勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

青天の霹靂

2014年05月25日 | 邦画
劇団ひとり、原作・脚本・監督・出演の作品。一人いったい何役なんだ(笑)。

「笑いと、たぶん一粒の涙の物語」がキャッチコピーのこの作品。涙は一粒じゃないですよ。いや、実際には泣きませんでしたが、少なくとも2回泣きそうになってしまいました。ちょっと冗長だと思うようなカット割りもありますが、初監督作品にしては、中々だと思います。ただ、映像の雰囲気、カット割りから感じるのは、基本的に、劇団ひとり監督は、あまり明るい性格じゃないんじゃ無いかと・・・。何となく、物悲しい映像なんですよね。

それと、大泉洋も良いですね。芸達者です。手品のシーンも、吹き替えなしで大泉洋自身が演じたそうです。撮影の合間にも、だいぶ練習したらしいです。それだけに、見事でしたね。終盤の鳩を出すシーンは、カッコ良かったです。

柴咲コウも素晴らしい。美しく、強い女性を演じています。それと、劇団ひとり監督は、女優になんか必要以上のあこがれが有るんですか?花見の時、悦子が桜を見上げるシーンが、何か少女漫画チック・・・。そう言うところは、直して欲しいですね>劇団ひとり監督。

この作品は、監督がロケにこだわったという事で、全編オールロケ。浅草雷門ホールのシーンは、長野県上田市の劇場を急遽雷門ホールに見立てて(改造して)撮影したそうです。宣伝番組で上田市を訪れるシーンが有ったんですが、その劇場は、雷門ホールの姿のままでした。

いや、それにしても、期待以上の感動。一粒以上の涙。劇団ひとりって、多彩だな。

タイトル 青天の霹靂
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/日本
監督 劇団ひとり
原作 劇団ひとり
出演 大泉洋(轟晴夫)、柴咲コウ(花村悦子)、劇団ひとり(轟正太郎)、風間杜夫(雷門ホール支配人)、笹野高史(医師)

[2014/05/25]鑑賞・投稿

マンデラ 自由への長い道 / Mandela: Long Walk to Freedom

2014年05月24日 | 洋画(アメリカ系)
昨年(2013年)12月5日死去した、ノーベル平和賞受賞者であるネルソン・マンデラ氏の自伝『自由への長い道 ネルソン・マンデラ自伝』の映画化。

自伝という割に、意外に前半は、すぐに女性と恋に落ちたり、不倫したりという、自由な(?)マンデラ氏の姿が描かれます。まぁ、マンデラ氏が3回結婚したのは事実として知られていることなので、隠すようなことではないという事と、映画と言う劇作品なので、そう言う物語性も必要だったからということが有るのかもしれません。それがないと、ひたすら反アパルトヘイト運動が描かれ、後半は、ただ刑務所にいる姿しか無くなりますからね。

自伝が下なので仕方ないのかもしれませんが、客観性には欠けるかもしれません。それと、マンデラ氏がロベン島に収容されていた時期については、もちろんロベン島の事しか映画では描かれていません。ANCやウィニーを通じて、若干の外部の情報も得ていたでしょうが、収監中なので仕方ないですね。

物語終盤の、デクラーク大統領とのやりとりに関しては、36年も抑留されていたにも関わらず、その闘志は失われていないことがハッキリと判りました。特に、釈放に関わる彼の言葉。すごい人ですね。

非常に素晴らしいテーマの映画なんですが、個人的には、もう少しアパルトヘイトの事を掘り下げて欲しかったです。

タイトル マンデラ 自由への長い道 / 原題 Mandela: Long Walk to Freedom
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/アメリカ
監督 ジャスティン・チャドウィック
出演 イドリス・エルバ(ネルソン・マンデラ)、ナオミ・ハリス(ウィニー・マンデラ)、トニー・キゴロギ(ウォルター・シスル)、リアード・ムーサ(アーメド・カトラダ)

