勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

幸せのちから(2006年)

2007年01月27日 | 洋画(アメリカ系)
ウィル・スミスの最新作。幼い子供がいるのに妻が出て行き、家もお金も失い、ホームレス生活から億万長者になったと言う実話を下に描かれた映画。初めて親子共演も果たしています。

ウィル・スミスが日本にプロモーションに来たときに「これまでは、エイリアン(MIBやインデペンデンスデー)やロボット(アイ・ロボット)などを相手にしていたが、今度は初めてのヒューマンドラマだ。」と言うようなことを言っていましたが、一生懸命になれば報われると言う、感動的な本当に良いヒューマンドラマです。キャッチコピーに”全米が泣いた”とありますが、それほど泣くか?と言う軽い疑問はありますが、それでも良いヒューマンドラマであるには違いありません。ウィル・スミスって、ああ言う演技も出来るんですね。

それから何と言ってもジェイデン・クリストファー・サイア・スミス。凄いです。かなりいい演技をしています。彼とウィル・スミスは実の親子ですが、この共演は縁故でも何でもなく、きちんとオーディションをした結果であるとの事。実の親子であると言うことからして、息もピッタリ。また、親子の愛というのが本当によく描かれています。特に、BARTの駅での恐竜のエピソードには、ちょっとジーンと来ましたね。

実話に基づいた映画と言うことですが、実際とは若干異なるところがところどころあるようです。ディーン・ウィッターでの半年の研修ですが、劇中では無給と言うことになっていますが、実際は若干の手当てが出ていたところや、子供が実際は幼児であるのが5歳であるところなどがそうです。また、本当のChris Gardner氏はルービックキューブには当時触ったことも無かったそう。これは完全に創作の部分です。ですがこれらのことがこの作品のクオリティを下げると言うことはありません。むしろ、わかりやすくしていると思いますね。

ちなみに、Chris Gardner氏の公式ホームページもあるようです。アメリカでは、ちょっとした有名人らしいです。それと、劇中クリス・ガードナーが気にしていた”幸せ”の英語の本当のスペルは”Happiness”ですので、お間違えの無いよう。

タイトル 幸せのちから
原題 The Pursuit of Happyness
日本公開年 2007年
製作年/製作国 2006年/アメリカ
監督 ガブリエレ・ムッチーノ
出演 ウィル・スミス、ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス、タンディ・ニュートン、ブライアン・ハウ

[2007/01/27]鑑賞・投稿

不都合な真実(2006年)

2007年01月26日 | 洋画(アメリカ系)
元アメリカ副大統領アル・ゴア氏が、激変する地球環境を憂い、その問題点(地球温暖化)を知らしめ、対策を行うことを訴えるために行った講演のドキュメンタリー。って言うか、講演そのもののような気も途中からしてました。

実際に一般人を対象に行っている講演を下にしているので、非常にわかりやすい内容である。最新の科学的データを用いて説明する地球温暖化の状況は真に迫ってくる勢いがあり”今そこにある危機”と言う感じである。ゴア氏自身が日本にプロモーションできたときに、「いまの状況を英語で表すと”climate crisis”である。”crisis”と言う言葉には危機感だけで未来への希望と言う意味は無いが、日本語で”気候の危機”と言った場合の”危機”にはより多くの意味がある。それは、”危機”の”危”は危険と言う意味で、”機”は機会があると言うこということを示していると言うことである。今まさに、その機会を生かし、地球温暖化を止めるときだ。」と言う趣旨のことを語っていたことが良くわかります。確かに、昨今、爆弾低気圧とか、大雨とか、日本ではあまり無かった竜巻とか、今年のような暖冬とか、異常気象を肌で感じるほどになってきていますから、いま行動するときなのかもしれません。

映画はそれだけではありません。ゴア氏が地球温暖化に取り組むようになったその背景や、ゴア氏といえば外す事は出来ない2000年の大統領選挙の事も、ちりばめてあります。映画のエンドロールに、あなたが出来ることに「環境問題に取り組む政治家に投票すること」と言うような内容が出てきますが、やっぱり彼は政治家なんだなぁと思う一面でした。もっとも、ゴア氏自身は、再度大統領選挙に立候補する予定は無いと言っていますが。

ドキュメンタリーなので、娯楽作品ではありませんが、是非見るべき映画だと思います。はっきり言って、その内容の意味するところは下手なホラー映画より怖いです。しかもそれは、現実のものなのですからねぇ。彼が大統領になっていれば、環境問題は、違った形できちんと解決の方向に進んでいたのではないかと思わずにはいられません。少しでも地球温暖化を食い止めるよう、これから行動したいと思います。

タイトル 不都合な真実
原題 An Inconvenient Truth
日本公開年 2007年
製作年/製作国 2006年/アメリカ
監督 デイビス・グッゲンハイム
出演 アル・ゴア

[2007/01/26]鑑賞・投稿

ディパーテッド(2006年)

2007年01月20日 | 洋画(アメリカ系)
大ヒットした香港映画『インファナル・アフェア』のハリウッド版リメイク。ただ、本家の方とは、結末が大きく異なっています。リメイク作品と言うと、二番煎じ的な印象があったりしますが、この作品には当てはまりません。確かに、モチーフ・大きな筋は、元の作品をプロットしていますが、こちらはこちらで一つの立派な作品として出来上がっています。

レオナルド・ディカプリオからジャック・ニコルソン、マーティン・シーンと、大物俳優が続出。ジャック・ニコルソンの乱れた髪で演じるマフィアのボスが凄いです。それと、ディカプリオの眉間にしわを寄せた表情が、何とも言えないですね。

結末に向かって緊張感が高まっていくのですが、「一体どういう風に終わるんだろう?」と思い始めた頃に、物語が大きく動きます。ネタばれになるので詳しくは記しませんが、それにしても、そう言う風になるとはねぇと言うのが正直な感想です。元々の『インファナル・アフィア』の様に潜入刑事のディカプリオは死んでしまうんですが、そのあっけない死に方にビックリ。そして、その後、残された警察に潜入したマフィアのマット・デイモンのその後にも注目です。それと、マフィアのボス、ジャック・ニコルソンがどうなるかと言うのも必見です。こちらも、「えーっ!」と言う感じです。

152分と、2時間半以上の長い映画ですが、見た後の満足感はたっぷり。でも、やっぱり、ちょっと長いかな。アカデミー委員会に嫌われているマーティン・スコセッシですが、果たして今年は・・・。

タイトル ディパーテッド
原題 The Departed
日本公開年 2007年
製作年/製作国 2006年/アメリカ
監督 マーティン・スコセッシ
出演 レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、ベラ・ファミーガ、マーク・ウォールバーグ、マーティン・シーン、レイ・ウィンストン、アレック・ボールドウィン

[2007/01/20]鑑賞・投稿