勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

2009年年間振り返り

2009年12月31日 | 振り返り
さて、昨日に引き続き振り返りです。
今日は、2009年一年間に見た映画が対象です。

この一年に見た本数ですが、
1月4本、2月4本、3月4本、4月5本、5月4本、6月4本、
7月2本、8月6本、9月2本、10月4本、11月4本、12月5本。
合計は48本でした。うち、邦画が15本。
上期だけで、25本見ているんですね。
下期は、2本だけと言う月が2回あるので、
少し伸び悩んでしまいました。

さて、年間で最も印象に残った映画ですが、
良い方は「グラン・トリノ」にします。
クリント・イーストウッドのシブイ演技が良いです。
でも何故だか、上期振り返りでは、印象に残った作品に
選んで無いんですよね。
まぁこの時は、奇をてらって「スター・トレック」を
選んじゃってましたね。
「スター・トレック」も良い作品です。
でも、“後世に残る”とか、“心に染みる”とか言うフレーズは、
「スター・トレック」には付かないですよね。残念。

邦画で良かったのは、昨日も記した「さまよう刃」。
これは、物凄く悲しい話です。
しかも、現代の世相を反映し、怖くも思います。

良くない方で印象に残ったのは、
昨日も書きましたが、「笑う警官」。
原作が良かっただけに、本当に悲しいです。

2009年は、こんな感じでした。
もう直ぐ2010年です。
2010年は、「踊る大捜査線3(仮)」や
「海猿3(仮)」も予定されていますから、
楽しみですね。

2009年下期振り返り

2009年12月30日 | 振り返り
年末になりました。
2009年下期に見た映画の振り返りをしたいと思います。

まず、下期(7月~12月)の期間に見た本数ですが、
7月2本、8月6本、9月2本、10月4本、11月4本、
12月5本で、合計23本。
うち、邦画が8本でした。結構、邦画を見ましたね。

さて、下期に最も印象に残った映画ですが、
良い方だと「さまよう刃」ですかねぇ。
沈まぬ太陽」も捨てがたいんですが、敢えてこちらに。
昨今の、日本の犯罪事情を反映した内容で、
物凄く考えさせられる作品でした。
いまだと、裁判員裁判の対象になる犯罪ですね。

次点は、上で「沈まぬ太陽」と比較して、
敢えて「さまよう刃」を一番に・・・と書いておきながら、
「沈まぬ太陽」でななくて、「風が強く吹いている」ですかね。
映画は、原作とところどころ違う描き方がされていて、
正直なところ、原作の描き方の方が良いなぁと思うところが
ところどころあるんですが、それでも全体としては良い作品です。

と、二つとも邦画になってしまいました。
洋画は、面白いと思うものはあるにはあるんですが、
印象に残るかと言うと、イマイチ。
このところ、洋画は力が無くなっていますね。

良くない方で印象に残ったのは、これも邦画で「笑う警官」ですかね。
これは、折角の良い原作が、ズタズタにされてしまった悲しい映画です。
映画の脚本は、大事だと思います。

良くない方の次点は、「2012」と僅差で「ノウイング」。

さて明日は、2009年一年を振り返りたいと思います。

アバター

2009年12月23日 | 洋画(アメリカ系)
構想に14年、製作に4年を費やして「タイタニック」のジェームズ・キャメロンが完成させた大作。2Dでも上映されるが、基本、3D作品。実写での本格的3D作品になっている。

典型的な「ミイラ取りが、ミイラになる」と言うストーリーの作品であるが、構想と制作に長時間掛けている事もあり、流石に単調な話にはなっていない。舞台となる惑星パンドラには、恐ろしげな動物がたくさん生息しているが、それらの動物とナヴィが共生をしていたり、ナヴィが不思議な植物?を通して祖先との繋がりを脈々と受け継いでいるなど、ナヴィの生活を描くことで、見るものを飽きさせない工夫がされている。

と、ここまで書いていて、惑星パンドラは、地球を“ガイア”と表現する様に、実は、ナヴィ・動物・植物が、実は一つの生態と言う概念で、キャメロン監督は描こうとしているのでしょうか? 個々に独立して見える植物が、実はある種の電気信号で交信しあっているなどと言うところが、そう言う感じがします。

加えて、もっというと、今回の地球人が資源を求めて力任せに攻めて行くと言う構図は、地球人=アメリカ、ナヴィ=イスラム社会、あるいは、もう少しやさしい表現をすればアメリカ以外の勢力と置くことができるなぁなどとも思ってしまいました。つまり、今のアメリカの置かれている状況を、SF映画と言う姿を借りて浮き彫りにしているのだろうかなどと余計なことを考えてしまいました。ジェームズ・キャメロンが民主党支持だと、かなりそんな可能性もあるかと思うんですが、どうなんでしょうか?

