勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

インフェルノ / Inferno

2016年10月30日 | 洋画(アメリカ系)
ネタバレあり。

ダ・ヴィンチ・コード』、『天使と悪魔』に続く、ロバート・ラングトンシリーズの第三弾。

ラングトンシリーズは、イタリアや宗教を描くことが多く、少し難解に感じることが有るんですが、本作では今までに増して最初のうち難解に感じました。と言うとも、ラングトンが銃創を負って、記憶が混乱した上に、幻覚まで見てしまうので、今の出来事と、ラングトンの幻覚とが混ざって描かれているので面食らったと言うのが正直なところです。物語が進むに連れ、それも解消されていくんですが、最初はどうなることかと思いました。それと、誰が誰を追っているのか最初の内わかりにくく、それも難解に感じた要因の一つですね。

ラングトンと言えば、ツイードジャケットがトレードマークのはずですが、今回は普通のスーツで動いています。まぁ、そのスーツも、色々と意味があるんですけどね。

ラングトンシリーズは、ほんの数時間の出来事というのが多いですが、この作品もその例に漏れませんでした。この大活劇が、実はものの数時間の物語ということを改めて認識すると、ちょっと驚きです。国を跨いでいますからねぇ。

正直言うと、色々と突っ込みたい所はあります。特に最後のシーン。水中に爆弾を投下してから、携帯で起動するという設定のようだったけど、水は電波を通さないんだけど?この作品では、携帯の基地局を停止させたので爆弾は起動しなかったという事になっていますが、携帯基地局を停止しなくても、起動できないよ。

ラングトンシリーズ、きらいじゃないんだけど、なんか曲がり角に来たようなきがするのは、気のせいですか?

タイトル インフェルノ / 原題 Inferno

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/アメリカ
監督 ロン・ハワード
原作 ダン・ブラウン『インフェルノ』
出演 トム・ハンクス(ロバード・ラングドン)、フェリシティ・ジョーンズ(シエナ・ブルックス/医師)、アナ・ウラル(ヴァエンサ/ラングトンを追う「大機構」現場隊員)、オマール・シー(クリストフ・ブシャール/WHOフランス支局員)、ベン・フォスター(バートランド・ゾブリスト/大富豪の生物学者)、イルファン・カーン(ハリー・シムズ/「大機構」総監)、シセ・バベット・クヌッセン(エリザベス・シンスキー/WHO責任者)

手紙は憶えている / Remember

2016年10月30日 | 洋画(その他)
妻が死んだことを覚えていないほど認知症の進んだアウシュビッツ収容所の生き残りが、友人から託された手紙を手がかりに、アウシュビッツ収容所で家族を殺したナチス兵士を探す物語。

重度の認知症で、友人の書いてくれた手紙だけが全てと言う過酷な状態で、よくゼブは任務を完遂しましたねぇ。お約束どおり、手紙に書かれていることを失いそうな出来事もある上に、あまりにも認知症の症状も酷いので、一時はどうなるのかと思い、ドキドキしましたが。

結末は、キャッチコピーに『ラスト5分の衝撃』とか、『すべての謎が解き明かされるとき、あなたの見ていた世界は一転する』とかあったので、「まさか、そういう事?」と思っていたんですが、意外や意外(?)、予想の通りでした。途中、そう言う伏線も無かったし、ナチに対する恐怖も示していたので、「あれ、予想が違ったのかな?」と思ったんですが、そうではありませんでした。

ルディ・コランダーの正体もそうですが、それを除いても、ラストシーンは衝撃です。家族の目前での出来事ですからね。その事件を伝えるニュースシーンで「家族は、呆然としています」と言うようなニュース音声が流れていましたが、そりゃそうだよね。

いやぁ、最後のマックスのセリフ、姿が怖かったですね。目的のためには手段を選ばないと言うやつですが・・・。

タイトル 手紙は憶えている / 原題 Remember

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/カナダ・ドイツ
監督 アトム・エゴヤン
出演 ククリストファー・プラマー(ゼブ・グットマン)、マーティン・ランドー(マックス・ザッカー/ゼブの友人)、ヘンリー・ツェニー(チャールズ・グットマン/ゼブの息子)、ブルーノ・ガンツ(ルディ・コランダー#1)、ハインツ・リーベン(ルディ・コランダー#2)、ディーン・ノリス(ジョン・コランダー/ルディ・コランダー#3の息子)、ユルゲン・プロホノフ(ルディ・コランダー#4)

