川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

ダムと森(中)竜門峡と上日川ダム

2009-06-29 04:31:49 | 自然と人間(震災・津波・原発事故)
 27日(晴れ)
 
 妻が宿でもらった甲州市のウォーキングマップで「竜門峡コース」というのを見つけ、滝があるというので歩きに行くことにする。日川(ひかわ)の上流で旧大和町に属するが近年、塩山・勝沼などと合併し、「甲州市」となったため、勝沼の宿のパンフレットにも載るようになったのだろう。「合併」の効果かな?

 「平成の大合併」で山梨県中央部に甲州市、山梨市、甲府市、甲斐(かい)市などと旧国名や県名に因む自治体名が並ぶようになったのは異様である。甲府は甲斐の府中から来ているからいいとして(山口県防府市の例がある)他の都市はなぜかくも没個性的な名を付けたのだろう。どこがどこやらさっぱり分からない。そこへ来て笛吹市や中央市まである。南アルプス市のほうがまだましである。南アルプスに近いのだろうと位置を推定できる。(静岡県の伊豆の国市と伊豆市もこまったものである)。

 甲州街道の甲斐大和駅の先から日川に沿って登ると「竜門峡入り口」がある。ここからは一本道なので「竜門の滝」まで妻には先に行ってもらう。ぼくのよたよた歩きに付き合っていたら疲れ果ててしまうからだ。
 日川の渓流を下に見ながらみごとな落葉樹の森を歩いていくがなかなか「竜門の滝」に到達しない。「落合三つの滝」近くで妻が待っていてくれた。此処は川に降りられるので滝近くに行ってみる。
 
 大きな磐の間を流れる急流がすばらしい。迫力がある。これを「滝」というのだろうか。

 帰り道で「竜門の滝」の発見に挑戦。東京電力が「巡察路で危険だから入るな」と表示してある道を鎖をまたいで降りてみる。そこに吊り橋がかかっており、橋の上から「滝」を望む。

 甲州市のパンフレットにも入り口の案内板にも「竜門の滝」が紹介され、我が妻が滝見に連れて来てくれたというのにこういう次第である。大和町が無くなって大甲州市になってしまったため、「大男、総身に智慧が廻りかね」という具合になったのだろうか。滝は封鎖されて警告を無視して降りていかなければその所在さえ分からないのである。

 紅葉の頃ですが、竜門峡です。http://www16.ocn.ne.jp/~e_kouiki/kouyou/ryu-mon/kouyou-ryu.html
 


思ったよりも立派な県道なのでこのまま日川を遡って大菩薩嶺の麓にいたり、奥多摩から帰ることにする。旅の目的であった「猿橋」はまたの日に。

 日川に沿う県道218号は美しい自然林の中をどこまでも進む。杉や檜の人工林はこの辺りには全く見えない。

 上日川ダムがあったので寄って見る。

 上日川ダム http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=3106

 発電量東洋一の揚水式・葛野川発電所の上池にあたり、下池にあたるのが相模川水系の葛野川ダムだという。日川は笛吹川の支流の一つだが静岡県に注ぐ富士川水系の上流部である。

揚水式というからには葛野川ダムから揚水しこの巨大なダムに水をためているのであろう。そういえば日川に水を流している風情は無かった。大菩薩嶺付近に降った雨はこのダムに集められたあと昔のように日川に流れゆくことなく相模川に注ぐことになる。
 電力の専門家にとってこんな自然改造はお手の物かも知れないが大菩薩嶺などの「最初の一滴」を集められない日川が可哀想な気がする。

 ダムの天端の柵外に高山植物のコマクサが植えられ可憐な花をつけている。それがずうっと続いているから見事なものである。土曜の真っ昼間だが足立ナンバーのバイクで来た若者2人の他に人影はなかった。

 ダムから先も快適な道が続いて、ところどころに駐車場や旅館?がある。登山の基地なのであろう。青梅街道と出会うところにある番屋茶屋で昼食とする。
 質素な盛りそばだがちょっとしたお手製の添え物が味を引き立てる。昨日の山麓亭もそうだった。