杜若(アヤメ科)花言葉は、幸福が来る。アヤメの仲間では最も水を好み、浅い池などに植えられる。葉は幅の広い剣状で、幅2~3㎝、長さ40~80cm、中肋はない。開花は5月、高さ50~70cmの茎の先端に三花をつける。花は径約12cm、外側の楕円形の花弁三個が大きく垂れ下がり、内側の花弁三個は小さく直立する。花色は濃紫色が基本だが白色や斑模様の入るものもある。「かきつばた」は「書き付け花」の転訛したもので、古くはこの花の汁をあにすりつけて染色に用いられた。「万葉集」には「加古都幡多」で詠まれている。普通花の姿から飛ぶ燕を連想した「燕子花」、または「杜若」の文字を当てる。「伊勢物語}や「古今集」巻九にある、在原業平が三河国八橋(燕子花愛知県都幡多)で「かきつばた」の五文字を句の上にすえて詠んだ、【唐衣着つつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ】が有名。「船着き手㴑ここらに波や杜若 長谷川零余子」「垣そとを川波ゆけり杜若 水原秋桜子」「降り出して明るくなりぬ杜若 山口青邨」「夕暮れは人美しく杜若 高木晴子」「声とほく水のくもれる杜若 桂 信子」「宿坊に酒が匂ふよかきつばた 皆川盤水」「いにしへのそのいにしへの杜若 京極杞陽」「杜若三河一円雨といふ 大野林火」「蓬莱も比良も雲中かきつばた 鷲谷七菜子」「帆掛舟とめてみたしや燕子花 八田木枯」「杜若雨似合ひて黄なりけり 高田風人子」「父恋ひの色の吹き出すかきつばた 鍵和田柚子」「尾骨もつわれらは眠り燕子花 遠山陽子」「胸中に水明けゆく杜若 中嶋晨子」「杜若むかしをとこのよかりける 加藤耕子」。(寝る妹に衣うちかけぬ杜若花 ケイスケ)