川天使空間

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季節風119号

2014年07月19日 05時54分59秒 | 創作・本の紹介
南国の海みたいな、青い表紙の季節風。
26編の投稿作品から厳選された、4短編だけが掲載されている。

「届かなかった手紙」藤野瑞紀
 
 不登校だった子が自立の準備をするとき、アルバムまでゴミ箱に捨てる。
 そのことに、胸を打たれた。
 そして、読まなかったクラスメイトからの手紙たちも捨てるが、
 一通だけ色の違う封筒に目が行く。
 転校生のその手紙には、自分に話したいことがあったのだと知り…。
 いろいろな切なさが胸に迫ってきた。

「ハトポはわるくない?」 春のいわし

 校長のタヌキ先生と、六年生で校長室登校しているタケシ。
 ベランダに巣くったハトを母に捨てられ「ハトポはわるくない」と訴える一年生のまや。
 三人のやりとりが、なんとも、いい。

「レイン、レイン、レイン」松 弥龍

 大好きな担任の古川先生に「家族だと思って何でも相談してください」と言われ、父のいない怜はいろいろ相談する。
 でも相談の約束の時間を50分もすぎてやってきた先生は「なんだまだいたのか、空気読めよ」と。
 悲しくて廊下を走って昇降口を出たら、親友の麻子が怜の手を握り、傘に雨で描き出された絵を見せてくれた。
 松弥龍さまの創作は、いつもやさしい気持ちにさせてくれる。

「30対3」小金重裕
 ブラジル人のちょっと変な友人ラトゥの妹が腎臓病で入院した。
 ひろしは千羽鶴を作ろうと思うが、学級会で提案したら、「お楽しみ会」「千羽鶴」が30対3で負けてしまう。
 けれどお楽しみ会は千羽鶴を作ることになって…。
 大きな声は出せないけれど、クラスには優しい気持ちの子がたくさんいることがうれしかった。

月島晴海さまが「さよなら、ぼくのひみつ」の書評をしてくださった。
「アトピーを抱えた自分をどう受容するのかという点が彼女の悩みの正体であり」という文に、うるうる。

春研のかんだしげるさまの、とても素直な感想に、ぐっときた。
「上手く書こう」という嫌らしさが微塵も感じられない、すてきに素直な文章。
かんださまの作品にもそれがある。
私もこうでなくちゃなと思った。

(私の詩は推敲不足でした、はい)

読みながら、自分には何が欠けているのか考えた。
人を描きたいと思ってもすぐに書けるものではない。
その人がまさにそこにいて動いていることをほとんどリアルにイメージしないと書けるものではない。
まだ喘息があまり良くないのだけれど、釣りに行けるかどうか。
今日もびよよよ~~ん (*^ __ ^*)
コメント (2)
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