言わなければよかったのに日記

 私が見たこと、聞いたこと、感じたこと、頭にきたこと・・・を(ありのまま)に伝えます。

カシどん4

2021年09月11日 | 球磨弁

         

 今日もカシどんの話を。

  ある時、カシどんよば、村ン子供どもが、えろうで、といかくうで、わいわい言いをるげなもんじゃッでなんじゃろかともうて、だいかがそろッと、のぞいて見たげなたい。そしたげないば、「ほうらほうら、蛇よば出すぞ出すぞ」ちいさみやあに、カシどんの、左のそで口から、よごれェたてんげよば、入れてやいながら、右のそで口よば前へ出ァて、「ほらほら、よかやよかや」ちいをらるとこいじやッたげな、とこいが本当にふとうかヤクグイのにょろにょろして右のそで口から、つら出ァたげなもん、子供どもが恐ろししゃァ、わいわい言い出すと、カシどんな、「よかよか、そいじゃまた、おとなしう中ァ入っとれ」ちいさみやあに、蛇の頭よばなでてやらいたげな。そすッと、蛇ァすうッと中ァひやッていったげなが、あとで、本当はこいじやッつたとぞ、て、出ァて見せらいたとは、さっきのよごれェたてんげやッたげな、カシどんな、いさぎい子供好きじやッたげなもんじやッで・・・。

 (また私訳をしてみます、相変わらず難しいことです)

 ある時、カシどんに 村の子どもたちが大勢で取り囲んでわいわい喋っていたので、何だろうかと思って誰かが、そーっと覗いてみました。そうしたら、「ほぅらほぅら、蛇を出すぞ、出すぞ!」と言いながら、カシどんが左のそで口から汚れた手拭いを入れながら右のそで口を前へ出して、「ほぅら、ほぅら、よいかよいか」と言っているときでした、本当に大きなヤクグイ(青大将のこと)がにょろにょろしながら右のそで口から顔をのぞかしました。子どもたちは怖がって驚き声を出すと、カシどんは「よいよい、それではまた、おとなしく中に入っておけ」と言いながら蛇の頭をなでました、すると蛇はスーっと中へ入っていきました、あとから、本当はこれだったんだ、と出して見せたものは先ほどの汚れた手拭いでした。カシどんはたいへんな子ども好きだったので・・・。

 カシどんは本当にマジックをつかって子どもたちをビックリさせたり喜ばせる術を知っていたようです。‘幻術’といえばそうだったのかもしれません。それにしても面白い話です。もっとあるので、少しずつ紹介していきます。

 台風14号が九州を向いています。今後の針路が心配です。実りの季節に困ったことです。

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