勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

真実 / le Vàrità

2019年10月14日 | 洋画(フランス系)
『万引き家族』で、2018年カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した是枝裕和監督の初の国際共同制作作品。主演にカトリーヌ・ドヌーヴ、助演にジュリエット・ビノシュと、錚々たるメンバーが出演しています。日本人監督として初めて、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門オープニング作品としても上映されました。

字幕版で鑑賞。

うーん、悪くは無いです。ですが、期待を上回るほどでも無いです。いきなり辛口ですが。やっぱり、国際制作と言う事が影響しているんですかね?なんか、是枝監督が求めている繊細な演出が活かしきれていない気がするんですよね。

カトリーヌ・ドヌーヴも、ジュリエット・ビノシュもめちゃめちゃ良い女優で、素晴らし経歴の持ち主なのですが、どうも何かが違う。心の中まで描かれていない感じです。

これが、吹き替えを演じている宮本信子や宮崎あおいが、それぞれの役を演じていたとしたら、また全然違った作品になって、全然違く印象を受けたような気がします。

めっちゃ期待していただけに、ちょっと残念。

タイトル 真実 / 原題 le Vàrità

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2019年/フランス・日本
監督 是枝裕和
出演 カトリーヌ・ドヌーヴ(ファビエンヌ・ダンジュヴィル)、ジュリエット・ビノシュ(リュミエール)、イーサン・ホーク(ハンク・クーパー)、リュディヴィーヌ・サニエ(アンナ・ルロワ)クレモンティーヌ・グルニエ(シャルロット)、マノン・クラヴェル(マノン・ルノワール)、アラン・リボル(リュック)、クリスチャン・クラエ(ジャック)、ロジェ・ヴァン・オール(ピエール)

北の果ての小さな村で / Une année polaire

2019年08月03日 | 洋画(フランス系)
グリーンランドの片田舎の村の“学校”に赴任した教師が、村人との交流をしながら成長していく姿を描いた物語。

連日の猛暑なので、少し涼もうと思って見に行って見ました(笑)

デンマークの政策?として、グリーンランドに赴任する教師は、現地のグリーンランド語は覚えずに、デンマーク語を教えることを求められるんですね。なんとも、“前近代的な植民地政策”と思ったのは私だけ?そもそも、グリーンランドって、高度な自治権を認められていると思ったんですけどね??

まぁ、ぶっちゃけ、主人公の教師は“自分探し”の場所として、グリーンランドを選んだっぽい感じですね。そんな自分を探しに来たような奴に来られたら、現地の人は困りますね。案の定、当初は、現地の人には受け入れられない状況です。でも、現地の言葉を覚え、現地の事情を学ぶにつれて、現地の人にも受け入れられ始めます。

でも、そう言う事って、世界共通なんですね。日本でも、都会から地方に行った人がなかなか受け入れられず、現地の事情を理解し、受け入れると、現地の人にも受け入れられ始めると言う事がありますよね。

この作品は、デンマークから新人教師が赴任するという話を聞いて、それを映画にしようとしたようなのですが、登場しているのは、すべて実際の人と言う事です。まぁ、グリーンランドの人はそうかと思いましたが、教師を“演じた”のも、その張本人の人だったようです。それには、ちょっとビックリ。“教師役”は、役者かと思ったんですが、素人だったんですね。

デンマーク語とグリーンランド語での映画なので、デンマーク映画かと思っていたんですが、フランス映画だったんですね。ちょっと驚きです。

タイトル 北の果ての小さな村で / 原題 Une année polaire

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2019年/フランス
監督 サミュエル・コラルデ
出演 アンダース・ヴィーデゴー(新人教師)、アサー・ボアセン(村の少年)、ガーティ(アサーの祖父)、トマシーネ(アサーの祖母)、ジュリアス(アンダースの現地での世話役)、トビアス(猟師)

アマンダと僕 / Amanda

2019年07月07日 | 洋画(フランス系)
突然の悲劇で肉親を失った青年と少女の絆を映画いた作品。2018年の第31回東京国際映画祭で最高賞の東京グランプリと最優秀脚本賞をダブル受賞。

“突然の悲劇”と言う事は「交通事故かな?」と思っていたんですが、いやぁ、余りにも現代の“突然の悲劇”ですね。ちょっと驚かされました。って言うか、フランスだと、シャルリー・エブド襲撃事件、パリ同時多発テロ事件など、リアルに起きている出来事。それが、映画で、こういう形で描かれるとは・・・。一般市民が、テロを恐れながら生きていかなければならない時代なんですね・・・。