さてそんな余計な事は置いておくとして、ジェイク・サリー役のサム・ワーシントンは、いい演技していますね。「ターミネーター4」でも、いい演技しているなぁと思っていましたが、気のせいでは無かったようです。

それと意外に良かったのが、海兵隊の大佐役のスティーヴン・ラング。いやぁ、数々の死線をくぐって来た、勇猛果敢な海兵隊の大佐と言うイメージピッタリです。彼が、サム・ワーシントンの反対側の役でいた事で、この作品が物語として上手く成立しているのだとおもいます。

さて、この作品は3D映画であるんですが、私が見た映画館では「Dolby 3D Digital Cinema」方式でした。電池の入った大きめのメガネを用います。このメガネ、一説では10万近くすると言う噂も・・・。でもねぇ、これ、視力矯正用のメガネと一緒にかけることができないんですよね。そう言う人は、視力矯正用のメガをを外して、3D用のメガネを掛けざるを得ません。そこがちょっと不満。そこのところを、何とかして欲しいんですが。でも、かなりきちんと3Dに見えますね。しかも、3Dメガネ無しでも映像が二重・三重に見える事も無かったと思います。

さて、映画の話から外れてしまいました。この映画、かなり良く出来ているんですが、突っ込みどころも意外にあります。って言うか、DNAを融合してアバターが作成できたり、何らかの方式で精神融合出来る技術もあるのに、何で攻撃兵器は、普通の銃に、ミサイルなんでしょうね? もっと言うと、兵士達の服装は、現代の迷彩から全く改善されていないんですか。一体、何世紀の話なのか判りませんが、その辺りの事が少し残念。

でもまぁ、流石に14年も掛けて構想を練っただけの事はあると思います。上記に記したように、暗にアメリカ批判?と言う雰囲気もあり、それが私の妄想だとしても、映画作品としては、結構いい作品だと思います。3Dだしね。

タイトル アバター
原題 Avatar
日本公開年 2009年
製作年/製作国 2009年/アメリカ
監督・制作・脚本 ジェームズ・キャメロン
出演 サム・ワーシントン(ジェイク・サリー)、ゾーイ・サルダナ(ネイティリ)、シガーニー・ウィーバー(グレイス・オーガスティン)、ミシェル・ロドリゲス(トゥルーディ・チャコン)、ジョヴァンニ・リビシ(パーカー・セルフリッジ)、スティーヴン・ラング(マイルス・クォリッチ)、ディリープ・ラオ(マックス・パテル)

[2009/12/23]鑑賞・投稿

のだめカンタービレ 最終楽章 前編

2009年12月20日 | 邦画
2006年にフジテレビで放送され、人気を博した「のだめカンタービレ」の完結編。原作の方も完結みたいなので、本当に最終楽章=完結編と言うことの様です。

この「のだめカンタービレ」、実は、刊行前に原作のストーリーをフジテレビに教えたりしていて、TVやアニメが原作の世界観との破綻を来さないように、密な協力をしているそうです。そう聞いて、原作も読んでみたくなりました。

とは言うものの、前回のTV放送とこの映画の間が若干つじつまが合わない感じ、って言うか、説明不足な気もします。具体的には、谷原章介が演じる松田幸久の件。原作などではきちんと描かれているのかもしれませんが、前回のTVレギュラー放送と、昨年の特番「のだめカンタービレ in Europe」しか見ていないと、話の繋がりが分かりませんでした。雰囲気で理解できましたが・・・。

