河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

二関節筋のEMS

2009-12-14 | CKCトリビア
これまでの研究では静止肢位において大腿直筋やハムストリングを電気刺激して様々な知見を得た。
中でも、立位でハムストリングを電気刺激すると膝伸展が起こるというのはやっていて楽しい実験であった。

ただ、これら一連の実験については本当にハムストリングの作用で膝伸展が起こっているのかという疑問が常について回る。
要するに、電気刺激で何らかの反射が誘発されて大腿四頭筋が働いているのではないかという疑問である。
実際に、今回の発表でも同じ質問があった。
これについては、近い将来研究資金が調達されたら新しい計測システムを組んで、電気刺激中の各筋の活動状態を検証する予定である。
実は昨年もこの内容を含む課題を科研費に応募していたのだが落ちてしまったのだ。
今回の臨床歩行分析研究会定例会での発表では座長の金先生から、大腿四頭筋を取り除いてハムストリングだけにした解剖モデルで実際に膝伸展が確認されたという研究結果の援護射撃もあったが、最終的には実際の生体での筋収縮を筋電図で確認することが必要と考えている。
そのためには電気刺激中に筋電位の計測ができる装置を製作しなければならない。

この研究は来年4月の科研費の採否の結果待ちであるが、これから実施しようとしているのは歩行などの動作中に二関節筋を電気刺激するというものである。
この目的のために1chのポータブルEMS装置を4台製作した。
フットスイッチとハンドスイッチを使えるもので、様々な設定で電気刺激が行える。
この年末から実験を開始したところである。

この装置にはゼミ生が早速名前をつけてくれた。「KPP」である。
「河村ピリピリ」の略らしい。


コメント (1)
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