第2章 日米開戦 決断と記憶 1941年(昭和16年)
第3章 日中戦争 長期化の誤算 1937年(昭和12年)
第4章 満州事変 暴走の原点 1933年(昭和8年)
加藤陽子『とめられなかった戦争』(文春文庫)
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