演技としては、まずは、主人公のだめ=上野樹里。やっぱり、のだめと言えば彼女ですね。TV版のだめのあの特徴的話し方は、彼女の元々の話し方に近いんだそうです。と言うのは彼女、舌の筋肉が弱いと言うか、舌の使い方が上手くないと言うか、元々そう言う話し方の人なのだそうなんです。本人もそれを意識していて、インタビュー記事で、自分の素の喋り方がのだめに似ていると言うことを言っていました。それって(舌が上手く回っていない話し方)役者としてはかなり致命的な気もするんですが、逆に今回は、それを役に活かしているんですから大したモノだと思います。

一方の千秋先輩=玉木宏。3年前と比べて玉木宏は人気俳優になっていますからねぇ。3年前の若手俳優と言う感じから、脂の乗ってきた俳優と言う感じに脱皮してきているのを感じます。元々スリムな彼ですが、この最近の様々な役を演じたことで、より一段と見た目も、物理的にもシャープさが増したような気がしました。

さてさて、この映画はコンサートホールも映像としては意外に重要な訳ですが、オープニングには、ウィーンフィルがニューイヤーコンサートを行う楽友協会ホールが使われています。2年先まで空いていないと言う事だったんですが、突然一日だけキャンセルが出て、撮影に使うことができたそうです。また、ラストシーンのシアター・ブラン(白い劇場って言う意味ですね)のホールと言う設定になったのは(って言うか、シアター・ブランそのものが実在するんでしょうか?)、ぜんぜんパリとは違うスロバキアのレデュタ劇場。スロヴァキア交響楽団の本拠地だそうです。ヨーロッパを西に東に移動していますね(笑)。

劇場だけではなくて、オーケストラの方も重要です。千秋が常任指揮者に就任するルー・マルレ・オーケストラに扮しているのは、ブルノ・フィルハーモニック。チェコのブルノにあるオーケストラだそうです。

今回は、日本に残るR☆Sオーケストラのメンバーの出演シーンは殆どありませんでしたが、いよいよ後編では、そちらのメンバーも絡んでくるようです。楽しみです。

タイトル のだめカンタービレ 最終楽章 前編
日本公開年 2009年
製作年/製作国 2009年/日本
監督 武内英樹
原作 二ノ宮知子
出演 上野樹里(のだめ/野田恵)、玉木宏(千秋真一)、ウエンツ瑛士(フランク・ラントワーヌ)、ベッキー(タチヤーナ・ヴィシニョーワ)、山田優(ソン・ルイ)、谷原章介(松田幸久)、 なだぎ武(テオ)、福士誠治(黒木泰則)、瑛太(峰龍太郎)、 水川あさみ(三木清良)、小出恵介(奥山真澄)、山口紗弥加(並木ゆうこ)、吉瀬美智子(エリーゼ)、伊武雅刀(峰龍見)、竹中直人(フランツ・フォン・シュトレーゼマン)、チャド・マレーン(ポール・デュボワ)、マヌエル・ドンセル(シャルル・オクレール)、ジリ・ヴァンソン(ジャン・ドナデュウ)、マンフレット・ウダーツ(トマ・シモン/ルー・マルレ・オーケストラ コンサートマスター)

[2009/12/20]鑑賞・投稿

パブリック・エネミーズ

2009年12月13日 | 洋画(アメリカ系)
1930年代アメリカで多数の銀行を襲うとともに、時には逮捕されながらも脱獄を繰り返して、時の連邦捜査局長官J・エドガー・フーバーに「社会の敵No.1」に指名されたジョン・デリンジャーを描いた映画。

ジョン・デリンジャーを演じたのは、ジョニー・デップ。ジョニーって、ちょっと変わった役しかやらないのかと思ったら、こう言う“普通の”役もやるんですね(失礼)。ジョニー、カッコいいです。だって、「好きなものは、野球、映画、高級服、速い車、そして君」なんて言われたら、キザとも思いますが、「カッコいい!!!」と思っちゃいますよね。

そして、ジョンを追うBOI(のちのFBI)捜査官メルヴィン・パーヴィスを演じるのはクリスチャン・ベイル。こちらも、ニヒルな捜査官でカッコいいです。もっとも彼は、現場の責任者に過ぎないので、上司の長官の理不尽あるいは目立ちたがりな行為に反感を抱いていたんじゃないですかね? 明示的にそう描かれてはいませんが、そういう雰囲気も演出から感じました。