奇蹟がくれた数式 / The Man Who Knew Infinity

2016年10月23日 | 洋画(イギリス系)
インドの天才数学者ラマヌジャンと、彼を見出したG・H・ハーディとの交流の実話を描いた作品。

本当に、ラマヌジャンとハーディの交流しか描かれていません(笑)。そう言う意味では、ラマヌジャンが、なぜ数学に興味をもったのかと言う事が判らないので、突然現れた天才と言う風にしか感じません。でも、色々と調べてみると、彼は、数学に熱中するあまりに途中退学となってしまって卒業はしていませんが、大学に入学はしているんですね。でも、そう言う背景がなくても、ラマヌジャンとハーディの人と人の交流という観点を描いている物語なので、特に障害にはなりません。

何と言っても、ジェレミー・アイアンズかなぁ。こう言う学者のような役が似合いますねぇ。彼は、その昔『ダイ・ハード3』でテロリストを演じたりもしていますが、そのテロリストも、どこかしか知性を感じさせるものだったことを思い出しました。

ラマヌジャンを演じたデーブ・パテルですが、彼は『スラムドッグ$ミリオネア』で、主演の少年を演じていたんですね。って言うか、『スラムドッグ$ミリオネア』も天才的な才能を示した人物を演じていたので、そう言う天才の役に彼は縁があるんですね。って言うか、デーブ・パテル、『チャッピー』にも出ていたか。

数学の話は、XX問題とか言うように、その命題は出てきますが、何かを計算するなどは出てきませんので、数学が苦手でも大丈夫です(笑)。上記に記したように、子弟あるいは同じ数学を志す友人同士の交流を描いた作品です。中々、面白かったです。

タイトル 奇蹟がくれた数式 / 原題 The Man Who Knew Infinity

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/イギリス
監督 マシュー・ブラウン
出演 デーブ・パテル(シュリニヴァーサ・ラマヌジャン)、ジェレミー・アイアンズ(G・H・ハーディ)、デビカ・ビセ(ジャナキ)、トビー・ジョーンズ(ジョン・リトルウッド)、スティーブン・フライ(サー・フランシス・スプリング)

われらが背きし者 / Our Kind of Traitor

2016年10月23日 | 洋画(イギリス系)
ネタバレあり。

ジョン・ル・カレの小説『われらが背きし者』の映画化。

原作が2010年の出版なので、最近の世界情勢をある程度反映しています。ジョン・ル・カレと言えば、『寒い国から帰ってきたスパイ』や『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』などが有名ですが、『寒い国から帰ってきたスパイ』は1963年、『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』が1974年と、冷戦華やかなりし頃の出版なので、冷戦が集結し、国と国の正規戦ではなくなりテロとの戦いになり、中国が台頭してきている今の時代とは乖離を感じますが、それを感じさせ無かったのは、そう言う事なんですね。まぁ、それら冷戦の頃の作品も、「冷戦のころは、そうだったんだなぁ」と思えば、特に違和感は無いですけどね。

う~ん、ユアン・マクレガーが大学教授ですか・・・。残念ながら、あんまりそう言うイメージじゃないですねぇ。なんか軽い・・・。ちょっとそこが残念かな。ナオミ・ハリスの弁護士には、それほど違和感は無かったんですけどね。

原作がジョン・ル・カレなので、アクションよりは抑えたリアリティと言うところでしょうか。エスピオナージなので、少し派手なアクションを期待していると、外されます。

タイトル われらが背きし者 / 原題 Our Kind of Traitor

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/イギリス
監督 スザンナ・ホワイト
原作 ジョン・ル・カレ『われらが背きし者』
出演 ユアン・マクレガー(ペリー)、ステラン・スカルスガルド(ディマ)、ダミアン・ルイス(ヘクター)、ナオミ・ハリス(ゲイル)、ジェレミー・ノーサム(オーブリー・ロングリッグ)、ハリド・アブダラ(ルーク)、マーク・ゲイティス(ビリー・マットロック)

スター・トレック BEYOND / Star Trek BEYOND

2016年10月22日 | 洋画(アメリカ系)
ネタバレあり。

クリス・パイン主演のリブート版スター・トレックの第三弾。本作では、これまで監督を務めていたJ・J・エイブラムスは(『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の制作で多忙と伝えられています)プロデュースに周り、ジャスティン・リンが監督を務めています。

