急に過去の参考記録をブログに残したくなった。一部の記録はホムペで公開しているが、こちらに追加して掲載しようと思う。時は1970年代後半の頃になる。連休を利用して大崩山中を単独で彷徨した。歩いたコースは下図の通り、なるべく原文に近い形で掲載しよう。当時は何しろ交通事情も悪く、あまり参考にもならんだろうが、こんな時代もあったということでみてほしい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/53/f1d37c69137f87e816af484c3d38bbf8.jpg)
4月28日~29日 天候 晴れ
コースタイム
自宅24:00→大崩登山口9:30→10:30大崩山荘12:00→湧塚14:30→大崩山荘16:00
会社に登山計画書を提出し、装備等の点検を終えると時計は23:30を告げていたが、我が家を出発するのは24:00ジャストとした。途中特に休みも取らず延岡へと闇のなかを車を走らす。延岡に近づくに明るくなってきたが、急に眠気に襲われたので無理をせずに車を止め仮眠を取る(6:00~8:00)。日差しが強くなると8:00車を降り、ガンバラナクッチャーという体操をして、車に乗り一路祝子川沿いに登山口を目指す。
バスの終点に着くと伊藤商店があり、不足分の食糧を買い、山の様子を聞く(この店は宿泊も出来、登山に必要な食料もほとんどある)。2~3のパーティが大崩山に向け今朝、出発したらしい。20分程度沢沿いの道を行くと登山口に着き、車を止め一休みして登ることにした。登山口の道標を見ると内心シメタ!と思い勢い良く歩き始めたまでは良かったが・・・・100mも歩くと荷の重さが背に食い込み足が全く進まなくなった。何しろ5日分の食料と衣食住全部担いでいるので総重量は25kgぐらいはある。この重さは過去経験したことのない苦痛で、装備をもっと軽くすればとか、二度に分けてと何度思ったことか。しかし、こんなことでバテルようではと自分に言い聞かせ、喘ぎながら10m歩く・・・バタンを1時間ばかり繰り返しようやく大崩山荘に着いた。大崩山荘付近はキャンプの敵地でもあり、山荘が混んだ場合を考え、木内谷の沢筋(山荘の下)にツエルトを張った。
大崩山荘より大崩山のピークは、山が深いので全く見えないので昼食後偵察に行くことにした。まず下小積谷のルートを調べるため山荘前の祝子川本流を渡渉したのだが、途中わざとルートを外して渡ろうとして川に滑り落ち、首までザンブリコと浸かってしまった。山を軽く見るとこういう結果になるので今度はケルン、道標に従い登ることにしたのだが、小さな沢沿いに進んで行くと、道標踏み跡が全く無くなり、引き返そうとしたが時間があるので沢の(上流から見て)左岸沿いに進む(山荘から1時間ぐらい)。このあたりになると木立がうっそうと茂り暗い、ふと沢沿いを見ると小さな動物が遊んでいる。シカの子供らしく、チャンスと思いアタックザックからカメラを取り出し3~4枚撮った(後日現像に出すと全く写っておらずかえすがえすも残念だった)。7~8m離れたところで20分ぐらい小鹿と遊んだ。
この下小積谷より大崩山に至るコースは荒れており、山やもあまり入らないらしく、さすが秘境大崩だと思いながら、踏み跡の少ないルートを分け入ると、突然70mぐらいの崖が目前に迫ってくる。一部木の生えている所をルートに選び、急斜面を登った。登りきったところで現在地を確認すると大崩山頂まではかなりの行程があることがわかった。体力は余力を残していたものの、夜走りで運転して来ているので目が痛み、湧塚を経て小積谷コースを通り山荘に帰ることにした。
地図と磁石を合わせ湧塚の方向にしばらく行くと、獣道に出会いこの道で湧塚に下ることにした。20分ぐらい巻き道を上下すると10m3ぐらいの岩がごろごろしているところに出るとようやくケルンを見つけることができた。そのまま注意して進むと大岩峰の下に出てスケールの大きさに驚く。奥深い山、鋭い岩峰、大崩の特徴でもある。この湧塚から小積谷へはケルン、道標(テープ)も10m間隔にあり、一気に下山し、祝子川本流に出るとほっと一安心した。渡渉すると2名のクライマーが河原で遊んでいた。湧塚第2岩峰をバックに写真を撮ってもらい仲間に入り、静かな談笑の時を過ごした後、15分で山荘に着いた。
栄養たっぷりの夕食を取り、明朝の食事の準備を終えると、先ほどのクライマーからウイスキーのお誘いを受ける。岩や雪の話で盛り上がっている最中、明日湧塚第2岩峰にアタックするが、私にセカンドとしてパーティーに入らないかという話になる。とても私の手には負えませんと丁重にお断りした。大崩山荘も雰囲気があり、話もずいぶん盛り上がったが、明日に備え19:00に寝袋に潜り込んだ。しかしなかなか寝付かれない。山荘には6パーティが泊っており、ムスメやガキ達のさえずりが騒がしい。「静かにせんとぶっ飛ばすぞ」と注意をしようと思ったが、雰囲気を壊すのもどうかなと思い、寝袋を持って外に張ってあるツエルトに入る(22:00)。横になると先ほどと打って変わり静寂の闇の中になったが、祝子川の飛瀑音がザー、ザーとあたかも雨が降っているような錯覚に陥る。だが「ザー」という音が子守唄となり、いつしか深い眠りの中にいた。
