河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

臨床歩行分析研究会定例会

2009-12-13 | 研究・講演
今回の定例会では下記の発表を行った。

筋電気刺激による荷重立位でのハムストリングの膝伸展作用の解析
○梅居 洋史1),河村 顕治2),酒井 孝文1),宮地 司1)3)
山下 智徳1),篠塚 晃宏2),河原 由依2),倉益めぐみ2)
1)吉備国際大学大学院保健科学研究科
2)吉備国際大学保健科学部理学療法学科
3)林整形外科

[目的] 膝関節屈曲角度を変化させた荷重立位において、両下肢のハムストリングへ電気刺激を行い、ハムストリングスの膝関節伸展作用の解析を行った。
[対象と方法] 対象は、本研究開始前に電気刺激に対して十分に慣れ、その反応が安定した健常若年男性1名を対象とした。計測は、荷重立位で膝関節の屈曲角度を65°から5°ごとに伸展させ、30°までの8条件を行った。全ての計測開始肢位は、側面から観察して被験者の体幹と下腿が平行になるようにし、床反力は足部中央から立ち上がるように設定した。その後、被験者の両下肢ハムストリングの内外側に刺激電極を貼付して刺激を加えた。電気刺激の強度は被験者が苦痛を感じない最大の強度とした。そして、1条件ごとの股、膝関節の角度変化を解析した。
[結果] 膝屈曲角度65°から45°までは、膝関節が屈曲へ作用したが、40°から30°では膝関節が伸展した。股関節は、全ての条件において伸展に作用した。
[考察]荷重立位の状態では、開運動連鎖の状態とは異なり、ハムストリングは膝関節に対して伸展作用を有することが確認できた。したがって、立ち上がり動作において、これまでハムストリングには大腿四頭筋と同時収縮することで膝関節保護の役割があるとされてきたが、それ以外に膝伸展にハムストリングが積極的に作用している可能性があると考えられる。また、歩行においても立脚初期にハムストリングが股関節と膝関節を同時に伸展することで、体幹を安定させている可能性があると考えられる。



シンポジウムとして下記2題の講演があった。 

歩行と運動連鎖
 文京学院大学 山凬 敦先生

ハイヒール歩行の難しさ
 九州中央リハビリテーション学院 国中 優治 先生
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プレカンファレンス

2009-12-12 | 研究・講演
文京学院大学ふじみ野キャンパスに昼過ぎに到着し、私の任期で最後の運営委員会に参加した。
年2回の開催で、今年で4年目になる。
1期2年で2期運営委員を務めたことになる。
たいした仕事はしなかったが少し肩の荷が軽くなった。

その後、講演が2つあった。

知覚の観点からみた歩行の制御とリハビリテーション
 首都大学東京 樋口 貴広 先生

 先日、別の講演会で右大脳半球損傷の左側無視の患者にプリズムを使って良い治療成績を上げているという話を聞いて、興味を持っていたので、この講演はおもしろかった。
足圧分布計測のできるトレッドミルを応用して何か研究をできないだろうかと考えながら講演を聴いた。


歩行動作分析から生まれたウォーキングシューズの開発事例
 ミズノ株式会社 尾田 貴雄 先生
 
 ミズノ・ウォーキングシューズ開発のあらましを聴いて、その運動シューズを買ってみようかと思った。ふだん履き物にはあまりこだわらないのだが、やっぱりもっと良い靴を履かないといけないかななどと考えながら講演を聴いた。
ちなみにミズノでは吉備国と同じ3次元動作解析システムを使っている。
親しみを感じた。



その後の懇親会では、全国での理学療法を巡るいろいろな動きの情報を得た。


明日は定例会本番で、大学院生の梅居君が発表を行う予定である。
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臨床歩行分析研究会定例会

2009-12-12 | 研究・講演
今日はこれから定例会に参加するため埼玉へ出発する。
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Windows7インストール

2009-12-09 | 大学
大学の研究室で使っている自作WindowsマシンにWindows7をアップグレードインストールした。
結果、なかなか良い。
何となくシンプルで動作がきびきびしているような感じだ。

これまで、この自作マシンはトラブル続きで音が出なかったり、DVDが再生できなかったり調子が悪かった。
自作以来だいぶ時間が経つが、やっと使用に耐える環境になってきた。

とはいいながらほとんどの作業はMacでこなすので、やはりサブ的な使い方しかしそうにないが、Windowsマシンが1台ないとデータのやりとりなどで困ることがある。

ちょっとずつWindows7に慣れていくようにするつもりだ。
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岡山大学医学部で講義

2009-12-08 | 大学
本日は非常勤講師として岡山大学医学部で医学部4年生に講義を行った。
講義タイトルは「運動機能学」で、整形外科の系統講義の一環としての講義である。
医学部学生も、入学者の約30%程は物理学を学ぶことなく入学してきているとのことで、運動学の講義は重要と考えている。
何しろ、彼らが卒業後はリハビリテーションのプロである理学療法士や作業療法士に指示を出すのであるから、全く運動学の知識がないというのは困るのである。

今年は1時限目に講義が当たってしまったので、予想通り講義開始時には出席者が少なかった。
医学部は今になっても出席を取ることはしていないらしい。
勝手気ままに来たい学生は来るし、朝寝したい学生は下宿で寝ている。
それでも講義開始とともにぽろぽろと集まり、講義終了時にはかなりの学生が出席していた。
少なくとも私が学生だった頃よりは出席状況は良好のようだ。

