勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

あしたは最高のはじまり / Demain tout commence

2017年09月15日 | 洋画(フランス系)
軽くネタばれあり。

嘗て、一度関係をもってしまった女性から赤ん坊を預けられたプレイボーイが、偶然知り合ったゲイとともに、赤ん坊を育てていくヒューマンドラマ。

元々は、「Instructions Not Included」と言うメキシコ映画。残念ながら、元ネタは見たことがありません。元々ネタでは、主人公が、メキシコ・アカプルコから、アメリカ・LAに行く設定が、この作品では、フランスからイギリス・ロンドンと言う事になっている様です。

サミュエルは、クリスティンとグロリアの親権を争い、勝ったわけですが、それだけで十分物語として成立していたのですが、そこに加えてそんな結末があるとはねぇ。

なんとも結末が悲しいですね。そう来るか、と。病院に行くシーンで、先が短いと言う趣旨の話があったので、サミュエルの事だと思ったんですけどねぇ。まさかね、そう来るか、と言う事ですよ。

いやぁ、ヒューマンなドラマでした。良かったです。

タイトル あしたは最高のはじまり / 原題 Demain tout commence

日本公開年 2017年
製作年/製作国 2016年/フランス・イギリス
監督 ユーゴ・ジェラン
出演 オマール・シー(サミュエル)、クレマンス・ポエジー(クリスティン)、アントワーヌ・ベルトラン(ベルニー)、グロリア・コルストン(グロリア)、アシュリー・ウォルターズ(ローウェル)、ラファエル・ボン・ブルメンタル(トム)、クレマンティーヌ・セラリエ(サマンサ)、アンナ・コティス(アップルトン校長)、ラケル・キャシディ(グロリアの担任)、ハワード・クロスリー(判事)

エル ELLE / Elle

2017年09月02日 | 洋画(フランス系)
社会的にも成功した女性が、ある日、自宅で男に襲われるが、なぜか警察に届けようとしない。女性が警察に届けようとしないのには、理由があった・・・。

中々複雑な人間関係ですね。それと、ミシェルの性格も、中々屈折している様です。って言うか、ミシェルの性格が屈折している事が明らかになっていくのは、自宅で襲われた事が切っ掛けなんでしょうね。何かのタガが外れたと言うか。だって、そこまで、会社を興して成功している訳ですから、それまでは、そんな異常な性格である事は、明確では無かったと言う事ですよね。

そんな屈折した性格のミシェルを、イザベル・ユペールが非常にうまく演じています。冷静であって、どこか変。“変”と言うのも、コミカルな意味ではなくて、サイコパス的な感じです。いや、会社を成功させているのだから、サイコパスなのかな、ミシェルは。

屈折しているのは、実はミシェルだけでは無いのかも。この作品に登場している人物、みんなそれぞれ、屈折している人間ですね。

ラストが、中々凄いです。怖いですね。

タイトル エル ELLE / 原題 Elle

日本公開年 2017年
製作年/製作国 2016年/フランス・ベルギー・ドイツ
監督 ポール・バーホーベン
原作 フィリップ・ディジャン『Oh...』
出演 イザベル・ユペール(ミシェル・ルブラン)、ローラン・ラフィット(パトリック)、ビルジニー・エフィラ(レベッカ/パトリックの妻)、クリスチャン・ベルケル(ロベール)、アンヌ・コンシニ(アンナ/ミシェルのビジネスパートナー、ロベールの妻)、シャルル・ベルラン(リシャール/ミシェルの元夫)、ジョナ・ブロケ(ヴァンサン/ミシェルの息子)、ジュディット・マーレ(アイリーン・ルブラン/ミシェルの母)

ロスト・イン・パリ / Paris pieds nus

2017年08月15日 | 洋画(フランス系)
ネタばれあり。

なるほどね。

何といっても、その舞台周りがとってもシュール。たぶん、確かに、パリでロケはしていると思うんですが、もう一つの舞台(?)であるはずのカナダはセット?カナダのシーンは、その表現も含めてとってもシュール。ほかの映画作品で、ああ言う表現は無かったんじゃないかな。本当、舞台的な表現です。