そして、メルヴィンを捜査責任者に指名した(目立ちたがりの)BOI長官は、若きJ・エドガー・フーバー。フーバーは、デリンジャー追跡などの功績で、BOIが改組されたFBIの初代長官になって、その後1972年に死ぬまでその職に留まったのは有名な話。彼は管理者としては有能だったかもしれませんが、捜査官、あるいは法執行者とては、微妙だったのかもしれませんね。

物語は、1933年5月22日にジョンが起こした脱獄補助事件から始まります。そして彼は、1934年7月22日には射殺されていますから、ほんの1年ほどの間の話なんですね。そして劇中では、かなり初期にジョンは「社会の敵No.1」に指名されていますが、実際には映画では後半になるリトル・ボヘミア・ロッジでの銃撃戦の後(1934年6月22日)です。この違いは演出上の都合でしょうね。それと、ジョンが射殺されるときにいたアンナは「赤いドレス」を着ていたと言われているんですが、映画では、そうでは無かったですね。何故でしょう?

いやぁ、それにしても、これだけの短期間に、よくこれだけの事件を起こしますね>ジョン。当時は世間からは義賊的に扱われ、好意的な意見も多かった様ですが、当時は娯楽が少なかったからと言ったら、言い過ぎですかね? つまり、彼の行為を一種の“娯楽”として捉えていたんじゃ無いでしょうか? いまなら、必ずしも好意的な雰囲気にはならない気がします。

1930年代なので、現代の人間も、いろいろな所で、その風俗や街並み、生活習慣を眼にすることがあると思います。当時のころのラジオとか、飛行機、車など、よく集めたと思います。その辺の時代考証は、比較的行われていたんじゃないでしょうか。

上映時間は、141分。途中までは、非常に引き込まれたんですが、最後は少し飽きました。141分はちょっと長いかも。もう少し短い方が、集中して楽しめると思いました。

タイトル パブリック・エネミーズ
原題 Public Enemies
日本公開年 2009年
製作年/製作国 2009年/アメリカ
監督 マイケル・マン
出演 ジョニー・デップ(ジョン・デリンジャー)、クリスチャン・ベイル(メルヴィン・パーヴィス)、マリオン・コティヤール(ビリー・フレシェット)、ビリー・クラダップ(J・エドガー・フーバー)

[2009/12/13]鑑賞・投稿

ジュリー&ジュリア

2009年12月12日 | 洋画(アメリカ系)
実在のアメリカの料理研究家ジュリア・チャイルドの記した524のフランス料理のレシピを365日で作りブログに掲載する事に挑戦した、これも実在のNY在住の人物ジュリー・パウウェルの物語。

ジュリー・パウエルを演じるのは、エイミー・アダムス。時は2002年なのですが、ジュリーは9.11の後処理を行う政府機関に勤めていると言うところに、時代背景を感じますね。で、この時彼女はアラサー真っ只中の29歳。その後30歳になります。気になったのが、大学の同級生?達が、企業でかなりのポストに付いたりしていたこと。と言う事は、アイビーリーガー何でしょうか?>ジュリーは。

一方、ジュリア・チャイルドを演じるのはメリル・ストリープ。かなりそっくりらしいのですが、実際のジュリア・チャイルドを知らないので、何とも言えません。でも、コメディー番組のネタにされたり、昔のテレビ映像があったりと、かなりの有名人みたいです。日本で言えば、性別は違いますが、神田川俊郎とか、道場六三郎とか言う感じなんですかね? 女性ならば、分野は違いますが岸朝子? 外交官と結婚したり、実家がテキサスの名家である事が匂わされたりして、かなりのお嬢様だったみたいですね。

物語は、ジュリアの時代とジュリーの時代を行ったり来たりしながら進んで行きます。もちろん、料理をテーマとした映画なので、料理を作ったり食べたりするシーンが沢山。中々美味しそうでした。って言うか、レシピ本があるものの、それなりのフランス料理を作る事が出来るジュリーって、料理上手だと思いました。