講義は昨年の講義を踏襲して、あまり専門的なことに踏み込まず、一般的な内容とした。
さらに、将来役に立つように、頻度の高い膝疾患と腰痛の運動療法の話を盛り込んだ。

講義終了後には数人の学生が質問に来たので、それなりに内容は受け止めてくれたのではないかと期待している。


今日の非常勤講師手当は後日振り込まれるのだが、今夜は大学のゼミ生を焼肉に連れて行かなくてはならないので振り込まれる前から雲散霧消である。

大学からは外部の非常勤講師は年に1度といえどもあまり肯定的に受け止められていないのだが、外で稼いできて本務校の学生に奢るのであれば大学に貢献していると言えるのではないだろうか。

そんなことはともかく、私は自分の後輩たちに講義ができるのであればただでも引き受けるつもりである。
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第29回中国四国リハビリテーション医学研究会

2009-12-06 | 研究・講演
第24回日本リハビリテーション医学会中国・四国地方会
第29回中国四国リハビリテーション医学研究会
テーマ  「-リハビリテーションの多様性-」
会 場:(財)倉敷中央病院 大原記念ホール

講 演:「右半球損傷患者のリハビリテーション」

           国際医療福祉大学大学院リハ学領域教授 前田 眞治 先生  

    「回復期リハビリテーション病棟における運動器疾患」

           小倉リハビリテーション病院副院長 梅津 祐一 先生

大会長:伊勢 眞樹先生


今回は座長の他、2演題の共同演者として発表を行った。

骨粗鬆症患者の体幹筋力における脊柱変形および骨折との関連
倉敷紀念病院リハビリテーション科1,倉敷紀念病院骨粗鬆症内科2,
吉備国際大学保健科学部理学療法学科3
○井上 茂樹1,瀬凬 達雄2,平上 二九三3,河村 顕治3 他

荷重立位前後揺動刺激と筋電気刺激による高年者筋力トレーニング法の小経験
岡山済生会総合病院リハビリテーションセンター1
吉備国際大学保健科学部2
○二宮 直子1,藤井 俊宏1,河村 顕治2


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骨粗鬆症学術講演会

2009-12-03 | 研究・講演
夜、岡山市内で骨粗鬆症学術講演会が行われたので、夕方のゼミを早めに切り上げて参加した。

講演は4つほどあったのだが、一番参考になったのは倉敷中央病院整形外科 副院長 松下 睦 先生の講演であった。
「新鮮骨脆弱性骨折の診断の要点は?」と題して、骨粗鬆性の診断がつけがたい骨折のお話しであった。

私も、臨床で感じていることであるが、MRIが簡単に撮影できるようになって、これまでは骨折と気付かなかったもので実際には骨折していたという症例が増えている。
特に脊椎圧迫骨折でそのような骨折が多い。
高齢者で転倒などの明らかな誘因がなくてぎっくり腰のような痛みを訴えるケースはほとんどが圧迫骨折を起こしているのだそうだ。
見逃して安静が保てずに、偽関節となり後になって遅発性の麻痺を来す症例も多いとのことなので気をつけなければならない。

懇親会では数年ぶりにお会いする先生も数人いて、よい機会であった。
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研究所は電気代がかかる

2009-12-02 | 保健福祉研究所
年度末の研究費の執行で一番苦労するのが補助金がらみの研究所の運営である。
なかでも電気代が問題で、あまりにも高いので私はメーターの検針か計算のミスではないかと疑っていた。

事務局長を通して、細かく検針作業をしてまちがいがないかどうかの確認を過去1ヶ月やってもらった。
中国電力や中電工の担当者にも来てもらって、電気代の検討会議を行った。
結果は、これまでの結果がまちがっていないということに落ち着いた。

だいたい、保健福祉研究所全体で1年間電気代が400万から500万円の間でかかる見込みである。
人間は夏暑いのも冬寒いのも我慢しているので、決して電気代を無駄使いしているわけではない。
大部分は動物飼育室の環境を快適に保つのにかかる費用である。
大きな機械室で大きな機械がぶんぶんと24時間うなっている。

これはもう仕方がない。
計測ミスでも計算まちがいでもなく研究にはこれだけの経費がかかるのである。

2年後、補助金が切れたときのことを考えると目の前が真っ暗になった。
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師走入り

2009-12-01 | 大学
まだまだやり残したことがたくさんあるのにもう12月に入ってしまった。
年度末になると慌ただしくなるのが予算の執行である。
本学では10万円以上の高額物品に関しては基本的に年内に稟議書を出しておかなくてはならない。
本当は講義が終わった後の2月、3月にゆっくり研究の仕上げをしたいのだが、ゆっくりしていると3月末までに会計処理が終わらないのである。

そんなわけで、今日になってにわかに物品購入要望書をたくさん書き始めた。
予算は足りなくなってはいけないし、余すことも問題が生じるので、ぴったり使い切るというのが毎年の課題なのである。

年末になると来年度のカリキュラムの編成作業なども始まるし、研究成果の登録など、次から次から仕事がやってくる。

早速、今日、講演依頼が来た。
来年の日本リハ医学会は鹿児島で行われるが、初日に第1会場でシンポジウム
「温泉・温熱の先端科学をリハビリテーションへ」が開催され、その後に私に講演をという依頼である。

講師:河村 顕治
日程:H22年 5/20(木)17:00~18:00(予定)
会場:鹿児島市民文化ホール第1会場
演題名:「変形性膝関節症におけるCKC運動の効果(仮題)」
座長:未定

担当の鹿児島大リハビリテーション科 下堂薗 恵先生から事前に問い合わせがあったのだが、まさかそんなおおげさな講演だとは思っていなかった。

ちょっと責任重大である。
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