暴力によって成り立っている
アメリカ合衆国の実態を描い
た作品。
1960年代中期。
ある過失傷害事故により、いた
ずら好きの少年4人は少年院送
りとなった。
その少年院で少年たちは看守ら
から性的暴行を毎日受ける。
また、日常的レイプだけでなく、
収容者の仲間は殴り殺されてし
まった。
少年院では看守たちによる強姦
と暴行が日常化していたのだっ
た。
10数年後。
社会に出た少年4人はそれぞれ
別な世界にいた。
一人は検事に。一人は雑誌記者
に。二人はギャングのチンピラ
に。
ある時、ギャングになっていた
二人は行きつけの飲食店で、
少年院で極悪だった看守を偶然
見つける。
二人は顔を見合わせて元看守
を迷わずその場で射殺した。
そこから四人の復讐劇が始まる。
検事補の一人はずっと暴力看守
たち全員のその後の動向を調べ
上げて足跡を把握していた。
多分、復讐のためだけに司法
試験に合格し、検事になった
のだろう。
看守のある者は刑事となり麻薬
取引での汚職まみれだった。
ある者は慈善活動家となって
いたが、表向きの顔とは別に
少年への猟奇的性的嗜好は変
わらず、陰で少年たちに性的
暴行のレイプを加えていた。
ジャニーズみたいなものだ。
親友たちの元少年4人のうち
検事と記者は、元看守を殺害
した2名を無罪にする裁判の
中で、少年院での看守たちの
性的暴行と少年殺害を暴こう
とする。
射殺犯の二人は親友の一人が
検事として自分らを起訴して
裁こうとしている事に憤慨す
る。
しかし、それは仕組まれた法
廷劇であり、検事は手なずけ
た弁護士を使って彼らを無罪
に導き、また、元看守たち全
員を社会的に抹殺する暴露と
実質的な殺害による消滅(マフィ
アに警官が情報漏洩の裏切り
者として消される)を計画した
ものだった。
やがて殺人犯の二人は、その
友情による復讐劇に法廷で気
づく。
全てが成功し、裁判は完全無罪
だった。
殺害現場にいた店員と客4名の
目撃者の目撃証言はすべて証言
の信憑性無しとされた。
決め手になったのは、少年たち
を父のように育てていた神父が
彼らのために法廷でアリバイの
偽証をした事だった。
少年たちは、暴力による暴行と
虐待を看守たちに受け続けてき
た。
その事は、誰にも明かせない程
の精神的苦痛が成人後も続いた。
ジャニーズと同じだ。
だが、少年たちはそれを明らか
にする事により復讐劇を敢行す
る。さらに仕組んで社会的抹殺
だけでなく、殺害されるように
も仕込んだ。
それらは全て成功した。
暗い映画作品だ。
暴力は暴力の連鎖を呼ぶ。
ジャニーズと違うのは、ジャニ
ーズで性的暴行のレイプを受け
た少年は勇気を以て事実を公開
して事の些細を明らかにした。
これは復讐ではない。繰り返し
続けられていた少年偏愛者の
未成年者レイプの実態を公開
した心の叫びだ。
だが、現実社会では、ジャニー
ズ事務所の権力は芸能界では
絶大で、少年レイプ魔事務所
が睨みを利かせて、芸能関係
者はその力に恐々とする世界
であるのが現実だ。
これは今でもその「力」の行
使と芸能界の忖度は継続して
いる。日本型忖度の代表のよ
うなものとして存在している。
所属の少年たちは、全員性的
暴行虐待の対象物として見做
されていた。
だが、彼らは「復讐」はしな
い。殆どが、暴行虐待の事実
については黙っている。黙り
通して「スター」になりたい
から。所属少年の誰もが。
しかし、一番最初に暴露をし
て世間にその罪を問う事をし
たのは、事務所の一番最初の
タレントのフォーリーブスの
一人だった。全てを暴露した
が、世間は取り合わなかった。
社会構造的な暴力が彼の言論
を抹殺した。世間がそれをした。
人が人の強姦を黙認して人を
更に苦しめ続けた。
黙殺という暴力。
おかげで、今でもジャニーズは
大人気だ。
なお、本映画作品の原作者は全
て実話だと主張しているが、作
品公開後、合衆国の少年院と行
政は、過去にそうした看守によ
る性的暴行や虐待は一切存在し
ないと表明している。