勝手に映画評

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黄金のアデーレ 名画の帰還 / Woman in Gold

2015年12月12日 | 洋画(イギリス系)
画家グスタフ・クリムトの『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ』他の作品の所有権を巡って実際にあった裁判と裁判を起こした女性の運命の物語を描いた作品。

この映画を見るまで、クリムトという画家の名前も、この様な裁判が行われていたことも全く知りませんでした。クリムトの件はさておき、今年2015年は、第二次大戦を舞台にした作品が多いですね。欧米然り、日本然り。やはり、戦後70年という節目の年だからでしょうか?

それにしても、所有権を主張したマリアは良いですが、彼女が組んだ弁護士が若手で実績がなく、崖っぷちの弁護士であるというのは、まるでドラマであるかのような設定ですね。いや設定ではなく、本当なんですけどね。

この作品『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ』の所有権移転が実現した大きな理由の一つに、弁護士のランドル自身も実はウィーンにルーツを持つユダヤ人の家系であったと言う事もあったと思います。確かに最初は、お金と有名になれるという打算的な理由でランドルは取り組み始めていましたが、ウィーンに行ってホロコースト記念碑を目にしてからのランドルは、何かが変わったようでした。ランドル自身も、それで課題意識を強く持ったんだと思います。

それと主人公のマリアを演じたヘレン・ミレンは外せませんね。イギリス女王を演じたり、今回のようにオーストリアの名家の人物を演じたりと、変幻自在の演技は素晴らしいです。

いやぁ、最後のマリアのオーストリア側の弁護士へのセリフは痛快でしたね。そりゃそうだよな。まぁ、あの弁護士も恥を忍んでいったんだと思いますが、それが受け入れられると思っていたのは、思い上がりですね。

中々面白かったです。

タイトル 黄金のアデーレ 名画の帰還 / 原題 Woman in Gold

日本公開年 2015年
製作年/製作国 2015年/イギリス・アメリカ
監督 サイモン・カーティス
出演 ヘレン・ミレン(マリア・アルトマン)、ライアン・レイノルズ(ランドル・シェーンベルク)、ダニエル・ブリュール(フベルトゥス・チェルニン)、ケイティ・ホームズ(パム・シェーンベルク/ランドルの妻)、タチアナ・マズラニー(若い頃のマリア・アルトマン)、マックス・アイアンズ(フリッツ/マリアの夫)、チャールズ・ダンス(シャーマン/ランドルの上司)、エリザベス・マクガバン(フローレンス・クーパー/判事)、ジョナサン・プライス(レンクイスト/アメリカ合衆国連邦最高裁首席判事)、フランシス・フィッシャー(バーバラ。シェーンベルク/ランドルの母、マリアの友人)


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