この作品では、チェコフを演じたアントン・イェルチンに触れざるをえないですよね。スター・トレックでは、一番若いチェコフで、実際にもまだまだ若いアントンでしたが、ロサンゼルス現地時間の2016年6月19日、自分の車と自宅の門柱に取り付けた郵便受けに挟まれる形で亡くなってしまったんですよねぇ。残念。とくにこの作品でアントン演じるチェコフが、結構活躍していただけに、余計に残念です。画面で活躍する彼の姿をみて、不覚にも泣きそうになってしまいました(苦笑)

それと、オリジナルでスポックを演じたレナード・ニモイにも触れざるをえないですよね。彼は、2015年2月27日に亡くなったのですが、劇中、ザッカリー・クイントのヤング・スポックに、彼の将来の姿の老スポックの死が伝えられるシーンが有るんですが、それは、レナード・ニモイが亡くなったことを暗喩していたのかもしれません。

レナード・ニモイ、アントン・イェルチンの二人については、最後にクレジットが出ていました。

さてその他ですが、今回もクリス・パイン頑張っています(笑)。まるで、ミッション・インポッシブルでのトム・クルーズのよう(苦笑)。でも冷静に考えてみて、いくら指揮官先頭とは言え、最先任指揮官が、非常に危険な任務に自ら挑んでいくのは、連邦艦隊のような階級的組織としては、いかがなものですかね?

いやぁ、監督がJJではなく、ジャスティン・リンだと言う事で、一体どうなるのかと思ったのですが、杞憂でした。まぁ、JJも制作に入っていますしね。それと、ジャスティン・リンも、『ワイルドスピード』シリーズで、何作か監督を務めている位ですから、こう言うアクション系は、得意なんですね。

元々のスター・トレックもそうなのですが、この作品もどんどん続いていくようです。次が楽しみです。

タイトル スター・トレック BEYOND / 原題 Star Trek Beyond

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/アメリカ
監督 ジャスティン・リン
出演 クリス・パイン(ジェイムズ・T・カーク)、ザッカリー・クイント(スポック)、ゾーイ・サルダナ(ニヨータ・ウフーラ)、サイモン・ペッグ(モンゴメリー・“スコッティ”・スコット)、カール・アーバン(レナード・“ボーンズ”・マッコイ)、アントン・イェルチン(パヴェル・チェコフ)、ジョン・チョウ(ヒカル・スールー)、イドリス・エルバ(クラル)、ソフィア・ブテラ(ジェイラー)、ディープ・ロイ(キーンサー)

ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ / Genius

2016年10月10日 | 洋画(アメリカ系)
実在の作家トーマス・ウルフと実在の編集者マックス・パーキンズの友情を描いた作品。

作家は名前が出ますが、編集者は名前がでません。でも、作家の名作の裏には、名編集者ありということが良く分かる作品ですが、これ、邦題だと『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』となっていて、マックス・パーキンズを描いた作品のように思えますが、実際には原題の『Genius』の通り、トーマス・ウルフを描いた作品だと思います。完全に、邦題あるあるです。

と言う事で、やっぱりウルフは(原題の通り)天才だったんだと思います。天才であるがゆえに周囲に理解されない。ちょっと判ってくれる人(マックスやアリーン)が出たと思ったら、執着してしまう。それと、才能に恵まれているのに、若くして亡くなってしまう。ウルフに、もう少し常識があって、もう少し社会性があって、もう少し社交性があったのであれば、もっともっと成功していたのでは無いかと思いました。でも、ウルフの亡くなった理由が脳腫瘍と言うことでしたので、彼の衝動的な行動の遠因は、脳腫瘍にあったのかもしれませんね。

加えて言うと、恋人のアリーン・バーンスタインもウルフには合わなかったんじゃないかなぁ。18歳も年上であったということだそうですが、彼女の衝動的な性格は、ウルフに良い影響を与えたとは思えません。もしかしたら、彼女も天才で、天才と天才で惹かれ合ったのかもしれませんが、CHEMISTRYは上手く行かなかった様に見えました。

対する“大人の”マックス・パーキンズ。彼を演じたのはコリン・ファースですが、大人の紳士を非常に上手く演じていますね。抑えた演技は、非常に良かったです。彼で、この作品は締まりましたね。

F・スコット・フィッツジェラルドや、アーネスト・ヘミングウェイなど、後世に名を残している名作家も出ています。このパーキンズと言う編集者は、超一流だったんですね。

タイトル ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ / 原題 Genius

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/イギリス・アメリカ
監督 マイケル・グランデージ
原作 A・スコット・バーグ『名編集者パーキンズ』
出演 コリン・ファース(マックス・パーキンズ)、ジュード・ロウ(トーマス・ウルフ)、ニコール・キッドマン(アリーン・バーンスタイン/ウルフの恋人)、ガイ・ピアース(F・スコット・フィッツジェラルド)、ローラ・リニー(ルイーズ・パーキンズ/マックスの妻)、ドミニク・ウェスト(アーネスト・ヘミングウェイ)