[2014/05/24]鑑賞・投稿

WOOD JOB! 神去なあなあ日常

2014年05月11日 | 邦画
スウィングガールズ』、『ハッピーフライト』、『ロボジー』などの、矢口史靖監督の最新作。

いやぁ、矢口監督、この手の作品うまいですね。上記のこれまでの作品も上手かったですが、この作品も良い!って言うか、これは私が経年変化して涙もろくなったのか、あるいは、この作品が良いのか、どちらかの切り分けが付いていませんが、途中、勇気がお地蔵さんにおにぎりを供える優しさや、友人たちにキレるところなど、ホロリとさせられるところがありました。また、ヨキの厳しい指導のありますが、この作品は“なあなあ”と言うのが、ある意味キーワードなんだと思います。ユックリと進む時間が良いです。

そんな“なあなあ”な山の生活を送るのが、不順な動機で林業研修に申し込んだ平野勇気。これを染谷将太が演じるのですが、ヘタレぶり(失礼)が上手いです。マムシ、そんなにダメですかね?

そんなヘタレの勇気を厳しく指導するのが、海から山に活躍の場を移した(?)伊藤英明が演じる飯田ヨキ。彼らが山でチェーンソーを操るシーンは、吹き替えなしで、本人達が演じているそう。ある程度、訓練を受けたそうです。

子供が行方不明になる件。子供のところまで導いたのは、やっぱりお地蔵さんですよね。良いことはしてみるもんです。

笑もあるし、神聖な雰囲気もあるし、いい映画です。

タイトル WOOD JOB! 神去なあなあ日常
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/日本
監督 矢口史靖
原作 三浦しをん
出演 染谷将太(平野勇気)、長澤まさみ(石井直紀)、伊藤英明(飯田ヨキ)、優香(飯田みき/ヨキの妻)、西田尚美(中村祐子/精一の妻)、マキタスポーツ(田辺巌)、有福正志(小山三郎)、近藤芳正(林業組合専務)、光石研(中村清一)、柄本明(山根利郎)

[2014/05/11]鑑賞・投稿

三谷幸喜 大空港2013

2014年05月10日 | 邦画
元々は、2013年12月29日に、WOWOWでテレビドラマとして放送。「もっと見たい!」との声が有ったことから、映画館での上映が実現しました。

何と言っても『完全ワンシーン・ワンカット』で撮影されているのが凄い!三谷幸喜監督、やりますね~。実は、見るまで、その事実は知らなかったのですが、見ていくうちに「あれ?カット割されていない。」と言うことに気が付きました。『完全ワンシーン・ワンカット』がウリだったんですねぇ。『完全ワンシーン・ワンカット』と言う事で、上映時間(放送時間)=撮影時間な訳ですが、撮影は信州まつもと空港の営業開始時間を前倒しして撮影したそう。いやぁ、でも、よく撮りましたよ。空港内上に下に、そして、中に外に。NGが出たら、最初から撮り直しですが、上手く撮れていました。

いやぁ、竹内結子良いです!こう言う、コミカルな作品は上手いですねぇ。この作品の主演は、彼女以外はあり得ないですね。ところで、劇中の「社内恋愛は、嫌なんです」と言うのは、やっぱり、アレですかね?彼女の実体験?

脇を固める俳優陣も超一流。香川照之は、シリアスから、コミカルまで、幅が広い。しかも歌舞伎までやりますからねぇ。素晴らしいです。

なかなか、面白かったです。脚本と、俳優がしっかりすれば、日本もまだまだおもしろいドラマが出来るんですね。

タイトル 三谷幸喜 大空港2013
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/日本
監督 三谷幸喜
出演 竹内結子(大河内千草)、香川照之(田野倉守男)、神野三鈴(田野倉美代子/守男の妻)、石橋杏奈(田野倉真弓/守男の娘)、池松壮亮(田野倉睦夫/守男の息子)、生瀬勝久(鶴橋蔵之介/美代子の兄)、綾田俊樹(鶴橋清正/蔵之介と美代子の父)、甲本雅裕(村木繁)、青木さやか(砂田かおる)、オダギリジョー(国木田修)、戸田恵梨香(倉科百合子)、梶原善(犬山寅男)

