かずの里山ハイク

山や花、日常の出来事などの気まぐれブログ

石鎚山

2008年01月21日 | 追憶の山

S49年7月26日~7月29日 石鎚山 参加3名

コースタイム
7/26 曇 小郡(18:20)→柳井港(20:10~20:30)→三津浜(22:50)→松山(23:15~23:59)→7/27 曇一時雨 伊予西条(1:20~7:11)→西之川(8:24~8:50)→成就社(9:30~9:50)→前社森(10:50~13:40)→二の鎖(14:20~15:35)→天狗岳(16:30)→二の鎖(17:15~夕食18:15~かたずけ19:00~就寝19:30)

7/27 二の鎖(起床4:40→出発6:40)→愛犬小屋(7:50~8:00)→熊淵(10:30)→関門(11:30~12:41)→松山(15:08)→三津浜(16:05)→柳井港(19:20)→小郡(21:20)

7/26 小郡~柳井港間では過去の山行の話で盛り上がる。汽車の中なのでのんびりと話が出来る。柳井港よりフェリーに乗り、瀬戸内海の夜景を見ていると旅に出たという実感がわいてくる。船室で天気予報を聞くとまずまずのようで安心して浅い眠りにつく。フェリーが三津浜に着くと松山まではタクシーで行くことにする。

伊予西条には予定どおり1:20に着いて快眠をむさぼるはずだったが、暑い上に蚊の大群がいるためなかなか寝付かれない。香取線香をたいて寝たが結局寝付かれず3:00頃までは目が覚めていた。6:00起床すぐ空を見上げたがどんよりとして暗い。駅前の広場では夏休みのため子供たちが体操をしていた。我々も加わりすることに。寝不足感は否めないが、気持ち良かった。

西之川行きの一番のバスを待っていると、中年の婦人に「子供が二の鎖小屋に泊まっているのでセーターを届けて欲しい」と声をかけられた。二の鎖といえば今夜のキャンプ地なので快く引き受けることにした。お礼にたばこを頂く。
子供さんの名前(世良・・・ 小学4年生)を聞き、こちらからは名刺を渡しておいた。

今回の山行はロープウエイを使わずに登る予定だったが、現地に着いても今にも雨が降りそうなので成就社まではロープウエイを使うことにした。2年前もこの山に登ったが三日三晩ガスられ、降られ散々な目に遭っているだけに晴れて欲しいと願っていた。

ロープウエイを降り、石鎚山頂を目指して歩き始めたが、成就神社に着くと早速休むことになる。この神社は手を合わせても柏手を打ってもどちらでも良いらしい。成就神社の山門を抜けるといよいよ石鎚山への縦走が始まり、時折白衣の行者、一般登山者の団体さんが通り抜けるが、すぐに静寂さが辺りを包んでくる。またウグイスやカッコウの鳴き声も聞こえる。登山道の近くにはヤマアジサイが紫色の小さな花を咲かせ色を添える。いい気持になっているときに我々をあざ笑うがごとくカラスがアホー、アホーと無く。全く興ざめなやつだ。

体調は天候の関係で暑くなく、少し汗ばむ程度で快調だ。八丁坂を過ぎ、前社森への急坂を登り切り、休憩所で休んでいると空が小粒の涙を伴って泣き出した。今回は余裕があるので休憩所で涙宿りをすることにする。休憩所では他のパーティも待機しており、神戸のパーティと話が弾んだ。待つこと3時間弱、涙も涸れ果てたのか西の空を見上げると明るくなって来たので、夜明け峠を目指し元気に歩き始める。

夜明峠に着くとその名の通り、樹林帯を抜け急に見通しが良くなる。石鎚天狗尾根の岩壁(第1ルンゼ~第3ルンゼ)が眼前に迫ってきた。目指す二の鎖キャンプサイトも目と鼻の先である。先日来より夢にまで見ていた岩壁を目前に見て、そのスケールの大きさに感動の色は隠せない。登って良かったとしみじみ思う。

二の鎖キャンプサイトでは適当なテン場を見つけ、すぐにキャンプの許可(1張50円)を受けに二の鎖小屋に行く。キャンプ届を出して今朝頼まれたセーターを渡すと果たしてその坊やは小屋のご主人の息子さんだった。ご主人はお礼にジュースでもてなしてくれ、3人でテン場で飲んでいると坊やがニコニコしながらテン場に下りて来た。彼がいたことでずいぶん愉快な山行になった。この坊やとはセーターが結ぶ縁で就寝時を除き、明朝まで付き合うことになる。

テントを設営し、夕食の準備が完了すると坊やのガイドで二の鎖、三の鎖を経て頂上に行く。頂上では信者が5~6名、神社の前で祈祷を上げている。信者達は命がけで鎖を登るという。そして「お上りりさんかい」「お下りさんかい」がこんにちはの代名詞になっている。頂上(弥山)から大山の縦走路を思わせるやせ尾根をつたい天狗岳のピークに立つ、時折ガスが山を被い神秘的だ。帰りは頂上から鎖場を通らず、翌朝通るルートも確認するため巻き道を伝って下りた。雨の降りそうな雲行きの中で急いで夕食を済ませ、今日の疲れも手伝ってか19:30には寝入った。

日の出は瓶ヶ森の特徴あるピークから仰ぎ、石鎚岩壁がモルゲンロートに染まる。山の朝の静かさが身を包む。私の一番好きなひと時でもある。

昨日、確認しておいたルートより面河側に下るとクマ笹の緑とシコクシラベの深い緑のコントラストが何とも言えない。このルートは右に西冠岳、二の森のピークを仰ぎ、左方には石鎚南壁が軍艦を思わせるような姿でそびえている。再び樹林帯に入り南壁が視界から消えると愛犬小屋に着き、小休止の後面河渓谷に下りるとほっとして清流や滝を味わいながら関門バス停に着いた。

今回はちょっとしたハプニングもあり、愉快な山行になった。同行頂いたM、K両氏に感謝をしたい。