29日(火)夜 いつもの帰郷時のように武実くんが奈半利のバーにさそってくれる。過疎地でもここまで来ると若い娘さんもおり 年寄りを楽しませてくれる。亡き妻の墓参りを欠かさない純情一路の武実くんのことを皆が知っている。おそくまでカラオケに興じる。
30日(水)岡の上にある父母の墓参りの後 共同墓地を歩く。江戸時代からの古い墓石を整理して家ごとの立派な墓が山すそに所狭しと並ぶ。
墓地の片隅の我が家の遠い祖先の墓石も整理されて今は小さな空き地となっている。妻と二人でここを我らの墳墓の地と定めて姉兄と相談することにする。
墓碑はいらない。小さな木のもとに散骨してもらえればそれでよい。幼い日々 良く遊んでくれた正広くんの墓も近い。
午後 室戸岬の海洋深層水の風呂に入ったあと 青年大師で知子さんに会った。同級生の情報に詳しい。この一二年の間に健くん 兼一くんがなくなったという。未だ 60台だが我々もそういう年頃になったということだろうか。
夕刻 津呂(室戸岬)の街を歩いてみた。空き家ばかりが目立つ。港の上の八坂神社は屋根が崩落したままだ。街が廃墟と化していくようだ。家々の軒先に幼い日の友人たちの姿を見たような気がする。
兄の話だと室戸市でも津呂・室津・浮津という中心市街の人口減少が激しいという。遠洋鮪漁業の衰退と共に産業が壊滅したせいだろう。ちなみに市の広報誌によれば2月の出生は1名 死亡は29名である。
深刻な過疎の現実に特効薬があるとは思えないが 「何もない あるのは大自然」 というわが故郷が見直される時がいつか来るのだろうか。
今日はこれから故郷を離れて愛媛の友人宅に向かう予定です。