グッドモーニングショー

2016年10月09日 | 邦画
朝の情報番組のメインキャスターの不運な(?)一日を巡る物語。

制作にフジテレビが参加しています。そのため、制作に際しては、フジテレビの朝の情報番組『めざましテレビ』が参考にされています。監督の君塚良一、主演の中井貴一が、実際に『めざましテレビ』を見学しています。

その他、長澤まさみのアナ連については、フジテレビの山﨑夕貴アナウンサーが協力しています。画面にチラッと写った長澤まさみ演じる小川アナの原稿は、山﨑アナの手によるものらしいです。

話半分かもしれませんが、実際の番組制作も、こんな感じで進んでいるらしいです。女性アシスタントがハイヒールを脱いで走ったりね。この作品では、人質事件が起きているので通常より緊迫しているということもあるんでしょうが、それを差し引いても次から次へと変更があるのは、中々緊張しますね。

エンターテイメント作品として、中々面白いと思います。

タイトル グッドモーニングショー

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/日本
監督 君塚良一
出演 中井貴一(澄田真吾)、長澤まさみ(小川圭子/サブキャスター)、志田未来(三木沙也/新人女子アナ)、池内博之(秋吉克己/チーフディレクター)、林遣都(松岡宏二/報道担当)、梶原善(館山修平/特集担当)、木南晴夏(新垣英莉/芸能グルメ担当)、大東駿介(府川速人/中継担当)、濱田岳(西谷颯太/立てこもり犯)、吉田羊(澄田明美/慎吾の妻)、松重豊(黒岩哲人/警察特殊班)、時任三郎(石山聡/プロデューサー)

ジェイソン・ボーン / Jason Bourne

2016年10月08日 | 洋画(アメリカ系)
ジェイソン・ボーンが帰ってきました!

前作『ボーン・レガシー』は、“ボーン”の名が付くものの、ジェイソン・ボーンは出てこず、ジェイソン・ボーン外伝の様なものだったので、ジェイソン・ボーンが出て来る作品となると『ボーン・アルティメイタム』以来の9年ぶりになります。

マット・デイモンも、もう45歳ですからねぇ。そろそろ激しいアクションは大変になってくるんではないかと思うんですが、そんな雰囲気は全く感じません。伝説の工作員ジェイソン・ボーン健在です。

でも、ニッキー・パーソンズは出てきますが、それ以外にこれまで出てきていた人物は出てきません。「トレッド・ストーン作戦」などのこれまでの設定は生きていますが、リブートしたジェイソン・ボーンと考えてもいいかもしれません。

アリシア・ヴィキャンデルの演じるヘザー・リーは、若い上に極めて野心的。ワイルドカードですね。危険です。

物語終盤のカーアクションは、凄いの一言。あれは、どうやって撮影したんでしょうね?やっぱり、通りを封鎖して車を並べて・・・。うーん、凄い。年齢の話をしてゴメンナサイ、マット・デイモン。

スゴカッタです。次に続く事は可能ですが、どうなるのか。

タイトル ジェイソン・ボーン / 原題 Jason Bourne

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/アメリカ
監督 ポール・グリーングラス
出演 マット・デイモン(ジェイソン・ボーン)、トミー・リー・ジョーンズ(ロバート・デューイ/CIA長官)、アリシア・ヴィキャンデル(ヘザー・リー/CIAサーバー部長)、バンサン・カッセル(作戦員)、ジュリア・スタイルズ(ニッキー・パーソンズ)、リズ・アーメッド(アーロン・カルーア)、アトー・エッサンドー(クレイグ・ジェニファーズ/デューイの腹心の部下)、スコット・シェパード(エドウィン・ラッセル/国家情報長官)、ビル・キャンプ(マルコム・スミス)、ビツェンツ・キーファー(クリスチャン・ディソルト)、スティーブン・クンケン(バウマン)