[2014/05/10]鑑賞・投稿

ネイチャー (3D吹替) / Enchanted Kingdom 3D

2014年05月03日 | 洋画(イギリス系)
本当は、日本語版ではなく、オリジナル且つ3Dで見たかったんですが、知る範囲では、その条件で上映しているところはなかったので、仕方なしに(3Dではあるものの)吹き替え版にて鑑賞。

『ディープ・ブルー』、『アース』、『ライフ ―いのちをつなぐ物語―』などを制作した、イギリスBBCによる作品。今回は、4K3Dによる撮影が行われている。

さすがBBC。自然の営みが、非常に上手く撮影されています。それが今回は3D。見せます!普通の撮影ですら困難なことは容易に予想されるのに、今回はそれが3D。機材も大きいし、良く撮ったと思います。

比較的最初の方に出て来るゴリラがカワイイです。ゴリラは、警戒心が高い動物だと思うのですが、こんなのが撮れるんですね。

それと、ナミブ砂漠の映像は興味深いです。動物を仕込んだとしか思えないんですけど(苦笑)。

ボゴリア湖の色彩は神秘的。有毒ガスがあり、撮影スタッフはガスマスクをしながらの撮影だそうです。でも、入浴剤を入れたかのような色が自然に出て来るんですね。

冒頭、“仕方なしに吹き替え”と書きましたが、これは吹き替えのほうが良いかも。別に劇映画ではないので、普通に内容をナビゲーションしてくれる方が良いような気がしました。

タイトル ネイチャー / 原題 Enchanted Kingdom 3D
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/イギリス
監督 パトリック・モリス、ニール・ナイチンゲール
日本語版ナレーション 滝川クリステル

[2014/05/03]鑑賞・投稿

テルマエ・ロマエII

2014年05月01日 | 邦画
2012年に公開され、ヒットした作品『テルマエ・ロマエ』の第二作。

今回は、短編集と言う感じ。ルシウスと真実の絡みも、物語後半までは、すれ違い的な絡みばかり。ただ、前回の出会いを元とした今回の物語になっているので、真実以外の登場人物も、ルシウスの事は覚えると言う前提で話が進みます。

前作同様、《BILINGUAL》放送(笑)。まぁ、途中で日本語に切り替わりますけどね。でも、そう言う細かいところ好きです。

今回思ったのは、もちろんこの話自体はフィクションな訳ですが、ハドリアヌス帝の平和政策とか、ケイオニウスが失意のまま死ぬところとか、史実が所々に散りばめられています。ヤマザキマリ、勉強していますね。

今回は、日本相撲協会全面協力ということで、現役・元の力士が多数出演しています。その中でも、撮影当時まだ現役だった琴欧州関(現琴欧州親方)が出ていることが、非常に興味深いですね。ロケも、琴欧州関(現琴欧州親方)の出身地のブルガリアで行われています。もっとも、当の琴欧州関(現琴欧州親方)はブルガリアには行かず、千葉での撮影だったらしいですが。

劇中、ルシウスの最後も明らかにされます。今回の作品で、そこまでは描かれませんが、最後が見えたという感じですね。真実もメジャーデビュー出来たようですし、この辺りで打ち止めじゃないでしょうかね。

タイトル テルマエ・ロマエII
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/日本
監督 武内英樹
原作 ヤマザキマリ
出演 阿部寛(ルシウス)、上戸彩(山越真実)、北村一輝(ケイオニウス)、竹内力(舘野)、宍戸開(アントニヌス)、笹野高史(山越修造/真実の父)、市村正親(ハドリアヌス/第14代ローマ皇帝)、キムラ緑子(山越由美/真実の母)、勝矢(マルクス)、曙(アケボニウス)、琴欧洲(コトオウシュヌス)、菅登未男(浪越徳三郎)、いか八朗(三郎)、松島トモ子(峰子)、白木みのる(ラーメン屋店主)

[2014/05/01]鑑賞・投稿