その意味では、ドムがめかしこんで乗り込んだ水上レストランでのシーンもシュール。あれも完全に、喜劇舞台の表現だよね。

所々で笑いが起きるほど笑えるのですが、全般としてはなんとなくトーンが単調。うっかりすると、睡魔に襲われます。そこが少し残念。

普通にオシャレなフランス映画と思っていると外されます。完全にフランスのシュールな喜劇ですね。しかも、かなり低予算の。そういう意味では、映画と言うよりも、喜劇の舞台演劇を見ているような気分になりました。

タイトル ロスト・イン・パリ / 原題 Paris pieds nus

日本公開年 2017年
製作年/製作国 2016年/フランス・ベルギー
監督 ドミニク・アベル、フィオナ・ゴードン
出演 フィオナ・ゴードン(フィオナ)、ドミニク・アベル(ドム)、エマニュエル・リヴァ(マーサ)、ピエール・リシャール(ドゥンカン)、フィリップ・マルツ(マーティン)

ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走 / À fond

2017年07月23日 | 洋画(フランス系)
最新システムを搭載した新車でバカンスに出かけた家族。しかし、その新車が故障して暴走し始める。行く先には渋滞。止まる事の出来ない車の中の家族の模様を描くコメディ映画。

止まる事が出来ない車の映画と言えば、キアヌ・リーヴスの『スピード』がありましたね。『スピード』は(止まることが出来ない理由は違っている上に)アクション映画なのに対し、こちらはコメディ。“止まれない車”と言う似たようなシチュエーションですが、全く異なる舞台設定になっています。

最近の車は、コンピューターが走っていると言っても過言ではないので、システムが故障してしまって暴走するという設定は、強ち荒唐無稽とも言い切れないよなぁと思いながら見ていました。でもこれは、まだ自動操縦車ではなく、普通に人が運転する車の話ですが、自動運転車になってしまったら、一体どうなるんでしょうね?もっとも、人が運転する車だとは言っても、この作品の様に、完全にアンコントローラブルになってしまえば、人が運転するのかとか、自動運転だとかは、関係なくなってしまいますけどね。

撮影は、グリーンバックではなく、実際に160km/hで走行して行ったそう。160km/hって、走ってみると意外に速い速度です。危ないシーンは、スタントマンでしょうけど、それでも、160km/hで運転するのは意外に疲れますから、そこで演技するとは俳優さん達、凄いですね。

高速道路管理隊の隊長が、卓球をしてサボっている設定ですが、フランスでも、そう言う所の官僚(?)は、仕事をしていないという一般国民の認識なんですかね?でも、なぜに卓球?

ラストの解決方法が、ハリウッド映画かの様な解決方法っぽいですが、中々面白いと思いました。確かにねぇ、あそこまで行ってしまったら、ああいう解決方法しか無いですよねぇ。あれは、GIGNでしたか?

タイトル ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走 / 原題 À fond

日本公開年 2017年
製作年/製作国 2016年/フランス
監督 ニコラ・ブナム
出演 ジョゼ・ガルシア(トム)、アンドレ・デュソリエ(ベン/トムの父)、カロリーヌ・ビニョ(ジュリア/トムの妻)、ジョゼフィーヌ・キャリーズ(リゾン/トムの娘)、スティラノ・リカイエ(ノエ/トムの息子)、シャルロット・ガブリ(メロディ)

おとなの恋の測り方 / Un homme a la hauteur

2017年06月18日 | 洋画(フランス系)
離婚して、すっかり恋から離れていた敏腕女性弁護士が、携帯電話を落としてしまった事を切っ掛けに、知的でユーモラスであるが、身長がディアーヌよりもだいぶ低い男性と出会う、ラブコメディ作品。

ジャン・デュジャルダンが、身長132cmしかない男性を演じていますが、これは、もちろん特殊効果。だって、実際のジャン・デュジャルダンは182cmと、むしろ高身長。でも、どうやって撮ったんですかね。アレクサンドルとディアーヌが並んでいるところは自然でしたし、アレクサンドルとブルーノが争うシーンも自然でした。

これは、ラブコメではありますが、その他にも、障がい者の日常の困難とか、障がい者に対する偏見とかも描いています。アレクサンドルは低身長と言う障がいがありますが、実は、ディアーヌの継父も耳に障がいがあります。ディアーヌの母が、娘と付き合う低身長の男に敬遠の態度を示したとき、ディアーヌの継父が「あなたの心に障がいがある」と言ったのは、中々深いと思いました。

