勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

LORO 欲望のイタリア / LORO

2019年11月22日 | 洋画(イタリア系)
2006年、因縁の政敵であるロマーノ・プローディに敗北したベルルスコーニが、首相に返り咲くべく、虎視眈々とそのタイミングを狙っている様を描いた作品。

うーん?????

美女を侍らすシーンは、めっちゃ多いんだけど、なんだんだ?????この映画は??????

同じように思った人が多いのか、途中で出て行った人複数。

前半一時間半くらいは、無くてもいいんじゃないだろうか?

大変申し訳ないけど、私の評価は低いです。

タイトル LORO 欲望のイタリア / 原題 LORO

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2018年/イタリア
監督 パオロ・ソレンティーノ
出演 トニ・セルヴィッロ(シルヴィオ・ベルルスコーニ&エンニオ)、エレナ・ソフィア・リッチ(ヴェロニカ・ラリオ/ベルルスコーニの妻)、リッカルド・スカマルチョ(リッカルド・スカマルチョ/政界進出を狙う青年実業家)、カシア・スムトゥニアク(キーラ/ベルルスコーニの美女軍団)、ファブリッツィオ・ベンティヴォリオ(サンティーノ/中道右派の政治家)

トスカーナの幸せレシピ / Quanto basta

2019年10月26日 | 洋画(イタリア系)
共同経営者とのトラブルから暴力沙汰になり、社会奉仕活動を言い渡された人気シェフの、アスペルガー症候群の若者との心の交流を描いた作品。

まぁ、ちょい悪が、社会的弱者と関わる事によって自分を見つめなおして、良い奴になっていくと言う設定の映画は数多ありますが、これもその例に漏れません。言ってしまえば、なんとなく先のストーリーが読めてしまい、驚きとか、ドキドキは無いんですが、逆に言うと、そう言う先読みできる安心感がこの作品の良いところなのかもしれません。

悪く無いです。意外なストーリーではありませんが、ほっこりして、安心できる話です。

タイトル トスカーナの幸せレシピ / 原題 Quanto basta

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2018年/イタリア
監督 フランチェスコ・ファラスキ
出演 ヴィニーチョ・マルキオーニ(アルトゥーロ)、ルイジ・フェデーレ(グイド)、ヴァレリア・ソラリーノ(アンナ)

ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ / Hitler contro Picasso e gli altri

2019年04月21日 | 洋画(イタリア系)
第二次世界大戦の際に、ヒトラーに略奪された美術品と、それにかかわる人々を描いたドキュメンタリー。第二次世界大戦の際、ナチスが、美術品を奪いまくったのは周知の話。それの奪還がどの様に行われているかを描きます。

ナチスが、ユダヤ人から美術品を略奪しまくったのは知っていましたが、その数約50万。そして、元の所有者の元に戻ったのが約10万。その差分40万点が、戦後70年以上を経た今でも行方不明なんですね。

戻ってとしても、そこまでたどり着くまでは、中々大変なようです。この作品では、その所は単に「裁判」と言う言葉で表現していましたが、その「裁判」も大変みたいです。

驚いたのが、結構有名で、展覧会などで見た事があるような作品が、そのナチスの略奪を経験していたものが少なくないと言う事。美術館で目にした“あの”作品が、もしかしたらナチスの略奪を経た作品なのかもしれないんですね。

ただ、タイトルが、ちょっとアレでは?しかも、邦題ではなく、原題からして“アレ”なんですよね。確かにピカソも少し話には出てきますが、タイトルにするほどフィーチャーされているか?と言われると、違う気がします。

タイトル ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ / 原題 Hitler contro Picasso e gli altri

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2018年/イタリア
監督 クラウディオ・ポリ
出演 トニ・セルビッロ

いつだってやめられる 7人の危ない教授たち / Smetto quando voglio

2018年06月30日 | 洋画(イタリア系)
いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』の前日譚。ここからすべてが始まります。

この話を見る前に『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』を見たので、“なんのこっちゃ?”と思わずにはいられませんでしたが(苦笑)、この作品を見て、やっと話がつながりました。うーん、結局のところ、ポスドク就職問題ですよね。ポスドクの就職は、いつの世にも重要な課題です。って言うか、いまの日本を映し出しているような気がしてなりません。

