勝手に映画評

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ハロルドが笑う その日まで / Her er Harold

2016年04月17日 | 洋画(その他)
IKEAが進出したあおりを受けて閉店に追い込まれた、ノルウェーの地方都市の家具店店主によるIKEA創業者誘拐の顛末を描いたドラマ。

日本ではイオン、アメリカではウォルマート、北欧だとIKEAなんですかね?いわゆる、地方都市の地場の商店に嫌われる大型チェーン店は。確かに、地道に家具を売ってきた地場の家具店の人にしてみれば、粗製濫造のIKEAの家具は腹に据えかねるものでしょうね。買う側からしてみると、それなりのデザインで、低価格なのでお手頃なんですけどね。劇中のカンプラードの口から言わせていますが、「時間が経つと壊れる」ものなんですけどね。

それと、「お腹がすいた」と言うカンプラードに「ミートボール」と言わせているのは、皮肉なんでしょうね。って言うか、そもそもスウェーデンだったら、こんなストーリーの映画は作られなかったのだと思いますが、先の「時間が経つと壊れる」とか「ミートボール」とかもそうですし、メディア戦略とかを創業者の口から言わせているのは、ノルウェー人にもIKEAの事を快く思っていない事があるということの現れなんだろうなぁと思いました。実名で「ナチ」だとか「児童労働」だとか、実際に指摘されていることではありますが、母国ではここまで描けないでしょうからね。

もう一つ気になったのが、ハロルドの奥さん。認知症として描かれているんですが、やっぱり北欧でも認知症そのものと、認知症を患った妻(あるいは夫)を老いた夫(あるいは妻)が介護する老々介護って、問題になっているんでしょうね。そうでなければ、あそこまで普通に描かれないですよね。

IKEA創業者を誘拐することで問題が解決したわけではないですが、問題解決への糸口を掴んだのだと思います。スウェーデンに対するノルウェーの見方とか、北欧での認知症・老々介護の問題とか、色々と社会を見た気がします。

タイトル ハロルドが笑う その日まで / 原題 Her er Harold

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2014年/ノルウェー
監督 グンナル・ビケネ
出演 ビョルン・スンクェスト(ハロルド)、ビヨルン・グラナート(イングヴァル・カンプラード/IKEA創業者)、ファンニ・ケッテル(エバ)


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