
表紙は、ルノワールの絵「舟遊びの人たちの昼食」の一部分。
奥付には、昭和39年12月20日発行とある。
新潟の実家の家屋を解体する時、探し出して秋田に持って来た本。
自分の根っこはここにあると思っている。
なにしろ、何百回読んだかわからない。
母の実家の本棚にあって、譲ってもらった本だったと思う。

家なき子も、ボードレールも、昆虫記も、面白かった。

でも、いちばん繰り返し読んだのは、「家なき娘」。
1978年に「ペリーヌ物語」としてアニメ化されている。
父と母を亡くしても、たくましく生きる姿がたまらなく好きだった。
津田穣訳・おのちゅうこう文。
今は亡きおのちゅうこうさんは、児童文芸家協会の大先輩。

主人公のペリーヌは、葦で靴底を編んだり、わずかな給金で布を買って自分でシュミーズを作る。
フライパンはなくても、池の小鴨の卵を焚き火の灰で半熟卵にして料理する。
一番印象に残っているのは、こんなサバイバル生活の様子。
最後はお金持ちの祖父が、ペリーヌは孫だと知ってめでたしめでたし。
子どもの自分に戻って、セピア色の本からたちあがる空気の中に身を置いてみた。
物語のわくわくもすてきだったけれど、私が何度も何度も読んだのは、細部。
読みながら自分がペリーヌになって、布を値切ったり、半熟卵を作ったりしていた。
それがすんなりやれたのは、すうっと自然に理解できる描写があったから。
saffiさまの「坊ちゃん」も、原作をよりわかりやすく子どもに届きやすく書かれたもの。
津田穣さんの原訳も見つけたけれど、文学的ではあるけれど子どもには伝わりにくい文章だったし。
自分にも、何十年後にもこうしてだれかが懐かしむ本が書けるかな。
書けるといいな。
毎日小学生新聞の編集者さまから、原稿料執筆者登録票がファックスで届いた。
1月22日からの連載になる模様。
まもなく、全回ぶんのゲラが届くとのこと。
わくわくだなぁ。
今日は秋田市小児科医会の忘年会。
今日もびよよよ~~ん (*^ __ ^*)