ストーリー的には、中々面白いラブコメ。舞台はフランスですが、別にフランスでなくても、アメリカとかでも成立しそうな気がします。良い作品だと思います。

タイトル おとなの恋の測り方 / 原題 Un homme a la hauteur

日本公開年 2017年
製作年/製作国 2016年/フランス
監督 ローラン・ティラール
原作 コラゾン・ド・レオン
出演 ジャン・デュジャルダン(アレクサンドル)、ヴィルジニー・エフィラ(ディアーヌ・ドゥーシェン)、セドリック・カーン(ブルーノ/ディアーヌの前夫)、セザール・ドンボワ(ベンジー/アレクサンドルの息子)、エドモンド・フランキ(モニク/家政婦)、マノエル・ガイヤール(ニコル/ディアーヌの母)、ブルーノ・ゴミラ(フィリップ/ディアーヌの継父)

未来よ こんにちは / L'avenir

2017年03月25日 | 洋画(フランス系)
仕事にも、家庭にも、充実した生活を送っていると思っていた女性が、ある日突然、夫から離婚を切り出され、母は亡くなってしまい、気が付けば“おひとり様”になっていた。そんな女性が、新しい人生に向かって進んでいくさまを描いた作品。

日本との違いに驚いたのが、ナタリーは高校教師ではあるんですが、高校の哲学の教師であると言う事。フランス特有なのかもしれませんが、欧米人が、大人で、且つ、自分で物事を考えるのは、高校時代から哲学とかをきちんと学んでいるからなんだと思わされました。小学校の道徳の教科書で、“パン屋はダメで、和菓子屋にする”とか言う低レベルな話をしているようじゃ、かなわないですね。

もう一つ驚かされたのが、ナタリーが離婚する理由は、夫が浮気をしたからと言う事なんですが、泥沼になる事もなく、且つ、浮気を告白されても大人の対応をしている事。もちろん、心の奥底でどう思っているのかわかりませんが、日本の陳腐な脚本ならば、泥沼になったり、女性が泣き叫んだりするところなのかもしれませんが、そうじゃない!やっぱり、大人。それと、オランド大統領が不倫しても、それほどの大問題にもならなかったというお国柄も感じました。この問題、逆に不倫を暴かれた側が、キレているくらいだもんなぁ。

いやぁ、大人の映画です。主人公が、哲学の教師であると言う事も影響したのかもしれませんが、たとえ相手が不倫した夫であっても、あるいは、意見の異なる教え子であっても、それが故に気まずくなると言う事もそれ程無く、ちゃんと一人の人間として対応する。フランスの個人主義の影響もあるのかな。

PG12の映画ですが、どのあたりが?と言う気がします。セクシャルなシーンも無いですしね。あまりにも、個人主義過ぎて、子供には難しいと言う事?『フランスを見た』と言う気になりました。

タイトル 未来よ こんにちは / 原題 L'avenir

日本公開年 2017年
製作年/製作国 2016年/フランス、ドイツ
監督 ミア・ハンセン=ラブ
出演 イザベル・ユペール(ナタリー・シャゾー)、アンドレ・マルコン(ハインツ)、ロマン・コリンカ(ファビアン)、エディット・スコブ(イベット)、サラ・ル・ピカール(クロエ)、ソラル・フォルト(ヨアン)、エリーズ・ロモー(エルザ)、リオネル・ドレー(ユゴー)、グレゴワール・モンタナ=アロシュ(シモン)、リナ・ベンゼルティ(アントニア)

ブルゴーニュで会いましょう / Premiers crus

2016年11月23日 | 洋画(フランス系)
やる気を失ってしまい、倒産寸前のワイナリーの立て直しを通じて、家族の絆とは何か?と言う事を描いた作品。

意外にすんなりと、シャルリがワイン造りに入っていくことには驚きです。しかも、これまでのやり方を止めて、全く新しい(って言うか、古代ローマに帰っている訳ですが)やり方を始めてすらいます。ここまで書いていて、そう言えば最近復活している日本酒の酒蔵も、杜氏制度を取りやめ、蔵元自ら醸造に乗り出すなどの新しい事を始めている所が多いということを思い出しました。お酒に関する事業の改革で、洋の東西問わず同じように、従来の方式に捕われないやり方をして成功する(こちらは映画ですが)というのは興味深いです。

