またまた、おおぎやなぎちかさまの新作です。
岩手の小さな集落に住む5年生の真(しん)。
東京から来た民俗学者山本さんの甥で同学年の順矢(じゅんや)と夏を過ごす。
真の家は代々河童守をしており、じいちゃんが亡くなったあとは真が、
河童森にある河童明神のお宮に、きゅうりをおそなえしている。
クワガタ取り。蚊帳。はびこる葛の蔓。石投げ。薬袋。
「お前、勇気あるか?」としか言わない、発達障害の大人のかっちゃん。
「真、お前って、もしかしていじめられてる?」と順矢に問われ「うん……、まあ」と答えてしまい。
「 河童守?
一生あそこでいもしない河童を守って生きろって? 冗談じゃない 」
じつは有名子役の進藤順だった順矢は、真のクラスメイトに指摘され、祭りの中で姿を消す。
探し回る人たち。
結局、河童森で順矢をみつけるが、様子がおかしい。
病院で診察を受けると、なぐられたような痕が何カ所もあって。
何もしゃべらないし、反応もなく……。
壊れた順矢は、どうやって元に戻れるのか。
友だちとのつながり、自然とのつながり。
小学生にぜひ読んでもらいたい本だった。
続々と新刊が出版されるおおぎやなぎさま。
ほんとうにすごい!
「ぼく森」に出てくる自然は、ほんとうに身近なもの。
動かなかったセミが飛んで行くとか、カナカナと鳴くヒグラシの声とか。
自分がじつはそれに癒されていることも、本は気づかせてくれた。
いいなあ、こんな本、書いてみたいな。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)