勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

ザ・シークレットマン / Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House

2018年02月24日 | 洋画(アメリカ系)
ウォーターゲート事件で“ディープ・スロート”であった、FBI副長官の姿を描く。

リーアム・ニーソンと言えば、“史上最強のオヤジ”(失礼)な訳ですが、この作品でのリーアム・ニーソンは、動のアクションは無く、静の頭脳での戦いを繰り広げます。私のつたない知識では、2005年にマーク・フェルト本人が、「自分が“ディープ・スロート”であった」と認めるまで、“ディープ・スロート”が誰であるかは、謎であったと思っていたんですが、事件当時に既に、結構な人たちに怪しまれていたんですね。冷静に考えてみれば、非常に重要な限られた人物しかアクセスできない情報が漏洩していたりするんで、その元を辿っていけば、自ずと漏洩源は限られますよね。

実際のマーク・フェルトですが、この作品でのリーアム・ニーソンの姿と、似ていると言えば似ていますね。まぁ、実在の人物を描いたわけですから、『全然違うじゃん!』という感じには出来ないですよね。

いま(2018年現在)のトランプ政権では、2016年の大統領選挙でのロシアゲートが囁かれていて、“大統領による犯罪”、“FBIへの捜査干渉”と言う観点では、ウォーターゲート事件と似た構図になってきているのですが、こちらはどうなるんでしょうね?時の政権トップに対して、正々堂々と公明に捜査を行う捜査機関があると言うアメリカは、良いですね。

この作品は、“邦題あるある”です。いやね、マーク・フェルトと言う名前は、確かに日本での知名度は無いので、原題そのままで行くのは難しいのは認めます。でもね、『ザ・シークレットマン』は無いよ。それだったらさぁ、“ディープ・スロート”としてさ、原題の“ホワイトハウスを倒した男”とかサブタイトルを付ければ良いんじゃね?

タイトル ザ・シークレットマン / 原題 Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/アメリカ
監督 ピーター・ランデズマン
出演 リーアム・ニーソン(マーク・フェルト/FBI副長官)、ダイアン・レイン(オードリー・フェルト/マークの妻)、マートン・ソーカス(L・パトリック・グレイ/FBI長官代行)、アイク・バリンホルツ(アンジェロ・ラノ/FBI捜査官)、トニー・ゴールドウィン(エド・ミラー/FBI捜査官)、ブルース・グリーンウッド(サンディ・スミス/TIME誌記者)、マイケル・C・ホール(ジョン・ディーン/ニクソン大統領の法律顧問)、ブライアン・ダーシー・ジョーンズ(ロバート・クンケル)、ジョシュ・ルーカス(チャーリー・ベイツ/FBI捜査官)、エディ・マーサン(CIAの男)、ウェンディ・マクレンドン=コービ(キャロル・ツシューディ)、マイカ・モンロー(ジョアン・フェルト/マークの娘)、トム・サイズモア(ビル・サリバン/FBI高官)、ジュリアン・モリス(ボブ・ウッドワード/ワシントン・ポスト紙記者)、ケイト・ウォルシュ(パット・ミラー)、ノア・ワイリー(スタン・ポッティンガー/連邦検事)

あなたの旅立ち、綴ります / The Last Word

2018年02月24日 | 洋画(アメリカ系)
ビジネスで成功した老婦人が、自分が死んだときにどのような訃報記事になるのかを求めて巻き起こす騒動と、それに伴う老婦人と訃報記事記者の心の交流を描いた作品。

これは、ハリエットの人生を振り返ると言う形態をとりながら、実際にはアンのこれからの人生に気づきを与えると言う話ですね。他人の人生を振り返る事が、自分を探すことだったという事のようです。

ハリエットは、成功した人物なのですが、成功する人物はサイコパスであることは既に知られている訳で、要するに、ハリエットもサイコパスだったと言う事なのでしょうか(笑)まぁね。劇中でも語られていますが、ハリエットの若かりし頃は、現代以上に男女の差別があった時代であったので、サイコパスででもなければ、ハリエットは成功しなかったでしょうね。