コロニア / Colonia

2016年10月01日 | 洋画(その他)
注意!
ネタバレあり。

事実に基づく作品。1973年にチリのピノチェト独裁政権下の「コロニア・ディグニダ」で置きた、監禁、拷問事件を描いている。

一番怖いのは、物語終盤の出来事。レナとダニエルが「コロニア・ディグニダ」からやっと逃げ出して、自国ドイツの大使館に逃げ込んだのに、いざチリから出国という所で、騙される形で「コロニア・ディグニダ」に引き渡されそうになった所。「コロニア・ディグニダ」は、チリの色んな所に影響力があったと言う事もあるんでしょうけど、映画では描かれていませんが、「コロニア・ディグニダ」の“教皇”パウル・シェーファーが元ナチ党員であったという事も無関係ではないでしょうね。

もう一つ怖いのが、レナとダニエルの文字通りの必死の脱出の結果、「コロニア・ディグニダ」での出来事が明らかになったにも関わらず、1997年になるまで、当局からなんら追求されなかったこと。追求することを期待される当時のチリ政権と一心同体だったからでしょうね。

この「コロニア・ディグニダ」事件で更に怖いのが、この作品を見た後、インターネット上の巨大百科事典サイトで「コロニア・ディグニダ」の事を調べてみたら、これの後継組織が、名前を変えていまだに存在していること!怖いね。日本でも、名前を変えて存続し続けるカルト組織がありますが、それと同じですね。

本当は、ハーマイオニーがハードな役をやっている所に注目すべきなのかもしれませんが、内容があまりにも怖いので、そっちばかり目がいってしまいました。

タイトル コロニア / 原題 Colonia

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/ドイツ・ルクセンブルク・フランス
監督 フロリアン・ガレンベルガー
出演 エマ・ワトソン(レナ)、ダニエル・ブリュール(ダニエル)、ミカエル・ニクビスト(パウル・シェーファー)、リチェンダ・ケアリー(ギゼラ)、ビッキー・クリープス(ウルセル)、ジャンヌ・ウェルナー(ドロ)

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years / The Beatles: Eight Days a Week - The Touring Years

2016年10月01日 | 洋画(イギリス系)
オノ・ヨーコやポール・マッカートニー、リンゴ・スターの協力の下に制作された、ザ・ビートルズの公式ドキュメント映画。

ビートルズのヒットナンバー満載ですよ。って言うか、わたしが生まれる前の出来事のはずなのに、出て来る曲の殆どが判るというのはどういう事なんでしょうね?やっぱりビートルズは、50年の時を経てまで影響力が有る、唯一無二で空前絶後のグループだったということなんでしょうね。

公式ドキュメント映画なので、ネガティブなことについてはあまり触れられていません。その一つが、“5人目のビートルズ”の事。メジャーデビュー前に居たはずのメンバーに全く触れていません。そうなっちゃうのかな。

それと、後に『ビートルズを解散させた女』と非難される事にもなるオノ・ヨーコについても、全く触れていません。彼女に関しては、この作品の制作に協力しているので当然なのかもしれませんが、それでも、ビートルズの後半の活動に関しては大きな影響があったと思うんで、なにがしら触れても良かったんじゃないかと思いますがね。

この作品で描かれているのは、メジャーデビューの頃から、ライブ活動を止めてしまうまでの頃で、ライブ活動終了後から解散までの活動についてはほとんど描かれていません。唯一とも言っていい映像は、『ルーフトップ・コンサート』と言われるアップル社の屋上での映像のみ。あれを見ると「彼らは本当は自由に音楽を奏でたいんだな」と言う気持ちになりますね。束縛なく演奏している彼らは楽しそうでした。

それと思ったのは、ビートルズだけではなく、多くのバンドやグループ、歌手に当てはまることだと思うんですが、デビューしたての頃は、只々音楽が楽しくて、みんなに自分の音を聞いてもらうのが楽しくているんですが、商業的に成功すると、業界の様々なしきたりや、群がってくる有象無象から、いろんなプレッシャーを受けたり、自分自身でしがらみを感じたり、あるいは、音楽性に迷ってしまったりするんだなぁと。ビートルズの場合も、始めの頃は本当に楽しそうに演奏しているんですが、後半のライブ活動を止める頃になってくると、なんか苦しそうに演奏しているように見えました。

本編終了後、1965年のニューヨーク、シェイ・スタジアム公演の映像が流れますので、本当に最後になるまで席を立ってはいけません。

いやぁ、でも、数々のヒットナンバーを聞いて気分が高揚してしまいました。ビートルズファン必見です。

タイトル ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years / 原題 The Beatles: Eight Days a Week - The Touring Years

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/イギリス
監督 ロン・ハワード
出演 ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター、ブライアン・エプスタイン、シガニー・ウィーバー、ウーピー・ゴールドバーグ、エルビス・コステロ、浅井慎平