勝手に映画評

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ヒトラーに屈しなかった国王 / Kongens nei

2017年12月23日 | 洋画(その他)
事実を下にした作品。

第二次大戦初期、ナチス・ドイツがノルウェーに侵攻。戦力に勝るナチス・ドイツは、ノルウェー政府及びノルウェー国王に、ナチス・ドイツの要求に従うように求められるも拒否し、後にノルウェー国王はイギリスに亡命すると言うのは史実な訳ですが、この作品は、そのナチス・ドイツによるノルウェー侵攻のごく初期の3日間を描いた作品です。

この作品を見て、改めて思ったのは、“ノルウェーの歴史って、意外に短い”と言う事。スウェーデンとの同君連合を解消して、ノルウェーが独立国家として成立したのは1905年なんですよねぇ。実は、アメリカよりも、ずっと短い。それ以前にも、同君連合ではありますが、国家としては存在していましたけど、独立の国家では無かったわけですよねぇ。それ以前には、デンマークの支配を受けていたと言う時代もありますし。それらも史実な訳で、そう言う事があった事は認識していましたが、第二次大戦と言う大きな出来事を前にして改めて振り返ると、意外に最近なんだなぁと認識を新たにしました。今の国王陛下(映画の中では、ハーラル王子として登場)で、まだ3代目ですからねぇ。

劇中で、国王と衝突する事もある王太子のオーラヴは、国王に即位後、自らに護衛を付けないことについて「私には400万人のボディガードがいたからね」と述べた人物としても知られています。当時のノルウェーの人口は約400万人であったので、オーラヴ国王は、ノルウェー国民全員が護衛であると言ったことになります。

また、こちらも劇中で、デンマークが早々にナチス・ドイツに降伏してしまっていることが描かれていますが、本作のホーコン7世の兄である、デンマーク国王のクリスチャン10世は、デンマーク降伏後もデンマーク国内にとどまり、ナチス・ドイツに対して有形無形の抵抗をした事で知られています。

いやぁ、それにしても、立憲君主制で実権は無いとはいえ、非常事態には、なぜだか国民国家は、こう言う高貴な方に頼る訳で、そのプレッシャーたるや如何ばかりか。劇中でも、ドイツ公使の要求をはねつけるに際して、その苦しい思いを吐露していますね。この物語は、あくまでも映画で、ドキュメンタリーではありませんが、実際の国王もそのように思ったのでは無いでしょうかね?この国王が居たので、今のノルウェーが築かれたんだなと言う気がしました。

タイトル ヒトラーに屈しなかった国王 / 原題 Kongens nei

日本公開年 2017年
製作年/製作国 2016年/ノルウェー
監督 エリック・ポッペ
出演 イェスパー・クリステンセン(ホーコン7世)、アンドレス・バースモ・クリスティアンセン(オーラヴ王太子)、カール・マルコビクス(クルト・ブロイアー/ノルウェー駐在ドイツ公使)、カタリーナ・シュトラー(アンネリーゼ・ブロイアー/クルト公使の妻)、ツバ・ノボトニー(マッタ/ノルウェー王太子妃)、ユリアーネ・ケーラー(ダイアナ・ミュラー/ドイツ公使館秘書)、アルトゥル・ハカラフティ(フレドリク・セーベル/ノルウェー軍二等兵)、スベイン・ティンドベルグ(ペーデル・ベーデル・ヤールスバーグ)、ケティル・ホーグ(ハルヴダン・コート/外務大臣)、ゲラルド・ペッテルセン(ヨハン・ニューゴースヴォル/首相)、ヤン・フロスタッド(C・J・ハンブロ/国会議長)、エリック・ヒビュ(ビルゲル・エリクセン/オスカシボルグ要塞司令官ノルウェー海軍大佐)、ソフィー・ファルクゴール(ラグンヒルド王女)、イングリッド・ロス・ラフテモ(アストリッド王女)、マグヌス・ケーティルソン・ドビー(ハーラル王子)、ロルフ・クリスチャン・ラーセン(ブリニャル・ハンメル/ノルウェー軍軍曹)


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