途中までいい感じで進むのですが、終盤、本当に終わる頃、ちょっと冗長な感じがしました。もうちょっとスッキリとまとめられたんじゃないでしょうかね。

自分探しの旅じゃ無いですが、自分を振り返る事って、やっぱり大事ですね。この作品を見て、ちょっと考えてしまいました(笑)

タイトル あなたの旅立ち、綴ります / 原題 The Last Word

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/アメリカ
監督 マーク・ペリントン
出演 シャーリー・マクレーン(ハリエット・ローラー)、アマンダ・セイフライド(アン・シャーマン)、アン・ヘッシュ(エリザベス/ハリエットの娘)、トーマス・サドスキー(ロビン・サンズ/ラジオDJ)、フィリップ・ベイカー・ホール(エドワード/ハリエットの元夫)、トム・エベレット・スコット(ロナルド・オドム/アンの新聞社の編集長)、アンジュエル・リー(ブレンダ/コミュニティーセンターの少女)

グレイテスト・ショーマン / The Greatest Showman

2018年02月17日 | 洋画(アメリカ系)
実在の興行師P.T.バーナムが、差別や偏見に悩んでいたパフォーマー達に活躍の場を提供し、画期的なショーを創造していく様を描いた作品。

上映時間が105分と言う作品なのですが、もっと長く感じます。それほど内容は盛りだくさん。冒頭から、TVCFで見るシーンが出てくるので、度肝を抜かれます。それも、プロモーション上の作戦なのかもしれませんね。そこから、P.T.バーナムの人生を振り返るようなシーンに逆戻りするのですが、話のテンポが速いので、物語はどんどん進んでいきます。

バーナムの目的としては、言ってしまえばお金儲けなのですが、意図しない?結果として、劇中の新聞記者が語っていたことでもありますが、“皮膚の色や、体の特徴に寄らず、様々な人々が一緒になって活躍すると言う事は素晴らしい”と言う事が、この物語で描き出そうとしたこと。それを判ってみていたので、「うん、そうか」と思ったのですが、知らないで見ると、バーナムが、差別を受けている人を使って金儲けに走る様に見えるので、そう言う部分はちょっとわからないかもしれませんね。

特にショーのシーンのカラフルさと、劇中の歌は良いです。カラフルな衣装を身にまとったパフォーマー達が歌い踊るシーンは盛り上がります。第75回ゴールデングローブ賞(映画の部)主題歌賞を「THIS IS ME」で受賞し、2018年度アカデミー賞主題歌賞に同じく「THIS IS ME」でノミネートなのも納得です。

タイトル グレイテスト・ショーマン / 原題 The Greatest Showman

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/アメリカ
監督 マイケル・グレイシー
出演 ヒュー・ジャックマン(P・T(フィニアス・テイラー)・バーナム)、ザック・エフロン(フィリップ・カーライル/P.T.のビジネスパートナー)、ミシェル・ウィリアムズ(チャリティ・ハレット・バーナム/P.T.の妻)、レベッカ・ファーガソン(ジェニー・リンド/スウェーデン人の歌姫)、ゼンデイヤ(アン・ウィーラー/空中ブランコパフォーマー)、キアラ・セトル(レティ・ルッツ /髭女)、ヤヒヤ・アブドゥル=マティーン2世(W・D・ウィーラー/アンの兄)、サム・ハンフリー(トム)、エリック・アンダーソン(Mr.オマリー)、ポール・スパークス(ジェームズ・ゴードン・ベネット)、バイロン・ジェニングス(Mr.カーライル)、ベッツィ・アイデム(Mrs.カーライル)

5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生 / Mein Blind Date mit dem Leben

2018年02月12日 | 洋画(ドイツ系)
実話を下にした作品。視力の95%を失った青年が「五つ星ホテルで働きたい」と言う夢を実現しようと頑張る青年の姿を描いている。

サリヤの病気は、どういう病気なんでしょうね?先天性の病気と言う事ですが、なんとも悲しいですね。でも、何らかの障がいがある人に多いのが、他の能力がずば抜けていると言う事。サリヤも同様。驚異的な記憶力を発揮して、学校も無事に卒業し、夢の五つ星ホテルでの研修までたどり着きます。いやぁ、凄い。

