勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

TAXi4(2007年)

2007年08月27日 | 洋画(フランス系)
シリーズ第四弾。前作は、ダニエルのタクシーからキャタピラが出てアルプス越えをするなど、おふざけが過ぎましたが、今回は、正統派(?)に戻って、コート・ダ・ジュールを大爆走します。

今回の大物ゲストは、ジブリル・シセ。その為か、サッカーボールをネタにした振りが随所に見られます。あとTF1のキャスター?なのでしょうか。彼もフランスでは有名人だと思うのですが(最後に名前がクレジットされていた)、日本人には判りません。

今回は、日本語吹き替え版が、当初から上映されています。ダニエル(サミー・ナセリ)はオリエンタルラジオの中田敦彦、エミリアン(フレデリック・ディーファンタル)は同じくオリエンタルラジオの藤森慎吾、ペトラ(エマ・シェーベルイ)は眞鍋かをり、そして、ジベール署長(ベルナール・ファルシー)は高田純次と豪華メンバー。でも、この映画はフランス語の雰囲気を楽しまなくてはと思ったので、私は字幕版を見ました。だって、眞鍋のペトラはちょっと合わない気が・・・。

ダニエルとエミリアンも、子供のお父さんに。いやぁ、なんだかなぁという気もします。今回は、ダニエルの奥さんリリー(マリオン・コティヤール)は出ていません。お父さんの将軍(ジャン・クリストフ・ブーヴェ)は出ているんですけどね。

舞台はモナコまで広がっていますが、原点回帰と言う感じがして、TAXiの醍醐味を十分味わうことが出来ると思います。

タイトル TAXi4
原題 Taxi 4
日本公開年 2007年
製作年/製作国 2007年/フランス
監督 ジェラール・クラヴジック
製作・脚本 リュック・ベッソンン
出演 サミー・ナセリ、フレデリック・ディーファンタル、ベルナール・ファルシー、エマ・シェーベルイ、ジャン・クリストフ・ブーヴェ

[2007/08/27]鑑賞・投稿

ラッシュアワー3(2007年)

2007年08月26日 | 洋画(アメリカ系)
シリーズ第三弾。今度は、パリが舞台です。

今回は、真田博之、工藤夕貴が出演していることが話題ですが、基本的にこの映画は、演技力を必要としないので、この作品への出演が、彼らのキャリアアップに役立っているかは微妙。特に、真田博之は同じ『ラスト・サムライ』に出た渡辺謙が順調にハリウッドでのキャリアを伸ばしているに焦っているとも言われていますが、焦っても仕方ないですからねぇ。確かに彼の英語のセリフや、アクションは、まぁ見れましたが・・・。最後は、結構お約束の最後です。

それと工藤夕貴。彼女は、既に何本もハリウッド作品に出ています(そう言えば、彼女も渡辺謙作品『SAYURI』に出てましたね)。それにしても、特に演技力も要さず、最後もあっさりと言う感じだったので、ちょっと残念な気がします。

この映画の楽しみ方は、基本的にクリス・タッカーの(いんちき)マシンガントークと、ジャッキー・チェンのアクション。あまりストーリーを気にしてはいけません。厳しく言えば、B級映画ですね。

最後のエッフェル塔のシーンですが、ジャッキーがインタビューで「怖かった」と述べていることから、実際にエッフェル塔で撮影している模様です。エッフェル塔での戦いの最後に国旗に捕まって降りてくるのは、どう考えても合成ですが。

あまり多くのことを気にしてみてはいけない映画です。頭をあくるして楽しみましょう。

タイトル ラッシュアワー3
原題 Rush Hour 3
日本公開年 2007年
製作年/製作国 2007年/アメリカ
監督 ブレット・ラトナー
出演 ジャッキー・チェン、クリス・タッカー、真田広之、ノエミ・ルノワール、マックス・フォン・シドー、イヴァン・アタル、工藤夕貴、ロマン・ポランスキー

[2007/08/26]鑑賞・投稿

シッコ(2007年)

2007年08月25日 | 洋画(アメリカ系)
『華氏911』のマイケル・ムーアが、またまたアメリカの恥部を暴きました。それは、医療問題。先進国で唯一と言われる国民皆保険システムの無いアメリカの医療に関する問題をまじめに暴きます。