とはいえ、この作品は、この作品で完結と言う思いで作ったんじゃないでしょうか?そう思う程、次作の『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』との雰囲気の違いを感じずにはいられません。本作は、当たるか当たらないか判らないまま作られたので、次作の予告が、エンドロールにはありませんでした。ですが、この続編にあたる『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』では、完結編に相当する次作の予告編が、エンドロールにちりばめられていました。

めっちゃ、現代社会を風刺していて、上映中、時折映画館内で笑い声が起きていました。まぁ、笑う所だよね(笑)

タイトル いつだってやめられる 7人の危ない教授たち / 原題 Smetto quando voglio

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2014年/イタリア
監督 シドニー・シビリア
出演 エドアルド・レオ(ピエトロ・ズィンニ/神経生物学者)、バレリア・ソラリーノ(ジュリア/ピエトロの婚約者)、ステファノ・フレージ(アルベルト・ペトレッリ/計算化学者)、バレリオ・アプレア(マッティア・アルジェリ/解釈論的記号学者)、パオロ・カラブレージ(アルトゥーロ・フランティーニ/古典考古学者)、リベロ・デ・リエンゾ(バルトロメオ・ボネッリ/動学マクロ経済学者)、ロレンツォ・ラビア(ジョルジョ・シローニ/ラテン碑銘学者)、ピエトロ・セルモンティ(アンドレア・デ・サンクティス/文化人類学者)

いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち / Smetto quando voglio: Masterclass

2018年05月27日 | 洋画(イタリア系)
社会からはじき出された学者が、スマートドラッグ製造で一発逆転の人生を狙った映画『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』の続編。

合法成分から合成されるスマートドラッグ蔓延に手を焼いていた警察が『蛇の道は蛇』『毒を以て毒を制す』と思ったのか、スマートドラッグ製造の咎で収監されていたピエトロ達に、条件を達成したら釈放・犯罪歴抹消と言う条件で、スマートドラッグ摘発をを行わせることから、この回は始まります。話の始まりとなる前作はまだ見ていませんが、中々面白い話。

たしかにな、科学者の知恵を使えば、ドラッグ製造は簡単に出来るでしょうね。この映画の科学者ギャング団は、優秀だけと定職には付けないと言う、いわばポスドクと言う設定の様です。日本でも、非正規科学者の問題が出てきていて、それによる研究不正と言う事件も起きていますが、それを面白おかしく、描いたと言う事になるのでしょうか。

ちょっと気になるのが、パオロ警部の設定。あの若さで、しかも女性であるのに警部って、優秀なんですね。優秀であるが故の自信家でもあるようですが。やっぱりこの辺りも、一作目を見ることが必要なようです。

どの位の人が気が付いたかわかりませんが、どうやらこの映画、次の作品があるようです。エンドロールで、次作の宣伝がされていました。そうだよなぁ。この終わり方だと、話に決着がついていないもんなぁ。次作も、日本で公開されることを期待です。

タイトル いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち / 原題 Smetto quando voglio: Masterclass

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/イタリア
監督 シドニー・シビリア
出演 エドアルド・レオ(ピエトロ・ズィンニ/神経生物学者)、グレタ・スカラーノ(パオロ・コレッティ/警部)、バレリア・ソラリーノ(ジュリア/ピエトロの婚約者)、バレリオ・アプレア(マッティア・アルジェリ/解釈論的記号学者)、パオロ・カラブレージ(アルトゥーロ・フランティーニ/古典考古学者)、リベロ・デ・リエンゾ(バルトロメオ・ボネッリ/動学マクロ経済学者)、ステファノ・フレージ(アルベルト・ペトレッリ/計算化学者)、ロレンツォ・ラビア(ジョルジョ・シローニ/ラテン碑銘学者)、ピエトロ・セルモンティ(アンドレア・デ・サンクティス/文化人類学者)、マルコ・ボニーニ(ジュリオ・ボッレ/理論解剖学者)、ロザリオ・リスマ(ヴィットリオ/教会法学者)、ジャンパオロ・モレッリ(ルーチョ・ナポリ/メカトロニクスエンジニア)、ルイジ・ロ・カーショ(ヴァルテル・メルクリオ/工業化学者)

