アズマイチゲ(東一華)キンポウゲ科(アネモネ属)、花言葉は、温和。明治初年日本に渡来したもので、ひろく北半球に分布し、約90種が知られている。南ヨーロツパの森や雑木林にも野生は珍しくない。我が国の山野にふつうみられるのは、イチリンソウ、アズマイチゲ、ニリンソウ、シュウメイギク、などもみなアネモネ属の植物である。ギリシャ語のアネモからの名であるが、アネモとは”風の娘”という意味である。この草が風のよく当たるところに生育するからだとも言われているが、実際はギリシャ神話にもとずくものと思われる。日本の野生のアネモネは、園芸種とはなっていないが、早春この花を見ることは楽しいものであリ、山草として栽培されることもある。学名をアネモネ.ニコエンシスという。種名は”日光産の”という意であり、別名一華草ともいう。この花は白いが、外側がしばしば淡紫色ないし淡紅色をおびて美しい。そのため「裏紅一華」とも言われる。アネモネ属の華の花弁のように見えるのは、実は萼片が花弁のようになったもので本当の花弁はなくなっている。キクザキイチリンソウは、淡紫色の花を開き、たいそう美しい花弁状の萼片は十枚以上もある。この植物は別名ルリイチゲ(瑠璃一華)とも呼ばれる。アズマ一華は学名アネモネ.ラデアーナというが、花は白く外面がわずかに紫色をおびている。この美しい野生のアネモネは関東地方にみられる。種名は、シベリア植物の研究家ラッデにちなんだもので、関西地方にはユキワリイチゲ(雪割一華)が野生するが、キクザキイチリンソウに似ている。花は白いが下部は淡紫色をおびている。北海道にはエゾイチゲがあるが、学名をアネモネ.エゾエンシスという。花は白く萼片は六~七枚ある。種名は”蝦夷の”という意味。ニチリン草も野生のアネモネで、学名をアネモネ.フランダと言う。ニリンソウは学名をアネモネ.フランダと言う。種名は”柔らかな”という意味。茎の上に白い2個の花を付けるという意味だが、必ずしもそうではなく、一個のこともあるし、三個のこともある。高山植物としてよく知られるハクサンイチゲもアネモネ属で初めに石川県の白山でみつかったのでこの名がついた。学名をアネモネ.ナルシシフロラと言いう。種名は”水仙のような花”という意味。このようにアネモネは、種類が多く、シュウメイギクが野生の日本のアネモネの代表種と言われるが、観賞用として栽培されている。花は菊花に似てい花色は淡紅色でありなかなか美しい。漢名を秋牡丹という。「アネモネのはなくつがえし居るは蛇 高野素十」「アネモネ開くばかりゆく灯の電車 中村草田男」「アネモネや千里の先に吾れを置き 栗林千津」「アネモネの開ききつたる母の部屋 皆吉 司」。(アネモネも シュウメイギクも キンポウゲ アズマイチゲの 花の美集う ケイスケ)