爺の世間ばなし

思いつくままのお喋り

失恋男の介護

2007年08月21日 | ブログ

昭和46年 単身赴任時の下宿家で向かいの部屋には独身で気楽なK氏 かなりの男前で 風俗店街の女性軍から大もての御仁。

4畳半の部屋には対角線に綱が一本張られ、タオル 靴下 雑巾 下着 洗濯物など もろもろ無造作にかけてあり、万年床の枕元には灰皿 タバコ ゴミ箱が、ティッシュ代わりのトイレットペーパーが天井からつるされ、まさに 独身男の部屋。

一度 珍しく酩酊してご帰還 日ごろ見かけない様子に話を聞けば失恋話し、時折 涙を流しながらの語り。爺が 失恋男の話し相手になる体験はこのときで3人目。

失恋話は励ましたり慰めたりしても無駄、当人が喋りくたびれて眠るまで ただ ただ 聞いてやるだけ。

最後は 綱にかけてあったタオルで泣きっ面の顔を拭いたり 靴下 ネクタイだけをはずし寝付かせるまでの長時間 のんべえの介護よりも疲れる。

後で分かった事だが 顔を拭いたタオルが雑巾として使用していたものと分かり謝る羽目に。

失恋男の3人とも 還暦を通過した年頃 今も年賀状で元気のお知らせは来る。


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