ローマ法王になる日まで / Chiamatemi Francesco - Il Papa della gente

2017年06月03日 | 洋画(イタリア系)
2013年に就任した、第266代ローマ法王フランシスコの半生を描いた作品。

クリスチャンではないので、それほどローマ法王に関心があるわけでは無いのですが、史上初めて南米出身のローマ法王の半生と言う事で、興味を持ってみました。

なるほどね。1960年代、70年代の軍事政権による圧政の時代をアルゼンチンで過ごしていたんですね。でも、あんまり言うと(書くと)、宗教論争になってしまうのですが、一点、指摘しておきたいなと思う事が。こう言うと、ちょっとあれなんですが、ナチ政権勃興の時も教会は何もしなかったし、このアルゼンチンの軍政の時も何もしなかったんですね。見方によっては、むしろ圧政者側に立っているようにも見えました。教会も権力機関なんですね。

だからと言って、法王フランシスコが民衆を救わないでいたと言う事ではありません。むしろ彼は、ドイツへの神学を学ぶための留学後、権力から遠ざかるように、地方での教会活動を行っていましたからね。

法王フランシスコの活動は、ホルヘ・ベルゴリオとして、アルゼンチンで活動していた頃に、その真髄がある事がよくわかりました。

タイトル ローマ法王になる日まで / 原題 Chiamatemi Francesco - Il Papa della gente

日本公開年 2017年
製作年/製作国 2015年/イタリア
監督 ダニエレ・ルケッティ
出演 ロドリゴ・デ・ラ・セルナ(ホルヘ・ベルゴリオ(1961~2005))、セルヒオ・エルナンデス(ホルヘ・ベルゴリオ(2005~2013))、ムリエル・サンタ・アナ(アリシア・オリベイラ判事)、ホセ・アンヘル・エヒド(ヴェレス)、アレックス・ブレンデミュール(フランツ・ヤリクス)、メルセデス・モラーン(エステル・バッレストリーノ)

Viva!公務員 / Quo vado?

2017年05月28日 | 洋画(イタリア系)
生活の安定を求めて公務員になった男性が、リストラの対象になったことから巻き起こる騒動を描いたコメディ。

いやぁ、良いですね(笑)。公務員たるもの、こうこなきゃ(笑)。ケッコは、左遷先のどこでも、強かに生き延びるすべを見つけ出してしまいます。

ちなみに、こちらが、ケッコが飛ばされた場所らしいです。

イタリアのみならず、北極まで行かされています。

結末も、最近は、オープンエンディングが流行って居たり、あるいは、ヨーロッパ映画は必ずしもハッピーエンディングでは無かったりするんですが、この作品は、まぁ、良いところに落ち着いたんじゃないでしょうか。

イタリア・コンテンポラリー映画祭で、観客賞を受賞。その他、イタリア・映画記者協会賞とナストロ・ダルジェント賞もでは最優秀プロデューサー賞を受賞するなど、いくつかの賞を受賞しています。

クスリと笑いたくて見に行ったのですが、目的は果たせたようです。

タイトル Viva!公務員 / 原題 Quo vado?

日本公開年 2017年
製作年/製作国 2016年/イタリア
監督 ジェンナーロ・ヌンツィアンテ
出演 ケッコ・ザローネ(ケッコ)、エレオノーラ・ジョバナルディ(バレリア)、ソニア・ベルガマスコ(シローニ女史)、マウリツィオ・ミケリ(ケッコの父ペッピーノ)、ルドビカ・モドゥーニョ(ケッコの母カテリーナ)、アントニーノ・ブルスケッタ(マーニョ大臣)、パオロ・ピエロボン(科学観測隊員)、アッズッラ・マルティーノ(ケッコの婚約者)、リノ・バンフィ(ビネット上院議員)

ある天文学者の恋文 / La corrispondenza

2016年09月22日 | 洋画(イタリア系)
天文学者エドワードと教え子エイミーの秘められた恋。エドワードの突然の悲報がエイミーに伝えられるが、その後もなぜか、エドワードからの手紙やメール、贈り物がエイミーの元に届き続ける・・・。

ただ単に「死んだ人から、手紙やメールや贈り物が届き続ける」というとホラーみたいですが、全然そうではありません。星の場合、何億光年も先の星からの光がいま届いていますが、『今』見ている光は実際には『何億年』も前に星を出た光で、いま実際には、その星は存在していないかもしれないんですよね。フィーラムのやっている事はそういう事なんだなと、途中で気が付きました。フィーラムは天文学者ですし、エイミーも天文学を学んでいますからね、その二人にピッタリのストーリーなのかな?

面白いのが、エイミーが天文学を学ぶ傍ら、スタント・パーソンやモデルを職業としていること。モデルはさておき、スタント・パーソンをやっているのは、エイミーの若い頃の出来事が関係しているんですが、そういうものなのかな。でも、ボンドガールを演じたことがあるオルガがスタント・パーソンってね、何かの暗喩でしょうか?

