勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

トータル・フィアーズ(2002年)

2002年09月07日 | 洋画(アメリカ系)
タイトル トータル・フィアーズ

---感想---
トム・クランシーの『恐怖の総和』を元に映画化。原作でのジャックは、既にCIA情報担当副長官になっているが、映画でのジャックは駆け出しのCIA分析官となっている。また、キャシーとも結婚しておらず、まだ恋人同士という設定。

東西冷戦が終結してから久しいが、それ以来テクノスリラーの世界は困っているに違いない。冷戦この時代であれば間違いなく旧ソ連を敵役にすれば物語が成り立ったが、冷戦が終結して以来、敵役の座は、中東の独裁者やネオナチなどのテロ組織になり、実際の世界は言うに及ばず映画の世界も地政学を知らないと理解できない難しい世界になってしまった。そのような複雑な時代の中、この映画での敵役はやはりネオナチとなっている。ちなみに、原作での敵役は中東のテロ組織であった。9・11以降、中東のテロ組織によるアメリカ本土での核テロリズムとなると、あまりにも生々しいのでネオナチとなったのだろうか。そもそも、9・11のテロは、トム・クランシーの小説をプロットしたかのような内容だったので、アメリカでの核テロリズムが現実化しないことを念じて止まない。

上記のジャックの役柄やキャシーとの関係、敵役の違いのほか、映画で爆発の起きる都市がデンバーからボルチモアになっていたりと、原作との違いを上げればキリが無いが、短時間の映画で物語を観客に理解させるのであれば仕方が無いだろう。それなりに仕上がっていた。見る前はベン・アフレックのジャック・ライアンはどうかと思っていたが、中々の好演技であった。

英語版HP:The Sum of All Fears from Yahoo!

公開年 2002年
原作・製作総指揮 トム・クランシー
監督 フィル・アルデン・ロビンソン
出演 ベン・アフレック、モーガン・フリーマン

[2002/09/07]鑑賞
[2006/01/08]投稿