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イエローカードはぼくらの旗印 沢田俊子 京都新聞出版文化センター

2011年04月01日 05時33分23秒 | 創作・本の紹介
とんぼ先生の新刊。
脳性まひの雄也が、電動車いすサッカーで成長していくノンフィクション。

法人の幹部会前に読んでいたらほろっと泣いてしまって皆に「どうしたんだ」っていう顔をされた。
こういう子をたくさん診てきた。
雄也にいろんな子の顔が重なってしまう。

障害者スポーツの中でも、電動車いすサッカーは特殊。
病気も障害の種類も、性別も年齢も問わない。
その人の能力を使って電動車いすをコントロールすればいい。
座れなくて寝たままの人でも。

相手チームにぶつかると反則のイエローカードをもらう。 
雄也と同じ脳性まひの遼太はいう。
「イエローカードにびくついていたら、何もできひん。雄也、イエローカードをぼくらの旗印にせえへんか?」

--「それにな、脳性まひのぼくができるスポーツって、ほかにないんや」
  本当にそうだ。
  ぼくたちには、パラリンピックに出場する選手のように人並はずれた才能もないし、体力もない。
  選ばれたわけでもない。ごく普通の障害児だ。
  そんなぼくらができる団体競技は、電動車いすサッカーしかないのだ ---

監督の「イエローカードをもらってこい」の言葉は、「失敗を気にせず、思うように動いていいぞ」という指令だ。
京都に発足したチーム「SONIC」の物語が語られ、どうなっていくんだと読み進んだ。
ちりばめられた数々の写真もすばらしい。

そして最後のところで、雄也や他の障害者たちがどういうことで困っているかが具体的に語られる。
ポストや自販機の高さや使いにくさ、スロープがあれば、などなど。
お役所の方々もきっと読んでくれるご本だ。
しっかり、バリアフリーの街への提言になっている。

とんぼ先生、ありがとうございました!
このご本を手渡したい子がたくさんいます。
現地の小児科医によれば、あまり表面には出てきませんが被災地の障害児たちは想像以上に辛い思いをしているようです。
このご本、いっぱい増殖させていきますね!

人を勇気づける本って、ほんとうにすばらしい。
今日もびよよよ~~ん (*^ __ ^*)



 
コメント (2)
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