勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年)

2008年06月14日 | 洋画(アメリカ系)
『インディ・ジョーンズ』19年ぶりの復活。今年は、ランボーといい、インディ・ジョーンズといい、20年近い時を経てからの復活が多いですね。正式公開は来週からですが、先行公開の今日、見てきました。

舞台は、第二次世界大戦が終結して、東西冷戦が激化しつつあるころ。ロズウェル事件から10年が経過していますが、そのロズウェル事件への関連が疑われているエリア51が物語の冒頭のシーンに登場しています。また、アメリカでは、マッカーシズムは終焉していますが、まだまだその後遺症がある事が、ジョーンズがFBIに疑われるところで描かれています。そう言う時代背景を理解すると、この物語の理解がより一層深まると思います。って言うか、国内の重要軍事施設にあんなに簡単に敵の侵入を許していいのでしょうか?

インディ・ジョーンズも歳を取りましたね。インディ・ジョーンズシリーズといえば、度肝を抜くようなアクションシーンですが、この作品ではアクションはちょっとイマイチ。歳も歳なんで、まぁ、仕方ないですかね。しかし、そう言う意味では、ちょっと物足りなさ(寂しさ?)を感じました。

この手のシリーズモノの常套手段ではありますが、これまでに過去の作品に出演している俳優が出演し、過去の出来事から、現在に物語を膨らましています。シャイア・ラブーフが、その過去とのつながりを示す役どころになっています。過去の作品は、見ることには見ているんですが、内容の細かいところはすっかり忘れてしまっているので、何でこの人が?と言うことが分からなかったです。前の作品を見ておくと、その辺がスッキリすると思います。

そんなにド派手なアクションも無く、かと言ってハラハラドキドキのサスペンスも無く、裏切りはあるんですがどうもキレがイマイチ。そしてラストも、ぬるい予定調和的なハッピーエンド(?)であったので、何となく物足りません。もう少し派手なアクションとハラハラドキドキのサスペンスを期待していたんですが。ちょっと、ほんわかしすぎと言うと、言いすぎかな? ここに至るまで、かなりの回数、脚本を書き直したらしいので、話のエッセンスの全てを取り込んで角が無くなってしまい、結果的に話の刺激がなくなったのかも知れませんね。

タイトル インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
原題 Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull
日本公開年 2008年
製作年/製作国 2008年/アメリカ
監督 スティーブン・スピルバーグ
原案・製作総指揮 ジョージ・ルーカス
出演 ハリソン・フォード(インディ・ジョーンズ)、シャイア・ラブーフ(マット“ヘンリー”ウィリアムズ)、ケイト・ブランシェット(イリーナ・スパルコ)、カレン・アレン(マリオン・レイヴンウッド)、ジョン・ハート(オクスリー教授)、レイ・ウィンストン(ジョージ“マック”マクヘイル)

[2008/06/14]鑑賞・投稿

ザ・マジックアワー(2008年)

2008年06月07日 | 邦画
三谷幸喜の監督作品第四弾。今回は、これまで以上に笑いが込められています。

ほとんど主役級の役者たちが、ほんの端役程度で出てくるのが、三谷作品の一つの見所。今回は劇中映画(そのうちの一つの監督が市川崑)が何本かあるんですが、それらには、唐沢寿明(まぁ、彼は三谷組なので当然ですが)、中井貴一、天海祐希、鈴木京香、谷原章介、寺脇康文と豪華なメンバーが出ています。ネタバレですが、谷原章介の役どころが、佐藤浩市演じる村田大樹が俳優を目指すきっかけになっていて、しかも、その後にも、繋がっていたりしています。

劇中映画にもきちんとタイトルが付いているところが面白いです。市川崑監督、中井貴一、天海祐希出演のものが「黒い101人の女」、鈴木京香、谷原章介、寺脇康文が出ているのが「暗黒街の用心棒」、唐沢寿明が出るものが「実録・無法地帯」。それぞれ、実際の作品のパロディだったりします。

これまでの4作品で、一番、笑いが多かった気がします。上映中、劇場内に何度も笑いが起きていました。実際、三谷監督自身も「4本目にして、ようやく思い通りの作品が出来ました。」と言っているようです。実際、ちょっと長いかな(市川崑監督も「なかなか良く描けている。でも長いな」と言ったとか)。最後の方は、ちょっと集中力が途切れてしまいました。