サリヤを取り巻く人たちも、なんやかんやで、サリヤの障がいを知ると、サリヤをフォローしようとするいい人たち。でも、そのフォローの仕方が、なんとも素晴らしい。日本で、障がい者がいたら「かわいそう」とかいう感じになって、保護しようとか、保護するほどでも無くても過剰に助けようとして、結果として本人が“普通に”生きていく事を阻害したりしてしまう事が多い訳ですが、ドイツの人たちは成熟していますね。フォローはするが、過剰なフォローではなく、サリヤが困っているほんのちょっとしたところを協力しようという程度で、ましてや保護したりしようとはしない。なので、サリヤも“普通に”活躍できているんですね。ああいうのは、見習わないとな。

日本人にとってこの作品は、視覚障がい者が頑張っているという物語ではなく、障がい者の周囲の人たちを啓蒙すると言う内容なのでは無いですかね?障がいは有っても、“普通に”暮らしていける。そして、そのために周囲の人間たちが何ができるかと言う事のね。

タイトル 5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生 / 原題 Mein Blind Date mit dem Leben

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/ドイツ
監督 マルク・ローテムント
原作 サリヤ・カハヴァッテ『MEIN BLIND DATE MIT DEM LEBEN AL’s Blinder unter Sehenden. Eine wahre Geschichte』
出演 コスティア・ウルマン(サリヤ(サリー))、ヤコブ・マッチェンツ(マックス)、アンナ・マリア・ミューエ(ラウラ)、ヨハン・フォン・ビューロー(クラインシュミット)、アレクサンダー・ヘルト(フライト)、ミヒャエル・A・グリム(ケーキ職人クルーン)、キダ・コードル・ラマダン(ハーミド)、ニラム・ファルーク(シーラ)、ジルバーナ・クラパッチュ(ダグマル)

今夜、ロマンス劇場で

2018年02月10日 | 邦画
モノクロ映画の登場人物であるヒロインと、映画監督を目指している現実世界の青年の切ない恋を描いたファンタジー。季節柄、バレンタインデーが近いですからね。

時代設定は、1960年代。まだ映画産業は隆盛ですが、テレビ放送も始まり、その陰りが懸念され始めた頃。映画を愛する青年が主人公の作品の設定としては、良いのではないでしょうか?

映画から出てくるヒロインがモノクロであるためか、現実世界側の色合いは、意識的に鮮やかな色を使っている事に気づかされます。いや、必要以上に色鮮やかなのを、目立たせていたかも(笑)

この作品、やっぱり何といっても、綾瀬はるかに尽きますね。彼女、バラエティ番組とかでは、とんだポンコツな訳ですが(失礼)、ひとたび作品の世界に入ると、キッチリと演じてくるところが凄い。どっちが本当の彼女なんだか。って言うか、今回のヒロインは、お転婆なお姫様と言う事なのですが、キッチリとそう言う雰囲気だしてきますからねぇ。凄い女優さんです。

相手役の坂口健太郎ですが、なるほど。こう言う優しい男の役、似合いますね。まぁ、元々優しそうな人な訳ですが、お転婆なお姫様に振り回される優男を非常にうまく演じています。

結ばれぬ愛?いや、あれは“結ばれた”のかな?純愛ですね。行く前は正直、「まぁ、ファンタジーだしねぇ。」と半分斜に構えていたのですが、予想以上に良かったです。主題歌を歌うシェネルも良かったです。うっかりすると泣きます(笑)

タイトル 今夜、ロマンス劇場で

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2018年/日本
監督 武内英樹
出演 綾瀬はるか(美雪)、坂口健太郎(牧野健司/京映の助監督)、本田翼(成瀬塔子/京映の社長令嬢)、北村一輝(俊藤龍之介/京映のスター)、中尾明慶(山中伸太郎/健司の友人)、柄本明(本多正/ロマンス館主人)、加藤剛(病室の老人)、石橋杏奈(吉川天音/老人が入院している病院の看護師)

マンハント / 追捕 Manhunt

2018年02月09日 | アジア映画
えーっと、内容について語るのは止めておきます(苦笑)。日本国外だったら通じるかもしれないけど、日本を舞台にしている作品で、日本人が見る上では、ストーリー、あるいは脚本だけを言えば、はっきり言ってB級以下。でもそうか、洋画だと、こういう感じの内容の作品は、時々あるからなぁ。

