かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

酸ヶ湯温泉周辺における不都合なニュースと不気味なコメントの傾向

2024-06-25 20:43:31 | 日記

青森県北八甲田の酸ヶ湯温泉からほど近い地獄沼付近で、25日までタケノコ採りの高齢女性がクマに襲われて死亡が確認されたとの報。この付近では、二、三日前も同じようにタケノコ採りに向かったグループが、クマに襲われたり、持ってきたおにぎりを奪われるという報道もあって、入山規制があってもおかしくはなかったが、死亡事例までに発展したことは、残念でならない。

先月は、八甲田から直線距離で五、六十キロ南に離れた十和田湖の南岸方面の秋田側でも、同じようにタケノコ採りの男性が人身被害にあって命を落としており、まじめな話、北東北の八幡平から八甲田にかけた山岳エリアのクマさんには、何やら得体のしれない脅威を感じざるを得ない。

ヒトを攻撃対象とするクマの子孫たちが、このエリアに広がり始めていないかという脅威なのかもしれない。

山菜採りだけではなく、登山するにも直近の情報はできるだけ拾うようにしたいが、クマ鈴でもサイレンでもクマが近づいてきたとなれば、騒ぎが落ち着くまで入山を控えざるを得ないのだろう。

この北八甲田の酸ヶ湯近辺は、1980年代に過ごした八戸から近いことから山岳会の仲間たちと.庭のように歩いたところ。もう、40年も歩いていないことから、この夏には、酸ヶ湯温泉に隣接した気持ちのよさそうなキャンプ場を基地にして、温泉も楽しみながらゆっくり歩いてみようかなと画策していたところであっただけに、このニュースには愕然としてしまった。

被害にあわれた方には、お悔やみ申し上げざるを得ないが、このところのyahooニュースなどのコメントを見ると「この機に及んでタケノコ採りに行くやつが悪い」のような自己責任論的な論調が多く、果は「自衛隊や国の予算で特別部隊を組織してクマを絶滅させよ」的なヒステリックな意見までもが当たり前に寄せられるようになっており、なにやら雲行きが怪しい。次元は違うが、アメリカのトランプや西欧の移民排斥にヒステリックな声を上げる自国民ファーストの極右活動家の声みたいに聞こえてしまうのはオイラだけか。

たしかに、北海道のヒグマだけではなく、最近のように本州のツキノワグマ関連の人身被害の報道が多発するようになってしまっては、「国民感情」が「クマ排斥」に傾くのは致し方ないし、オイラの潜在意識にもそんな気持ちがないかというととウソになってしまうが、ここは、人間ファーストではなく万物ファーストに基本に立ち返って、落ち着いてこの問題を考えたい。

もう一度、「山に入るにはクマの聖域に入ること」だと自覚して、「おーい、このヤマさ入っていいがー?」という、賢治さんが描いた「狼森と笊森、盗森(おいのもりとざるもり、ぬすともり)」の精神に立ち返り、どうやってクマさんたちと共存していくか、まじめに考えていくべきかなと思う。

40年前には、ほとんどクマの脅威も感ぜずに北東北の山を歩いていたが、実はそれが「不自然」だったのであり、日本の山を歩くことは、じつはグリズリーやピューマが跋扈する北米や、ライオンやヒョウの闊歩するアフリカ大陸と同列に「自然の脅威」を自覚して歩くエリアだと認識することから始めなきゃいけないのかもしれない。

でも、ああ八甲田、ああ酸ヶ湯温泉、城ヶ倉温泉、猿倉温泉、谷地温泉、蔦温泉・・(もう一度、歩きたい、浸かりたい・・)

 

 

Yahooニュース

 

47NEWS

 

       

            北八甲田睡蓮沼 (LF)

 

 

 

 

 

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