それと、フィーラムですが、なんでエイミーの行動が時間単位まで読めるのか?うっかりするとストーカーですが、フィーラムとエイミーは真に愛し合っているんで良いんでしょうね。

単に、死ししてもなお、愛している(愛していた)恋人にメッセージを送り続けるだけなら、起伏のない単調な話になってしまいますが、エイミーの“軽率な”行動で、そうでは無くなってしまうところが、物語に起伏を付けて良いですね。

いやぁ中々深くて、濃くて、良い作品だと感じました。

タイトル ある天文学者の恋文 / 原題 La corrispondenza

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/イタリア
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
出演 ジェレミー・アイアンズ(エドワード・フィーラム)、オルガ・キュリレンコ(エイミー・ライアン)、ショーナ・マクドナルド(ヴィクトリア/エドワードの娘)、パオロ・カラブレージ(プレスカトーレ・オッタヴィオ)、アンナ・サバ(アンジェラ)、イリーナ・カラ(エイミーの母親)

神様の思し召し / Se Dio vuole

2016年09月01日 | 洋画(イタリア系)
腕は良いが傲慢な医師の息子が、突然、神父になりたいと言い出したことから始まるコメディ。

うーん、こんな医者、腕は良くても嫌だなぁ。最近は、こう言う傲慢で俺様な医者は減ってきたとは言われますが、まだまだ残っていますよねぇ。イタリアでも、そうなんですねぇ(?)。

息子を巡る神父との戦い(?)も見ものですが、実は、トンマーゾの妻の壊れっぷりも中々です。行くところまで行くと、こんな感じに壊れてしまうのかと(笑)

息子を巡る騒動は、結局「え?そう言うオチ?」と言う風になるのですが、最後が、ハリウッド物とは違う終わり方。こう言う終わり方も有るのかぁと感心してしまいました。何事も、ハッピーエンディングばかりでは無いと。

タイトル 神様の思し召し / 原題 Se Dio vuole

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/イタリア
監督 エドアルド・ファルコーネ
出演 マルコ・ジャリーニ(トンマーゾ)、アレッサンドロ・ガスマン(ピエトロ/神父)、ラウラ・モランテ(カルラ/トンマーゾの妻)、イラリア・スパダ(ビアンカ)、エドアルド・ペーシェ(ジアンニ)、エンリコ・オティケル(アンドレア/トンマーゾの息子)

ローマに消えた男 / Viva la liberta

2015年11月23日 | 洋画(イタリア系)
イタリア統一選挙が差し迫る中、支持率が低迷している野党の書記長が失踪。窮地に陥った書記長の腹心は、書記長の双子の兄弟を担ぎだして、難局を乗り越えようとする・・・。

そう言うあらすじだと、もう少し、ドタバタして喜劇的に描かれても良いと思うのですが、意外や意外ドタバタ喜劇的ではありません。意外に、深いテーマが、非常に上手く描かれています。

何と言っても、一人二役のトニ・セルビッロですかねぇ。エンリコは現在の問題にひとりで深く悩む感じであったのに対し、ジョバンニはエンリコと違い、ウィットに富んだコメントを多発するちょっと“危険な“キャラ。全く違うキャラを、非常に上手く演じきっています。いやぁ、見事。彼の見事な演技があるんで、この作品が成り立つんですよね。

それと中々意味深だったのが、ラスト。あれは一体・・・と言う感じで終わります。いやぁ、観客に考えさせるという演出ですが、まんまと考えさせられますねぇ(笑)。あんまり書くと、ネタバレになってしまうのでかけませんが、元に戻ったとする解釈と、実は・・・と言う解釈の二通りの解釈が可能です。

って言うか、どちらかと言うと、後者?

タイトル ローマに消えた男 / 原題 Viva la liberta

日本公開年 2015年
製作年/製作国 2013年/イタリア
監督 ロベルト・アンド
出演 トニ・セルビッロ(エンリコ・オリベーリ、ジョバンニ・エルナーニ)、バレリオ・マスタンドレア(アンドレア・ボッティーニ)、バレリア・ブルーニ・テデスキ(ダニエル/エンリコの友人)、ミケーラ・チェスコン(アンナ・オリベーリ/エンリコの妻)、アンナ・ボナイウート(イブリーナ・ピレッジ)、エリック・グエン(ムング/ダニエルの夫)