ニュー・フォーレストの南の町からフェリーで30分のところに、ワイト島 Isle of Wight がある。19世紀にリゾート地として発展した場所で、ビクトリア女王が愛した島だ。晩年彼女はこの島の別荘にこもり、ここで亡くなっている。10世紀から増築を続けながらスペインの無敵艦隊を退け、チャールズ1世が幽閉されたりと、歴史の舞台だったカリスブルック城 Carisbrooke Castle もある。また、この島は1970年には前年のウッドストックを上回る大ロックコンサートが開かれた場所としても有名だ。世界的に有名なヨットレースも毎年夏に開催されている。しかし、ヨーロッパ王室ご用達の島、セレブな島という名残だけでやたら物価が高い。
島名物のカニ料理。意外や意外、イギリス人もカニ味噌を食べるんだ。カニサラダはカニの身だけでなく下には味噌もたっぷり入っていた。カニグラタンも味噌が混ざっていて、通の味。イギリスは、耐熱皿に流し込んでオーブンで焼くキャセロールやパイ料理が発達しているからか、グラタンやラザーニャなんかもなかなか美味しい。
whitebait はしらすのこと。イギリスでは唐揚が前菜の定番。サバのパテなんて初めて食べた。ディップのように柔らかく、パンに塗って食べる。生姜も入っている ビクトリアン・レモネードの酸味とグッドマッチング。
ワイト島でも地産地消が大前提。朝市に行くと、小さな生産者がたくさん。ニュー・フォーレストでは作られていない小麦粉も生産されている。この小麦を使ったワイト島の形をしたジンジャークッキー。そしてほら、これが生のビーツだよ。
30年ほど前から島はイギリス最大のニンニク生産地となっている。ガーリックファームのショップには、こんなにたくさんの種類が売られている。
食事の量が多すぎて、悲しいことに毎回お腹にデザートの入る隙間がない。今日はランチを抜いて昼下がりに cream tea にした。イギリスといえば、アフタヌーンティーやクリームティー。前者はサンドイッチにケーキやスコーンがつくが、後者はスコーンのみ。スコーンに添えられているのはクロテッドクリーム clotted cream という脂肪分60%の濃厚クリームとジャム。べったりと塗ったクリームの上にジャムも塗り、至福の一口。ああ、どんどん太っていく。。。