ダヴィッドは、24歳。はっきり言って、ニートすれすれの生活の様です。そんな時に、いきなり姪っ子の面倒を見なければならないと言うのは、非常に困惑するのは間違いないです。でもそれが、彼の“何かのスイッチ”を入れたのかもしれませんね。それまでも、仲の良かったアマンダですが、良い保護者になっていきそうな感じがしました。

ラストシーンが、なんとも印象的。希望がある事を示しているんですね。

第75回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門 マジックランタン賞
第31回東京国際映画祭 東京グランプリ/最優秀脚本賞
第44回セザール賞 主演男優賞/オリジナル音楽賞 ノミネート

タイトル アマンダと僕 / 原題 Amanda

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2018年/フランス
監督 ミカエル・アース
出演 バンサン・ラコスト(ダヴィッド)、イゾール・ミュルトリエ(アマンダ/ダヴィッドの姪)、ステイシー・マーティン(レナ/ダヴィッドの友人)、オフェリア・コルブ(サンドリーヌ/ダヴィッドの姉)、マリアンヌ・バスレール(モード/ダヴィッドとサンドリーヌの叔母)、ジョナタン・コエン(アクセル/ダヴィッドの友人)、グレタ・スカッキ(アリソン/ダヴィッドとサンドリーヌの母)

パリ、嘘つきな恋 / Tout le monde debout

2019年06月01日 | 洋画(フランス系)
プレイボーイのビジネスマンが弾みで付いた嘘を切っ掛けに始まる恋の模様を描いた作品。

なるほどね。ぶっちゃけ、予想通りの展開。ベタです。ですが、それが悪い感じではありません。むしろ、安心できて心地よい感じです。

監督と主演のフランク・デュボスクですが、フランスの国民的なコメディアンだそう。コメディに映画にと、日本で言うと、北野武??

ところどころリアルに笑えて、中々面白かったです。

タイトル パリ、嘘つきな恋 / 原題 Tout le monde debout

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2018年/フランス
監督 フランク・デュボスク
出演 フランク・デュボスク(ジョスラン)、アレクサンドラ・ラミー(フロランス)、キャロライン・アングラード(ジュリー)、エルザ・ジルベルスタイン(マリー)、ジェラール・ダルモン(マックス)

ナチス第三の男 / The Man with the Iron Heart

2019年02月17日 | 洋画(フランス系)
ナチスの“殺人部隊”であるアインザッツグルッペンの創設者でアリ、“ユダヤ人問題の最終的解決”の実質的実施責任者でもあるラインハルト・ハイドリヒと、彼の暗殺計画のエンスラポイド作戦を描いた作品。

ラインハルト・ハイドリヒの事は多少知っていましたが、はじめのうちは、彼の妻の方がナチス信奉者であり、ラインハルト自身は妻に付いて行ったと言う感じであることは知りませんでした。ちょっと意外。でも、まぁ、彼は元々、前途洋々たる海軍軍人だった訳ですから、軍人時代はナチスとは距離を置いていたのかもしれませんね。ナチ党員になって以降の彼は、その有能さに拍車をかけて、どんどん出世していくわけですが、その過程で、妻との力関係も逆転していましたが。

ジェイソン・クラークが、ラインハルト・ハイドリヒを演じていますが、ちょっとごつ過ぎ(笑)。実際のハイドリヒは、もうちょっとシュッとした、クールな見た目です。

タイトル ナチス第三の男 / 原題 The Man with the Iron Heart

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2017年/フランス・イギリス・ベルギー
監督 セドリック・ヒメネス
原作 ローラン・ビネ/高橋啓訳『HHhH プラハ、1942年』原題:THE MAN WITH THE IRON HEART
出演 ジェイソン・クラーク(ラインハルト・ハイドリヒ/ナチス国家保安本部(RSHA)長官)、ロザムンド・パイク(リナ・ハイドリヒ/ラインハルトの妻)、ジャック・オコンネル(ヤン・クビシュ/暗殺計画実行者)、ジャック・レイナー(ヨゼフ・ガブチーク/暗殺計画実行者)、ミア・ワシコウスカ(アンナ・ノヴァーク/ヤンとヨゼフの協力者)、スティーブン・グレアム(ハインリヒ・ヒムラー/ハイドリヒの上官)