頑固親父が更に伝統を守る形でワイン造りを頑張って、徐々にその頑固さが周囲に理解されていって、それと共に息子も娘も戻ってくるという話じゃないんですよねぇ。日本だと、そう言う感じに描くことの方がありそうですが、そうじゃない所が、日本とフランスの違いなのかな。ワイナリー経営者がやる気を失ってしまった結果、ワイナリーが潰れるというのは、意外にフランスでは多いことなのかもしれませんね。

いかにもフランスっぽいな、と思うのが、シャルリとブランシュの関係。あれって良いのか!物語も最終盤に、ブランシュが帰ってくる件は、その後のマレシャル家とモービュイソン家の関係も変わる予感がします。

シャルリの昔ながらの製法のワイン。日本に輸入されるワインに入っている酸化防止剤も少なそうですし(無使用ではない)、飲んでみたい気がしました。

タイトル ブルゴーニュで会いましょう / 原題 Premiers crus

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/フランス
監督 ジェローム・ル・メール
出演 ジェラール・ランバン(フランソワ・マレシャル/ワイナリー経営者)、ジャリル・レスペール(シャルリ・マレシャル/フランソワの息子、ワイン評論家)、アリス・タグリオーニ(ブランシュ・モービュイソン/隣のワイナリーの娘)、ローラ・スメット(マリー・マレシャル/フランソワの娘、レストランを経営)、ラニック・ゴートリー(マルコ/マリーの夫)、フレデリック・ティルモン/エディット・モービュイソン/隣のワイナリーの経営者)、クリスチャン・ミレー(マルグリット/フランソワの元妻、シャルリとマリーの母)、スカリ・デルペラト(ロラン)、シェーン・ウッドワード(クリストファー/ブランシュの夫)、ルイ・ウィルウェルツ(ティボー/マリーとマルコの息子)、ステファーヌ・カイラール(セシル/シャルリの秘書)、フィリップ・ロダンバッシュ(ドゥ・メニル/ワイン業者)

92歳のパリジェンヌ / La dernière leçon

2016年11月06日 | 洋画(フランス系)
フランスの元首相リオネル・ジョスパンの母の実話を原案にした映画。原案となった本を書いたのは、リオネルの妹であり作家のノエル・シャトレ。フランス映画祭2016で最高賞の観客賞を受賞。

フランスの元首相を描くのが目的ではないので、現実の世界ではその位置にあたると思われるピエールの職業は政治家ではありません。でも、この行動はおそらくこの作品で描かれたような、「母の主張を受け入れることは出来ない」と言う事だったんじゃないでしょうかね。そんな気がします。

ちょっとピエールの職業に脱線しますが、彼の職業は、何やら中国と取引のある職業の模様。ハリウッド映画のみならず、フランス映画でも中国は避けて通ることは出来ないものなんですね。

映画の話に戻ります。こう言う作品の場合、みんなハッピーになって幸せになるというなんかキレイな物語になりがちですが、この作品はそうではありません。等身大の人々、現実の出来事として描かれています。そう言う意味で、見ている側も、リアルな出来事として捉える事がしやすかったと思います。逆にそれが故に、生々しいと言う気にもなりましたが。

高齢化が止まらないいま現在の日本にも当てはまるリアルな物語でした。

タイトル 92歳のパリジェンヌ / 原題 La dernière leçon

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/フランス
監督 パスカル・プザドゥー
原案 ノエル・シャトレ『最期の教え』
出演 マルト・ビラロンガ(マドレーヌ/母)、サンドリーヌ・ボネール(ディアーヌ/マドレーヌの娘)、アントワーヌ・デュレリ(ピエール/マドレーヌの息子、ディアーヌの兄)、グレゴール・モンタナ(マックス/ディアーヌの息子)、ジル・コーエン(クロヴィス/ディアーヌの夫)、ザビーネ・パコラ(ヴィクトリア/マドレーヌの家政婦)

奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ / Les héritiers

2016年08月12日 | 洋画(フランス系)
実話に基づく作品。

高校の落ちこぼれ達が、ナチスによるユダヤ人絶滅政策に関するテーマで全国歴史コンクールに参加する事で変わっていくと言うのは、いかにも学生物語にありそうな話ですが、実話という所が凄い。

