ワイト島から一度ボーンマスに戻り、娘の引っ越しを手伝い、トラブルのあったレンタカーを取り替え、一路北へ。娘達はランカスターのホームにいる祖母を見舞い、イギリスを縦断してケンブリッジ郊外に住む彼女達の従兄を訪問。途中日本人ツアー客が押し寄せるコッツウォルズ地方を駆け抜ける。蜂蜜色の壁の古民家の並ぶイギリスで一番美しい村々があるというのだが、観光客の多くて堪能もできない。
イギリス最後の夜は、教会とパブ、郵便局併設商店各1軒しかないケンブリッジ郊外のとても小さな村イクルトンに滞在。30代後半の甥夫婦は9年前に廃墟に近かった築400年の豪農の母屋を買い、以来ずっと自分たちで改築を続けている。当時の道具が詰まった納屋二棟、チーズ小屋、今も鶏が住むレンガの小屋。庭の菜園で夕食用のジャガイモを掘り、鶏の卵取りに私達が大はしゃぎしてもこの家の3人の子供達は飽きちゃって興味なし。近代的なキッチンのとなり部屋には400年前の洗い場がそのまま。執事が管理していたワインセラーは当時の鍵つき。
現在パティオ作りの真っ最中。
家作りが趣味の甥の妻は、すごい!カップケーキもプロ並みの腕。
翌日はレンタカーを返却し、ロンドンからユーロスターでベルギーへ。旅の疲れも出てきたので、ブルージュで4泊ゆっくりすることにした。世界遺産に登録されている中世の町ブルージュは、息をのむほど美しい。
早速ムール貝とビールを求めて歩く。ムール貝は玉ねぎ、ポロネギ、セロリといった香味野菜だけで味付けたナチュラルのほか、白ワイン、ワインクリーム、ガーリック、カレー味など、色々な味がある。殻をピンセットのように使って身を取っていく。付け合わせはパンではなく、マヨネーズ付きフライドポテト。バケツ一杯どころじゃないムール貝一人前を、もくもくと食べれるベルギー人を変に尊敬してしまう。
今回初めて知ったのが、ベルギーのフィッシュスープの美味しさ。魚やカニ身がピュレの一歩手前、固形を少し残してつぶされている。店によってチーズがかかっていたり、トマト味が強かったり。実に奥深い味、行く先々の店で必ず食べるほどはまってしまった。
子供達がはまったのが、日本のコロッケの原形、クロケット。チーズ味と海老味があり、クリームコロッケといったところ。でもホワイトルーじゃなくてチーズソース、あるいは海老殻でスープを取ったピンク色のルー。さすが美食国家といわれるベルギー、食べ物が洗練されていて美味しい!