映画『首』ファイナル予告
面白かった。
克明に実際の時代背景まで解説
した論評を書いたが、キーのミス
タッチで一瞬ですべて消えた。
同じものを書ける事は書けるが、
文字数が3万字に近いので、再び
書く意欲が無い。
歴史的事実と現代社会性まで含め
て本作の表現描写についての評だ
った。
簡潔に言う。
本作、あらゆる点で良作である。
リアル。
ただし、秀吉が東京弁である事
と、名前を諱(いみな)で呼称し
ている点を除けば。
もう一つある。
人間の頭部は体重の約10%。
体重65kgならば6.5kg以上ある。
頸椎切断して頸部まで残存して
いる場合8kgを超えるだろう。
それを映画では軽々と片手で
掲げる。
これ、時代劇によくあるが、
リアルさに欠けすぎる。
ボウリングの軽いボールと同じ
程度の重量があるのが人間の
頭部だ。
あまりに重いため、敵の首を
取った時に腰にぶら下げる事
ができないので、やがてイク
サ場では目印の刃物を耳穴に
突き立てる事が行なわれるよ
うになった。
あとで頭部を回収するためだ。
それが小刀の貫級刀である。
頭部を切断して首級を上げるの
が戦国武士の習慣だった。
日本の武士は男色であると同時
に首狩り族だったのである。
かなりの良作。いろんな意味で。
R15なのでテレビで放送される
事はない。
ぜひ映画館へ。
最ラストシーンは秀吉の出自を
如実に表す表現となっている。
北野武監督、なかなかやる。