佐藤浩市のキレ気味の演技が良いです。ギャングを演じてるときと、演じ終わったときのギャップが何とも言えないですね。それと、妻夫木聡のインチキ臭いチンピラも珍しいです。爽やかなんですけどね。戸田恵子も出番は、今回は少なめです。それでも、きちんとおいしい所は持っていっています。深津絵里も見事に妻夫木聡の彼女(って言うか、西田敏行の愛人役だけど)を演じています。完全に、妻夫木聡を翻弄していましたね。でも、彼女、妻夫木聡とは結構の年齢差があると思うんですけどね。むしろ、綾瀬はるかの方が歳は近いのでは?(失礼!)しかし、なんと言っても、伊吹吾郎が意外に良いです。印籠を出さないかと心配しましたが。それと、実は彼が謎の殺し屋『デラ富樫』だと思っていたんですが、全然違いました。

三谷幸喜が「思い通り」と言ったとおり、彼の好きなコメディーにきちんと仕上がっています。あとは、もう少し短ければ・・・。これは、市川崑監督の生前最後の出演となった作品。映画の冒頭に、市川崑監督に捧げる言葉が出ていました。

タイトル ザ・マジックアワー
日本公開年 2008年
製作年/製作国 2008年/日本
監督・脚本 三谷幸喜
出演 佐藤浩市(村田大樹)、妻夫木聡(備後登)、深津絵里(高千穂マリ)、綾瀬はるか(鹿間夏子)、西田敏行(天塩幸之助)、小日向文世(長谷川謙十郎)、寺島進(黒川裕美)、戸田恵子(マダム蘭子)、伊吹吾郎(鹿間隆)、香川照之(江洞潤)、市川萬次郎(菅原虎真)、甲本雅裕(太田垣直角)、浅野和之(清水医師)、近藤芳正(今野貴之介)、柳澤愼一(高瀬允)、鈴木京香(小夜子)、谷原章介(ニコ=若い頃の高瀬允)、寺脇康文(ワンチャイ・ハンダラピカル)、堀部圭亮(パンビ)、唐沢寿明(ゆべし)、市川崑(映画監督)、山本耕史(助監督)、中井貴一(磐田とおる)、天海祐希(喪服の女)、市川亀治郎(カメ)、香取慎吾(只野憲二?)

[2008/06/07]鑑賞・投稿

ラスベガスをぶっつぶせ(2008年)

2008年06月01日 | 洋画(アメリカ系)
卓越した数学力を持つMITの学生ベン(ジム・スタージェス)。彼は、一つ問題を抱えていた。進学先の学費を捻出しなければならないのだ。そこへ、ベンの卓越した数学力に目を付けたミッキー・ローザ教授(ケヴィン・スペイシー)が現れ、ベンをブラックジャック攻略チームへと誘う。それは、彼の数学力があるからこそ、成し遂げられる技だったが・・・。実話を下にした映画。MITには時として、本当の天才が現れますからねぇ。

この話は、ケン・ユーストンの話をモデルに描いているのだと思いますが、現代にデフォルメされています。劇中にGoogleという言葉が出てくるのも、その一つ。しかし、実際にケン・ユーストンが活躍したのは、今から20年ほど前。しかしながら、Wikipediaによれば、その勝率は映画ほどではなく、60%程度であったらしいです。

突っ込みどころとしては、映画では舞台をラスベガスに拘っていますが、アメリカで合法にカジノを楽しむことが出来る都市は他にも多数ありますし、東海岸にもアトランティックシティがあります。こちらの方が、ボストンには近いんですけどね。ラスベガスは、世界的にも有名な都市なので、こちらに絞ったと言うことでしょうか?

ベンをこの行為に誘い込むミッキー・ローザ教授ですが、教育者とは思えないほど憎たらしく、且つ、お金に汚く・冷酷に描かれていますが、それをケヴィン・スペイシーが上手に演じています。

日本では、親が子供の学費を出すのは普通ですが、アメリカにおいては大学の学費を親が出すことは少なく、多くの大学生が大学生ローン(学費ローン)を組んで、学費を工面しています。その為、卒業してからローンの支払いに苦労すると言う例は少なくありません。この映画は、その辺りを知っていないと、ちょっとわかり難いかもしれません。

原題の”21”とは、ブラックジャックのこと。邦題からは、余りにもお気楽な学生のお遊びと言う印象を受けてしまいますが、内容的には必ずしもそう言うことでも無いので、原題の方がいいタイトルかもしれません。なお、今現在、ラスベガスでブラックジャックのカウンティングをするのは違法らしいので、実際に試したりしないように。

タイトル ラスベガスをぶっつぶせ
原題 21
日本公開年 2008年
製作年/製作国 2008年/アメリカ
監督 ロバート・ルケティック
製作・出演 ケヴィン・スペイシー(ミッキー・ローザ教授)
出演 ジム・スタージェス(ベン・キャンベル)、ケイト・ボスワース(ジル・テイラー、ローレンス・フィッシュバーン(コール・ウィリアムズ)、アーロン・ヨー(チョイ)、ライザ・ラビラ(キアナ)、ジェイコブ・ピッツ(フィッシャー)

[2008/06/01]鑑賞・投稿