と言う事で、ジョン・ウー監督の、あの“グルんグルん回る”様な映像、派手なアクションを見る作品と言う事で。そういう意味では、期待以上。って言うか、撮影は日本で行われ、その多くが大阪で行われたはずなんですが、よくあそこまでの映像が取れたなと感心。変なたとえですが、一世を風靡した西部警察を髣髴させます。そうか。あの時代、あの西部警察が撮れたんだから、現代にこういうアクションが撮れても良いんですよね。

福山雅治がダブル主演を張っています。彼自身が演じたアクションシーンもあります。結構、アクションできるんだなと。

ちょっと残念だった(?)のが、桜庭ななみ。うーん、他の日本人俳優、國村隼とか、竹中直人とかのそうそうたるメンバーと比べてはかわいそうかな。でも、チー・ウェイとか、アンジェルス・ウー(ジョン・ウー監督の娘!)とか、ハ・ジウォンとか、他の国の女優陣と比べると・・・。比べるのはかわいそうかなぁ・・・。

ストーリー/脚本ではなくて、アクションを楽しむ作品です。

タイトル マンハント / 原題 追捕 Manhunt

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2018年/中国
監督 ジョン・ウー
原作 西村寿行『君よ憤怒の河を渉れ』
出演 チャン・ハンユー(ドゥ・チウ/天神製薬顧問弁護士)、福山雅治(矢村聡/大阪府警捜査一課刑事)、チー・ウェイ(遠波真由美)、アンジェルス・ウー(ドーン/殺し屋)、ハ・ジウォン(レイン/殺し屋)、國村隼(酒井義廣/天神製薬社長)、池内博之(酒井宏/天神製薬次期社長、義廣の息子)、桜庭ななみ(百田里香/大阪府警警官)、竹中直人(伊藤/矢村と浅野の上司)、トクナガクニハル(浅野雄二/大阪府警捜査一課刑事)、倉田保昭(坂口秀夫/ホームレス)、TAO(田中希子/天神製薬社長秘書)、矢島健一(堂塔/天神製薬研究員)、田中圭(北川正樹/天神製薬研究員、遠波真由美の婚約者)、ジョーナカムラ(青木/天神製薬顧問弁護士)、斎藤工(テロリストA)、吉沢悠(テロリストB)

デトロイト / Detroit

2018年02月03日 | 洋画(アメリカ系)
事実に基づく作品。1967年のデトロイト暴動を描いた作品。

2018年の第90回アカデミー賞において、事前の宣伝では“本年度アカデミー賞最有力”とかされていましたが、いざ蓋を開けてみると、全然ノミネートされないと言う衝撃!一部には、あまりにもドキュメンタリーチックであったため、物語性に欠けるので避けられたと言う話も聞きます。

見た感じは、物語性に欠けるとまでは思いませんでしたが、ちょっと、視点がぶれたかなと。最初は、全体を俯瞰する第三者的な視点だと思ったのですが、いつの間にかディスミュークスになり、それが、いつの間にかラリーが中心になったような感じたりと、感情移入が少し難しかったかなと。ドキュメンタリーとして描くのであれば、それに徹して、もっと俯瞰的に、第三者的に描けば、もっと違った感じになったのではないかと思います。

それにしても、50年ほど前の出来事ですよね。何かがすぐに暴動になるのは怖いですが、それ以上に怖いのが警察の暴走。いま上映している『スリー・ビルボード』も、ある意味、警察の怠慢、あるいは暴走、あるいは、アメリカの警察の限界を描いていますが、50年前も、いまもそんなに変わらないんだなぁと思わざるを得ません。それが、超大国アメリカの現実なんですね。そういう意味では、すべての警察が一定以上の水準にある日本は、平和で、幸せなのかもしれません。

それと、裁判ですよね。まぁ、そうなるか。制度的に、ある一方向に内容が傾いてしまうので、仕方ないのかもしれませんが、南部ではなく、中西部の話の筈なんですがね。50年前は、南部も中西部もあまり変わらないんですね。リベラルなのは、カリフォルニアとニューヨークくらいなのかな。

デトロイトですが、ラスト・ベルトと呼ばれる、現トランプ大統領当選の原動力にもなった地域の一つ。街は、財政的に破綻してしまい、産業も無いようなところとも聞きますが、いまだにあんな感じなんですかね?いや、街が破綻しているので、50年前よりも酷いかもね。どうなんでしょう?

