久保田香里さまの平安朝ファンタジー、きつねの橋・第3巻は『玉の小箱』。
第1・2巻がとても面白かったので、きつねの葉月がこんどは何をするのかと、わくわくしながら読み始めた。
主人公は、源頼光の郎党・頼光四天王のひとり、生真面目な豪傑、平貞道。
姫宮に仕える白きつねの葉月による、あやしい出来事に遭遇し続けている。
姫宮に仕える白きつねの葉月による、あやしい出来事に遭遇し続けている。
今回のあやかしは、光る玉が入った小箱だ。
貞道は上京してきた遠助と知り合うが、遠助は開けてはならない小箱を持っていた。
惹きつけられて葉月が思わず小箱を触った時、内裏の庭に火柱が立ち……
今作では、葉月のライバルが現れる。
姫宮の教育のためにやってきた、年とった女房・中務(なかつかさ)の君だ。
葉月は姫君と楽しく遊びたいのに、中務の君は和歌や琴などの姫としての教養を教え込む。
「歌のひとつもよめぬでは、殿方から文がきたときどうします」と。
小箱を拾ったあやめ丸という少女もなかなか楽しいし、
姫宮の庭掃除で、遠助がきちんと片付けた落ち葉をばらまいたり、
枝を地面に刺したりと、相変わらず傍若無人な葉月の行動も楽しくてならない。
手負いの白ギツネ・葉月を貞道が衣の中で抱く時「まるいあたたかみを感じ」っていいな。
キツネの葉月の描写は、貞道が葉月を愛しく思っていることを伝えてくれる。
そしてラストの、驚く展開。すばらしい。
久保田さまの文章は、久保田さまでなければ書けない文章だなと、いつも思う。
折に触れ「あの文章が読みたい」と思う。
久保田香里さま、ますますのご活躍を!
昨日は体調も絶好調で、残していたこといろいろやった。
今日は診療後、小児科学会秋田地方会にWeb参加予定。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)