”テロより怖い医療問題”と言うのがこの映画の宣伝文句ですが、結構シャレになっていません。アメリカテレビを見ていると、よく「保険が無いので病院にいけない。」とか「私の保険はフルカバーなので大丈夫だ。」とか言うセリフを聞きます。国民皆保険の整っている日本では、理解しがたい言葉ですが、アメリカではそれが普通です。富める者にだけ富が集中し、そうでない人々は益々貧困になっていく、それがアメリカであると言う現実。安全もお金で買い、健康もお金で買うと言うそのアメリカの現実。これでもかと、希望がなくなるほどに、アメリカの医療システムのダメさ加減が明らかにされます。

政府の許可無しでキューバに渡航したため、マイケル・ムーア自身に米財務省から調査が入り、その結果として、政府からのフィルムを差し押さえられる危険性が出てきたので、編集したフィルムをカナダに隠匿したりと、公開前からいろいろと騒動はおきていましたね。

アメリカの医療制度の比較として、カナダ、イギリス、フランス、キューバの各国の医療制度が説明されているのですが、いずれの国も非常に手厚い医療制度(フランスに至っては、子供の養育制度まで)が整っていることに、非常に羨ましい気になりました。これらの国は、基本的に医療費は無料ですからねぇ。翻って、日本はと言えば、国民皆保険のシステムは導入されていますが、年々医療費は高騰し、それに伴い個人負担も増加傾向。段々アメリカのダメダメ医療システムに近づいていると言っては過言でしょうか。そういえば、子供の養育システムも非常に充実しているフランスは、先進国で数少ない子供の出生率が上昇した国ですからねぇ。少子高齢化が激しい日本も、参考にすべきです。

それにしても、後半の、911の救護者達に起きている悲劇の話は、ちょっとどうかなぁと思いましたよ。なんで、アメリカ政府は救済しようとしないんでしょうね? まぁ、だからキューバに行ってしまったわけですが、それがアメリカの病巣の深さを印象付けています(キューバへの渡航手段に関しては『アメリカの国家安全保障上の問題から(by米国土安全省)』描かれていません。このカットがDHSの紋章を背景にしているのも、いかにもマイケル・ムーアらしいですね)。見てみて、アメリカの先行きに不安を覚えました。そして、アメリカに追随しようとしている日本にも。どこか海外に、逃げたくなりましたよ。ブッシュ政権が、この映画を敵対視していることも、よくわかります。日本がこうならないためにも、よく、政府の行動は監視しましょうね。

タイトル シッコ
原題 SiCKO
日本公開年 2007年
製作年/製作国 2007年/アメリカ
監督・脚本・製作 マイケル・ムーア

[2007/08/25]鑑賞・投稿

オーシャンズ13(2007年)

2007年08月11日 | 洋画(アメリカ系)
あのOCEAN'Sシリーズ第三作目。原点回帰の作品です。やっぱり、ダニー・オーシャンの作品は、こう来なくては。まじめに騙しを進めます。そのためには、様々な投資も必要で、嘗て騙した相手のテリー・ベネディクトまで抱きこむという大掛かりな騙しを仕掛けます。良いです。

「原点回帰」と記したのは、1)場所がラスベガス、2)無駄な話は無しに、ひたすら騙しを考える、と言うことからです。第二作の『オーシャンズ12』では、一応、騙し・盗みは出てきましたが、それよりも、ラスティーの恋のサイドストーリーが絡んできたり、あるいは、盗みをまじめに考えると言うよりは、それ自体がサイドストーリーと化したり、はたまたブルース・ウィリスがカメオ出演していたりして、まぁ、盛りだくさん。興行的にも成功したし、楽しい作品ではあるのですが、何となく釈然としない感じもしました。それが、今回、アル・パチーノと言う強敵を得て、見事に騙しに賭けるダニー・オーシャンとその仲間、と言う作品になり、原点回帰を果たしました。

今回は、第一作、第二作に出たジュリア・ロバーツは出ません。また、第二作で目出度く12人目?となった、キャサリン・ゼタ=ジョーンズも出ません。って言うか、女性はエレン・バーキン以外にはいないですね。そう言う意味では、ある種の男の映画とも言えるかも知れません。

撮影はラスベガスでも行われましたが、カジノバンクはワーナーのスタジオに作られたセット。二階建てのカジノというのは実際には無いらしいのですが、無いものだからこそ作ってみたいということで、カジノバンクのカジノは二階建てになっています。また、カジノバンクの建設シーンは、ベネチアンの建設現場を借りて撮影したらしい。また、ベネディクトのオフィスは、ベラージオのオフィス区画の部屋だそうです。現実とセットが上手く組み合わさって、カジノバンクになっています。

