皺を寄せた気難しい人のように 描かれる冬よ 林檎の木にまといつく苔のような 灰色の髭を生し 青い唇をして とがった青い鼻の先に 氷の滴をつえたきみ きっちりと身を包んで 荒涼とした道をただ一人 漂う雪の中を とぼとぼと歩いてゆくきみ 暖かい炉辺のきみのほうを 描くべきだったのに 冬よ 大きな肘掛け椅子に 坐っているきみこそを クリスマスの遊びに 夢中な子供らを見まもり また 子供に囲まれて 楽しい笑い話 恐ろしい人殺しの話 そして 夜を悩ます悪霊の話 いろいろ聴かせては 時折話を止めて 燻る火を掻き越し また 琥珀色に澄む 秋の麦酒を味わうきみこそを 深い大杯を 仲間の健康を祝して 傾ける。(カトリー.ダイアリー;R.サウジー)