実は、この企画にジュリーがチャレンジした2002年は、まだジュリアが90歳で存命だったようです。それで、劇中の最後の方に、ジュリアがジュリーの企画に対して不快の念を抱いていると言う事を連絡してきた新聞記者がいるんですが、その後の二人の関係はどうなったんですかね? 物語上全く描かれていなかったので、物凄く気になりました。アメリカでは、その様な場合は、誰かが(この場合は電話してきた新聞社?)仲介して、和解のイベントがあったりするんですが、無かったんでしょうか? でもなぁ、あの描き方からすると、そのままスルーのような気がしますね。ちなみにジュリアはその翌年には亡くなった様です。

さて、ジュリアもジュリーも、そのレシピを完成させたり、ブログの企画を成功させたりするには、山あり谷ありです。でも、それを優しい夫がフォローするという夫婦愛の映画にもなっています。ほんわかと心が温かくなりました。

タイトル ジュリー&ジュリア
原題 Julie & Julia
日本公開年 2009年
製作年/製作国 2009年/アメリカ
監督・脚本・製作 ノーラ・エフロン
出演 メリル・ストリープ(ジュリア・チャイルド)、エイミー・アダムス(ジュリー・パウウェル)、スタンリー・トゥッチ(ポール・チャイルド)、クリス・メッシーナ(エリック・パウエル)、リンダ・エモンド(シモーヌ・ベック)

[2009/12/12]鑑賞・投稿

キャピタリズム~マネーは踊る~

2009年12月05日 | 洋画(アメリカ系)
常にシニカルな見方でアメリカの問題点を抉る、マイケル・ムーア監督の最新作。2007年の前作『シッコ』では、アメリカの医療問題について深く切り込んでいましたが、今回は、アメリカの資本主義について深く切り込んでいます。

『シッコ』から、まだ2年しか経っていないんですが、“Yes, we can!”のフレーズを原動力にして当選したオバマ大統領による医療保険改革により、アメリカは変革を始めようとしています。しかし、そのオバマ大統領誕生の背景には、この資本主義の問題が垣間見えます。つまり、アメリカ国民は、歪んだ資本主義を変えると言う願いも込めて、オバマ大統領を誕生させたと言っても良いような気がします。就任一年目が過ぎようとしていますが、のこり3年の人気で、どこまで成果が出せるでしょうね? そして、その後の再選は叶うんでしょうか?

それにしても、酷いね。ニュースで公的資金が投入された金融機関が、高額ボーナスを支払っているという事を聞き、理不尽な出来事に憤慨しましたが、それにしても酷い。取立てを警官・保安官が行うというのもアメリカ独特ですが、何だかなぁと言う気になりました。

それと、社員に勝手に生命保険をかけて、社員が死んだら保険金を貰うという会社。いやぁ、怖いね。一例として名前が挙がった会社は、日本人も知っている大企業ばっかりだからなぁ。逆に、そう言う企業だから、利益至上主義なのか? P&Gの日本法人は、そう言うことしてないだろうなぁ。それと、ま・さ・か、業績が悪くなったら、社員を暗殺したりしないよね?

でも、今回は、何となくスッキリしません。なんか切り込み感が足りないんだよなぁ。マイケル・ムーアは、これを最後に、ドキュメンタリーは終わりと言う意向を示しているらしいのですが、最後の作品なら、もっと捻って、切り込んで欲しかった。『華氏911』や『シッコ』で見られた鋭さが、何か感じませんでしたね。って言うか、彼の天敵ジョージ・W・ブッシュ氏が大統領を退いたからなのでしょうかね?

さて、プロモーションで来日したマイケル・ムーアが、“日本は日本の良いところがある。アメリカの様にならなくて良い”と言うような趣旨の事を言っていたと思いますが、まさにその通りですね。医療崩壊、格差拡大と、まさにアメリカの後を追うような事態になっている日本。アメリカを他山の石として、良い日本を取り戻したいですね。

タイトル キャピタリズム~マネーは踊る~
原題 Capitalism: A Love Story
日本公開年 2009年
製作年/製作国 2009年/アメリカ
監督・脚本・出演 マイケル・ムーア

[2009/12/05]鑑賞・投稿