タイトル デトロイト / 原題 Detroit

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/アメリカ
監督 キャスリン・ビグロー
出演 ジョン・ボイエガ(メルヴィン・ディスミュークス)、ウィル・ポールター(フィリップ・クラウス)、アルジー・スミス(ラリー・リード)、ジェイコブ・ラティモア(フレッド・テンプル)、ジェイソン・ミッチェル(カール・クーパー)、ハンナ・マリー(ジュリー・アン)、ケイトリン・ディーヴァー(カレン)、ジャック・レイナー(デメンス)、ベン・オトゥール(フリン)、ジョン・クラシンスキー(オーバック)、ネイサン・デイビス・Jr.(オーブリー)、ペイトン・アレックス・スミス(リー)、マルコム・デビッド・ケリー(マイケル)、ジョセフ・デビッド=ジョーンズ(モリス)、ラズ・アロンソ(コニャーズ下院議員)、イフラム・サイクス(ジミー)、レオン・トマス3世(ダリル)、ベンガ・アキナベ(オーブリー・ポラード・シニア)、クリス・チョーク(フランク/警官)、ジェレミー・ストロング(ラング弁護士)、オースティン・エベール(ロバーツ准尉)、ミゲル・ピメンテル(マルコム)、ジョン・クラシンスキー(アウアーバッハ弁護士)、アンソニー・マッキー(グリーン)

スリー・ビルボード / Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

2018年02月03日 | 洋画(イギリス系)
2017年第74回ベネチア国際映画祭で脚本賞、同じく2017年のトロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞。

ベネチアでの脚本賞は納得ですが、トロントの観客賞は・・・、トロントの人は目が肥えているんですね。いや、脚本賞が納得なので、悪くないんですが、終わり方がね。わかったような、わからなかった様な。こう言う結論が宙ぶらりんの、オープンエンディングとでも言うような作品は少なくないんですが、この話の内容で、そう来るとは思いませんでした。オープンエンディングの作品が合うのは、人生模様だったり、人そのものを描いた様な内容だと思うんですが、この作品は?まぁ、“ある意味”人を描いてはいるので、良いのかなぁ?

そんな風に思わせられるほど凄い演技を見せたのは、フランシス・マクドーマンド。いやぁ、これを見ると、フランシス・マクドーマンドは「実はこう言う人なんだ」と誤解しそうです。この作品で、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)を受賞するだけの事はありますね。

それと、なんとも言えなかったのが、警察署長を演じたウッディ・ハレルソン。彼、良いですよ。抑えた演技、泣ける。そして、その最後も泣けるんですけどね。

それにしても、アメリカの田舎町って、やっぱりいまだにこんな感じなんですかね?そういう観点でも、なんだか、複雑な気持ちになる作品でした。

タイトル スリー・ビルボード / 原題 Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/イギリス
監督 マーティン・マクドナー
出演 フランシス・マクドーマンド(ミルドレッド・ヘイズ)、ウッディ・ハレルソン(ビル・ウィロビー/警察署長)、サム・ロックウェル(ジェイソン・ディクソン/巡査)、アビー・コーニッシュ(アン・ウィロビー/ビルの妻)、ジョン・ホークス(チャーリー)、ピーター・ディンクレイジ(ジェームズ)、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(レッド/広告看板会社の人間)、ケリー・コンドン(パメラ)、ルーカス・ヘッジズ(ロビー)、ジェリコ・イバネク(デスクの巡査部長)、クラーク・ピータース(アバクロンビー)、キャスリン・ニュートン(アンジェラ・ヘイズ/ミルドレッドの娘)、アマンダ・ウォーレン(デニース)、ダレル・ブリット=ギブソン(ジェローム)、サンディ・マーティン(ディクソンの母)、サマラ・ウィービング(ペネロープ)