もっと『凄い』と思ったのが、第2次世界大戦を巡るナチスの非道の歴史を語り継ぐために、“全国歴史コンクール”と言うものがフランスで催されていると言う事。フランスは戦勝国と見られる所もありますが、実際には一部は枢軸側に居たので、歴史を語り継ぐという事は重要なことなんだと思います。自身の負の歴史に目を向けるということは大変ですが、誠実に実行しているんですね。

この作品は、高校生たちが全国歴史コンクールを通じて成長していくという物語と言うところに感動したんですが、もう一つ、やはりその全国歴史コンクールと言うオブラートに包んで表現したナチスによるユダヤ人絶滅政策の非道さに心を動かされました。こんなことは二度とあってはいけないです。

翻って我が国日本。自分の負の歴史にきちんと向き合っているだろうか。誠実に過去を見なおしているだろうか。そう言う問いかけをされたような気がします。

タイトル 奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ / 原題 Les héritiers

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2014年/フランス
監督 ジェームズ・バンダービルト
出演 アリアンヌ・アスカリッド(アンヌ・ゲゲン)、アハメッド・ドゥラメ(マリック)、ノエミ・メルラン(メラニー)、ジュヌビエーブ・ムニシュ(イヴェット)、ステファン・バック(マックス)、モハメド・セディッキ(オリバー/ブラヒム)、レオン・ズィゲル(本人、強制収容所の生存者)

最高の花婿 / Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu?

2016年03月26日 | 洋画(フランス系)
フランス国民の5人に1人は見たと言われる2013年の作品。

基本的にコメディタッチなので深刻な雰囲気はしませんが、2015年11月13日のパリ同時多発テロや2016年3月22日のブリュッセル同時テロが起こった後の今だと、何とも複雑な気持ちもします。パリではなくて、フランスの地方都市を舞台にしたこの様なテーマの映画が作られるほど、人種問題、宗教問題は身近な問題で有ることを改めて思い起こされました。ただでも国際結婚は大変なのに・・・。

ちょっと重くなってしまったので、もう少し違った視点で。この作品は、上記のように2013年の作品なわけで、既に、中国の勢いをフランスにおいても感じてしまっているわけですが、これが、バブル華やかなりし頃の30年位前の時代であったならば、この作品での中国人のポジションは、日本人だったのではないかと・・・。

あ、やっぱり少し重い・・・orz

いずれにしても、ムスリムもユダヤ人も中国人もアフリカ系も、ちょっとづつ貶していて(失礼)、なんだかんだ言っても、『やっぱりフランスが一番!』と言いたい映画なんだなぁと思いました(笑)。ラ・マルセイエーズで盛り上がっていたりしますしね。でもそれは、もう一つの意味も有ったかなぁとも思っていまして、それは、様々な人種や宗教の人々が、フランスの旗の下で一つになっていると言う事も言いたかったのかなぁと。それが、本当なら良いんですけどね・・・

原題の「Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu?」は、Google翻訳を信じるのであれば「私たちは神に何をしましたか?」と言う意味らしいです。確かに、クロードとマリーからしてみれば、そう言う事を言いたくなるかもしれませんね。

少し重いことを書いてしまいましたが、実際には、そんなに重い映画ではありません。実際、時々劇場に笑いが起きていたほどでしたし。あんまり難しく考えずに見るのが良いと思います。

タイトル 最高の花婿 / 原題 Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu?

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2013年/フランス
監督 フィリップ・ドゥ・ショーブロン
出演 クリスチャン・クラビエ(クロード・ヴェルヌイユ/父)、シャンタル・ロビー(マリー・ヴェルヌイユ/母)、メディ・サドゥン(ラシッド・ベナセム/長女の夫、ムスリム)、アリ・アビタン(ダヴィド・ヴェニシュ/次女の夫、ユダヤ人)、フレデリック・チョウ(シャオ・リン/三女の夫、中国人)、ヌーム・ディアワラ(シャルル・コフィ/四女の恋人、アフリカ系)、フレデリック・ベル(イザベル・ヴェルヌイユ/長女)、ジュリア・ピアトン(オディル・ヴェルヌイユ/次女)、エミリー・カーン(セゴレーヌ・ヴェルヌイユ/三女)、エロディー・フォンタン(ロール・ヴェルヌイユ/四女)、パスカル・ンゾンジ(アンドレ・コフィ/シャルルの父)、サリマタ・カマテ(マドレーヌ・コフィ/シャルルの母)、タチアナ・ロホ(ヴィヴィアン・コフィ/シャルルの妹)