大崩山彷徨2:モチダ谷~大崩山~中瀬松谷遡行編へと続く。
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4月28日~29日 天候 晴れ
コースタイム
自宅24:00→大崩登山口9:30→10:30大崩山荘12:00→湧塚14:30→大崩山荘16:00
会社に登山計画書を提出し、装備等の点検を終えると時計は23:30を告げていたが、我が家を出発するのは24:00ジャストとした。途中特に休みも取らず延岡へと闇のなかを車を走らす。延岡に近づくに明るくなってきたが、急に眠気に襲われたので無理をせずに車を止め仮眠を取る(6:00~8:00)。日差しが強くなると8:00車を降り、ガンバラナクッチャーという体操をして、車に乗り一路祝子川沿いに登山口を目指す。
バスの終点に着くと伊藤商店があり、不足分の食糧を買い、山の様子を聞く(この店は宿泊も出来、登山に必要な食料もほとんどある)。2~3のパーティが大崩山に向け今朝、出発したらしい。20分程度沢沿いの道を行くと登山口に着き、車を止め一休みして登ることにした。登山口の道標を見ると内心シメタ!と思い勢い良く歩き始めたまでは良かったが・・・・100mも歩くと荷の重さが背に食い込み足が全く進まなくなった。何しろ5日分の食料と衣食住全部担いでいるので総重量は25kgぐらいはある。この重さは過去経験したことのない苦痛で、装備をもっと軽くすればとか、二度に分けてと何度思ったことか。しかし、こんなことでバテルようではと自分に言い聞かせ、喘ぎながら10m歩く・・・バタンを1時間ばかり繰り返しようやく大崩山荘に着いた。大崩山荘付近はキャンプの敵地でもあり、山荘が混んだ場合を考え、木内谷の沢筋(山荘の下)にツエルトを張った。
大崩山荘より大崩山のピークは、山が深いので全く見えないので昼食後偵察に行くことにした。まず下小積谷のルートを調べるため山荘前の祝子川本流を渡渉したのだが、途中わざとルートを外して渡ろうとして川に滑り落ち、首までザンブリコと浸かってしまった。山を軽く見るとこういう結果になるので今度はケルン、道標に従い登ることにしたのだが、小さな沢沿いに進んで行くと、道標踏み跡が全く無くなり、引き返そうとしたが時間があるので沢の(上流から見て)左岸沿いに進む(山荘から1時間ぐらい)。このあたりになると木立がうっそうと茂り暗い、ふと沢沿いを見ると小さな動物が遊んでいる。シカの子供らしく、チャンスと思いアタックザックからカメラを取り出し3~4枚撮った(後日現像に出すと全く写っておらずかえすがえすも残念だった)。7~8m離れたところで20分ぐらい小鹿と遊んだ。
この下小積谷より大崩山に至るコースは荒れており、山やもあまり入らないらしく、さすが秘境大崩だと思いながら、踏み跡の少ないルートを分け入ると、突然70mぐらいの崖が目前に迫ってくる。一部木の生えている所をルートに選び、急斜面を登った。登りきったところで現在地を確認すると大崩山頂まではかなりの行程があることがわかった。体力は余力を残していたものの、夜走りで運転して来ているので目が痛み、湧塚を経て小積谷コースを通り山荘に帰ることにした。
地図と磁石を合わせ湧塚の方向にしばらく行くと、獣道に出会いこの道で湧塚に下ることにした。20分ぐらい巻き道を上下すると10m3ぐらいの岩がごろごろしているところに出るとようやくケルンを見つけることができた。そのまま注意して進むと大岩峰の下に出てスケールの大きさに驚く。奥深い山、鋭い岩峰、大崩の特徴でもある。この湧塚から小積谷へはケルン、道標(テープ)も10m間隔にあり、一気に下山し、祝子川本流に出るとほっと一安心した。渡渉すると2名のクライマーが河原で遊んでいた。湧塚第2岩峰をバックに写真を撮ってもらい仲間に入り、静かな談笑の時を過ごした後、15分で山荘に着いた。
栄養たっぷりの夕食を取り、明朝の食事の準備を終えると、先ほどのクライマーからウイスキーのお誘いを受ける。岩や雪の話で盛り上がっている最中、明日湧塚第2岩峰にアタックするが、私にセカンドとしてパーティーに入らないかという話になる。とても私の手には負えませんと丁重にお断りした。大崩山荘も雰囲気があり、話もずいぶん盛り上がったが、明日に備え19:00に寝袋に潜り込んだ。しかしなかなか寝付かれない。山荘には6パーティが泊っており、ムスメやガキ達のさえずりが騒がしい。「静かにせんとぶっ飛ばすぞ」と注意をしようと思ったが、雰囲気を壊すのもどうかなと思い、寝袋を持って外に張ってあるツエルトに入る(22:00)。横になると先ほどと打って変わり静寂の闇の中になったが、祝子川の飛瀑音がザー、ザーとあたかも雨が降っているような錯覚に陥る。だが「ザー」という音が子守唄となり、いつしか深い眠りの中にいた。
大崩山彷徨2:モチダ谷~大崩山~中瀬松谷遡行編へと続く。