これまで『次の作品の舞台は日本』と言う都市伝説もありましたが、その可能性は、今回の作品での記者会見で、ジョージ・クルーニーによってきっぱりと否定されました。まぁ、これだけの主役級の役者をそろえるのは困難を極めますからねぇ。仕方ないのかな。最後の作品だったので、原点に戻ったのかもしれませんね。

タイトル オーシャンズ13
原題 Ocean's Thirteen
日本公開年 2007年
製作年/製作国 2007年/アメリカ
監督 スティーブン・ソダーバーグ
出演 ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガルシア、ドン・チードル、バーニー・マック、ケイシー・アフレック、スコット・カーン、エディー・ジェイミソン、シャオボー・クイン、カール・ライナー、エリオット・ゲールド、アル・パチーノ、エレン・バーキン、エディ・イザード、ヴァンサン・カッセル

[2007/08/11]鑑賞・投稿

トランスフォーマー(2007年)

2007年08月04日 | 洋画(アメリカ系)
あのアニメーション『トランスフォーマー』が、ハリウッドの巨匠スティーブン・スピルバーグとマイケル・ベイの力で、実写映画として生き返りました。最初、『トランスフォーマー』と言うタイトルとを聞いたとき、「まさか、あのアニメじゃないよなぁ。」と思ったのですが、その”まさか”でした。

この映画の映像化に際して重要なのが、兵器の描写ですけど、これは米軍の全面協力を得て撮影を行っていて、その問題を見事にクリアしています。この米軍の全面的な協力により、CV-22オスプレイ、F-22ラプター、F-117ナイトホーク、AC-130ガンシップなど、米軍の最新鋭の航空機が多数撮影に協力しています。特に、AC-130なんて、映画には非常に珍しいんじゃないですかね。また米軍の協力にはそれに留まらず、9.11以降非常に難しくなっていたペンタゴン敷地内及びその周辺での撮影にも協力したとも。まぁ、確かにそれが無ければ、これほどの迫力の映像にはならなかったでしょうね。そうそう、軍の協力と言えば、軍人役の人間は、元軍人あるいは現役の軍人が演じていると言うのが、この映画の自慢だそうです。

オートボットたちがちょっとコミカルに描かれるシーンが見もの(笑)。実際、上映中の場内に笑いが起こっていました。それと、意図的だと思うんですけど、アメリカの秘密組織(でたっ!)の要員も、何故だかちょっとコミカルに描かれていました。オートボットのコミカルシーンは意図がわかるんですが、こちらの意図はちょっと不明。コミカルと言えばもう一つ。監督・製作総指揮がマイケル・ベイだからかのか、劇中「アルマゲドンなんかよりずっと凄い」(マイケル・ベイは『アルマゲドン』の監督)というセリフがありました。これは、その背景を知らなくても、それほど違和感のあるセリフではないですけど、背景を知っていればより楽しめるセリフだと思います。

それにしても、アメリカの映画なので仕方が無いのかもしれませんが、アメリカ以外が(アメリカ軍基地のカタールを除き)全く出てきません。物語的には、世界中が大混乱に陥っていても、いいと思うんですけどね。それと、兵器の描写は非常に盛りだくさんで、興味の尽きることは無いのですが、主人公の描き方がちょっとイマイチ。って言うか、主人公はオートボットなのか、サム(シャイア・ラブーフ)なのか。まぁ、あまりストーリーが重要な作品ではないので、そのあたりはそれほど気にする必要は無いのかもしれません。頭を楽にして、車が見事にトランスフォームしていくシーンと、最後の激しい戦闘シーンを楽しみましょう。ちなみに、オートボットのデザインには、GMが全面協力しています。

うーん、ストーリーにあまり期待してはいけない映画です。でも、映像は凄いですよ。当然CG使いまくりですが、クルマや戦闘機、ヘリが、”ウィーン、ウィーン”と言って変形していくのは見ものです。

タイトル トランスフォーマー
原題 Transformers
日本公開年 2007年
製作年/製作国 2007年/アメリカ
監督・製作総指揮 マイケル・ベイ
製作総指揮 スティーブン・スピルバーグ
出演 シャイア・ラブーフ、タイリース・ギブソン、ジョシュ・デュアメル、アンソニー・アンダーソン、ミーガン・フォックス、レイチェル・テイラー、ジョン・ヴォイト、ジョン・タトゥーロ

[2007/08/04]鑑賞・投稿