宵月を蛍袋の花で指す 中村草田男
昨日の夏至の日、野草園で、決まってこのころに姿を見せるホタルブクロ(蛍袋)の白や赤紫の紙でできた提灯のような花たちに出会って、オイラは草田男の詠んだ句を思い出していた。
ホタルブクロの茎を根元のほうから切り取って、まるで小さな提灯をぶら下げた格好で白い花を月に向けるなんて粋であり、絵になる。
ホタルブクロの名のいわれは、多くの図鑑が、昔(といってもいつの昔かわからないが)子供たちがホタルブクロの花の中にホタルを入れて遊んだから・・とまるでメルヘンのように書いているが、それはないだろう。蛍はすぐに逃げてしまうし、もしも閉じ込められたとしてもストレスで、とてもお尻に明かりを灯す気にはならないであろう。
それよりも、昔(江戸のころか)細長い提灯をまるでホタルのような明かりを灯すからそう名付けたというのが正解だろう。
ホタルブクロにも、白いのと赤いのがあって、なんでも白いのは関西に多いとか・・
アジサイの青いのと紅いのとは土壌のPHによるものと最近知ったが、あるいはホタルブクロもそのちがいなのかもしれない。
そういえば、今思い出したが、立山の弥陀ヶ原に紅いチングルマが咲いていたが、それも土壌の酸度のせいかもしれない。
まもなく雨季となる夏至を挟んだ仲夏のころ、少し曇った空模様には、水色、青、青紫、うす紫、白、白みを帯びた薄紅色など、ひとくくりに言えば雨色=水色がよく似合う花たちがひっそりと咲いていた。
白いホタルブクロ
赤いホタルブクロ
白いオカトラノオ
青紫のクガイソウ
葉の先が白い不思議なハンゲショウ(半夏生)
薄紫のオオバギボウシ
やや青いエゾアジサイ
やや赤いエゾアジサイ
葉にやや光沢がある青いガクアジサイ