TAXi ダイヤモンド・ミッション / TAXi 5

2019年01月19日 | 洋画(フランス系)
リュック・ベッソンのTAXiシリーズの第5弾。今度は、パリ警察から、マロが、マルセイユ警察にやってきます。

いままでの、サミー・ナセリ、フレデリック・ディフェンタールは出てきません。これまでと続いて出ているのは、市長になっているシベール役のベルナール・ファルシーくらいでした。また、一応、 サミー・ナセリ演じるダニエルの甥と言う設定はあるので、世界観は続いていると言う事の様です。

うーん、なんか、話のリズムが悪いですねぇ。見たのは、TAXi 3までですが、それまでだと、ダニエルとエミリアンの丁々発止のやり取りが物語にリズムを付け、そして、TAXIの疾走が、画面にドキドキ感と緊張感を与えると言う感じでしたが、それがありません。なんか、だらぁとした感じ。カーチェイスのシーンは、(それがウリの作品なので)あるんですけどねぇ。

笑うシーンも所々あるんですが、なんか、無理やりネタとして仕込んだ感じ。上滑りしています。

TAXiシリーズなので期待していたんですが、なんか、ちょっと残念。

タイトル TAXi ダイヤモンド・ミッション / 原題 TAXi 5

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2018年/フランス
監督 フランク・ガスタンビド
出演 フランク・ガスタンビド(シルヴァン・マロ)、マリク・ベンタルハ(エディ・マクルー)、ベルナール・ファルシー(ジベール市長)、サブリナ・ウアザニ(サミア)、エドゥアルド・モントート(アラン)、ムッシュ・プルベ(メナール)、アヌアル・トゥバリ(ミシェル)、リオネル・ラジェ(レジス)、シシ・デュバルク(サンドリーヌ)、サンド・バン・ロイ(サンディ)、ロマン・ランクリー(ビション副市長)、サルバトーレ・エスポジート(トニードッグ)、ファブリツィオ・ネボラ(ロッコ)、ルドゥアン・ブゲラバ(マルコ)、イシェム・ブゲラバ(イシェム)

マダムのおかしな晩餐会 / Madame

2018年12月08日 | 洋画(フランス系)
アメリカからパリに引っ越してきた夫婦が催したディナーに、人数合わせで急遽参加する事になったメイドが引き起こす騒動を描いたコメディ映画。

なるほど。フランス映画の魅力に“皮肉”があるような気がしますが、この作品は、控えめ?紳士から気に入られてしまって、求愛されてしまうと言う所は皮肉な部分なのかなぁ。しかし、その愛が、メイドの身分を誤解したところから始まる打算であるように見えますが、付き合いを進めるうちに・・・?結末は、明示されていませんが『人間は、ハッピーエンディングが好き』と言う言葉から暗示されるような結末なのでしょうかね。

フランス映画ですが、セリフの殆どは英語です。登場人物の殆どが、アメリカ人、イギリス人と言う事もあるのだと思います。

邦題が『マダムのおかしな晩餐会』ですが、これは邦題あるある認定です。晩餐会はきっかけに過ぎず、主題じゃ無いんですよねぇこのタイトルだと、物語が晩餐会で終わるような印象を与えてしまいます。原題は『Madame』。これが正当なタイトルですね。まさしく“マダム”を描いた作品ですので。

タイトル マダムのおかしな晩餐会 / 原題 Madame

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/フランス
監督 アマンダ・ステール
出演 トニ・コレット(アン・フレデリクス)、ハーベイ・カイテル(ボブ・フレデリクス)、ロッシ・デ・パルマ(マリア)、マイケル・スマイリー(デイヴィッド・モーガン)、トム・ヒューズ(スティーブン・フレデリクス)、スタニスラス・メラール(アントニー・ベルナルド)、ジョセフィーヌ・ドゥ・ラ・ボーム(ファニー)、ブレンダン・パトリックス(トビー)

おかえり、ブルゴーニュへ / Ce qui nous lie

2018年12月01日 | 洋画(フランス系)
家を飛び出して世界を旅する生活を行っていたワイナリーの長男。兄の代わりに家業を継いでいた妹。別のワイン生産者の婿となっていた弟。そんな三人を描いた、フランス・ブルゴーニュ地方のワイナリーが舞台のヒューマンドラマ。

なるほどね。自分探しのために旅に出ると言うのは良くありますが、この作品の場合は、自分探しの旅に出たけど、自分の家に戻ってきて、自分の家で自分を探し出したという所でしょうか。わかりにくい比喩ですねぇm(__)m

