
バランスって何事にも大事なのだと思いますが、
こと、音楽というのは音と音の混じり合いの妙が大切ですので、
ライブにしても、レコーディングにしても、音同士のバランスが、ある意味、”命”のようなところがあります

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ドラムが大きすぎてもいけませんし、かといって歌ばかりでもいけません。
他の楽器にしても、ちゃんと適切な範囲の音量で聴こえていなければ、僕たちは、やはり心地よいとは思えないのです。
売られているCDや、ライブの音量バランスは、基本的にプロが取っていますので、そうそう大きな”事故”はないのですが(たまにライブではありえますね・・・)、
いざ自分でやってみると、これがなかなか、難しいものでもあります
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ですので、音楽を作る人間は、演奏技術を練習するのは勿論ですが、バランスのこともしっかり考えておかないといけません。
本能的なレベルで、ある程度までは当たり前のようにバランスは取れるのですが、
こと、作品作りとなって「決定」を出す作業となると、これがなんとも悩ましいのです
。
なんたって、学生の楽曲レベルでも、20トラック~30トラックの楽器を使います。
僕たちの場合、デモであっても70~80トラックなどということもよくありますし、100トラックを超えることだってあります。
プロの作品であれば、200トラック超え、ということもざらです。
こんなにも沢山の音のバランスを、耳と感覚を信じ、指先一つで決めていくのですから
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演奏や作曲にはそれなりに自信があっても、このバランス取りである「ミックス(ダウン)が一番難しい・・・」という学生も、大勢いるのです。
当然、僕たち、それなりに仕事にしている人間にとっても、ミックスは、いつだって課題ですし、緊張もします(笑)。
でも、いいバランスが取れたとき、音楽は、本当に魔法のように素敵に聴こえてくれますし、その演奏の心地よさに、まるで弾いているのが自分ではないような気持になることもあります。
でも、それも毎回上手くいくわけでもなく(笑)。
一生答えが出るものでもないのでしょうね。
・・・そこが、また面白く、飽くことの無いところなのですが
(笑)。
ではー