ブルゴーニュのドメーヌの一年を描いたとも言える訳ですが、その一年が、父親が亡くなった事に始まり、弟は義実家と微妙な関係であったり、妹は自分に自信が持てず、そして、長男は長男で、やっぱり複雑な事情を抱えていたりしています。

ある意味、日々悩んで、困って、頑張って日常生活を送っているすべての人を描いた作品と言ってもいいかなと思います。そういう意味では、描かれているのは、実は“自分”だったりするのかも。

タイトル おかえり、ブルゴーニュへ / 原題 Ce qui nous lie

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/フランス
監督 セドリック・クラピッシュ
出演 ピオ・マルマイ(ジャン)、アナ・ジラルド(ジュリエット)、フランソワ・シビル(ジェレミー)

オーケストラ・クラス / La Mélodie

2018年08月19日 | 洋画(フランス系)
子どもたちに無料で楽器を贈呈し、プロの演奏家たちが音楽を教えるフランスの実在の教育プログラム「Démos」に着想を得て描かれた物語。初めて楽器を手にする子供に教える、挫折した音楽家。音楽家は、子供たちに教えることで、自らの事も見つめなおす。

うーん、話としては悪くない話。所謂“感動もの”に属する部類だと思うんですが、なぜだか最後までスキっとしません。何と言うか、音楽家で音楽講師ダウド役のカド・メラッドですが、あまり表情が無いんですよねぇ。最初のうちは「あ、失意の音楽家を表情でも表すなんて、すごいな」と思っていたんですが、話が進んで、徐々にダウドの心も和み始めていて良い筈なのですが、それでも、あまり表情に変化がありません。ちょっとは、嬉しそうな顔、楽しそうな顔をしますが、やっぱり表情に乏しい。もっと、ダウドの表情に変化があれば、もっといい作品だと思ったと思います。

まぁ、それはそれとして、他人に教えることで自分が学ぶことってありますよね。わからない人に判りやすく教えることが、自分自身の学びにもなる。フランスで行われているのも、教える側に、そう言う無形のメリットがあるからなのかなぁとも思いました。

タイトル オーケストラ・クラス / 原題 La Mélodie

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/フランス
監督 ラシド・ハミ
出演 カド・メラッド(シモン・ダウド/音楽講師)、アルフレッド・ルネリー(アーノルド)、ザカリア・タイエビ・ラザン(サミール)、シレル・ナタフ(ヤエル)、ユースフ・ゲイエ(アブ)、サミール・ゲスミ(ブラヒミ/教師)

セラヴィ! / Le sens de la fête

2018年07月20日 | 洋画(フランス系)
ネタバレアリ

お城を舞台にした豪華絢爛な結婚式で、そろいもそろってポンコツばかりのスタッフしかいない中、結婚式をプロデュースしたベテランウェディングプランナーが、どうやって切り抜けていくのかを描いたドタバタコメディ。

まず驚いたのが、オールナイトで結婚式が行われる事。フランスの結婚式が、オールナイトで行われるイメージは無かったので、ちょっとビックリ。って言うか、始まるのが、夜遅くからだからなぁ。ヨーロッパの人って、宵っ張りなんですね。

それと、国家憲兵が、アルバイトで?給仕をやる設定にもビックリ。日本ほど副業にはうるさく無いのかもしれませんが、それでもねぇ、国家憲兵が給仕なんてやるんですね?

新郎も一癖あるし、主人公のマックス自身もプライベートに問題を抱えていて、この手のコメディにありがちな設定にもなっています。

ところどころクスっと笑えて、中々面白いです。流石フランス映画と言う気分になります(笑)

タイトル セラヴィ! / 原題 Le sens de la fête

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/フランス
監督 エリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ
出演 ジャン=ピエール・バクリ(マックス/ウェディングプランナー)、ジャン=ポール・ルーブ(ギイ/カメラマン)、ジル・ルルーシュ(ジェームス/バンドボーカル)、バンサン・マケーニュ(ジュリアン/マックスの義理の弟・スタッフ)、アイ・アイダラ(アデル/スタッフ)、スザンヌ・クレマン(ジョジアーヌ/スタッフ)、アルバン・イワノフ(サミー/臨時スタッフ)、バジャマン・ラベルヌ(ピエール/新郎)、ジュディット・シュムラ(エレナ/新婦)、エレーヌ・バンサン(新郎の母)