12月はクリスマス料理で洋食になるので11月は中華にするね、って言ってたけど、中華続きなのでベトナム料理にしてみました。「生春巻きをうまく巻けるようになりたい!」って以前 K さんが言ってたのも思い出したしね。春巻きづいた秋でした。
- 生春巻き(ゴイ・クォン)
- 揚げ春巻き(チャーゾー)
- 大根とにんじんのなます
- 豚肉の甘辛焼き
- 鶏肉のフォー(フォー・ガー)
- バナナとタピオカのチェー
生春巻きの皮は1 枚ずつさっとぬるま湯に通し、絞ったふきんやペーパータオルの上に置いて具を巻いていくと成功間違いなし。くれぐれも袋の裏に書いてあるように、皮を一度に濡らして間に濡れふきんをはさんでおく、ってやり方しないように。こうやると最後の半分ぐらいはくっつきまくってそりゃ大変なことになります。
ベトナム料理は野菜をたくさん食べるので、とってもヘルシーです。生春巻きの具も海老や鶏肉、豚肉、ビーフンにこだわらず、アボカド、レタス、もやし、大葉、ニラ、ピーナッツ、なんでもありです。水分をよく切っておかないと皮が水を吸って柔らかくなってやぶけてきちゃうので注意しましょう。何個か巻くうちにみんなコツをつかんでずいぶんと上手に巻けるようになったよね。簡単にできると分かり、すっかり自信をつけてくれたようで良かった良かった。
ライス・ペーパーの小さい版で豚ミンチ、きくらげ、椎茸、ジャガイモ、人参、春雨などを巻いて揚げ春巻きも作ってみました。実は生春巻きは海外で広まったもので、本場ベトナムでは揚げ春巻きや蒸し春巻きの方が主流です。春巻きにはスイートチリソースや、ヌクチャムをつけて食べます。ヌクチャムはベトナムの万能つけだれで、魚醤ヌクマムをベースにレモン汁、砂糖、唐辛子、ニンニクを混ぜたもの。これも今回は作ってみました。
フランス統治下にあったベトナムでは、フランスパンを使ったベトナム・サンドイッチなるものが市民権をもっています。以前住んでいたシアトルにはベトナム移民が多かったので、ベトナム料理店だけでなくベトナム・サンドイッチの店もたくさんありました。東京あたりではちらほらあるようですが、バゲットを横にスライスし、中にベトナムのおかずっぽい肉、チキン、卵、野菜をたっぷり入れます。その時に必ず入るのが「なます」。誰かが、「ピクルスやザワークラウトを入れるようなものね」と言い得てくれました。この日は定番の大根とにんじんのなますを作りましたが、ニンニクのスライスが入るところが日本のなますと違います。
ヌクマム、はちみつをベースにしたタレに漬け込んだ豚肩ロース。簡単で美味しいベトナム風焼き肉です。安い豚もも肉でもとても美味しくできます。これも野菜たっぷりの上に載せてサラダ風に。
フォーはベトナムの代表的なヌードル。小麦を生産できない東南アジアではライス・ペーパーもフォーもお米で作られています。ビーフンとの違いは、フォーにはタピオカが混ざっているのでよりコシがあるってことかな。元々フォーは耕作用の牛のスネなどで取ったスープに牛肉をのせたフォー・ボー、牛肉のフォーしかなかったそうですが、戦後牛が足りなくなったので鶏も使うようになったとか。この日は鶏ささみが柔らか~く仕上がる茹で方を紹介し、その肉を生春巻きと茹で汁をフォーに使いました。春菊、ニラ、香菜を思い切りのせ、レモンを絞っていただきました。
アメリカでフォーを頼むと、サイドに山盛の生野菜、ハーブやもやしが生でたくさんついてきます。自分の好きなものを好きなだけ入れ、ライム汁や唐辛子を徐々に足して味が変わるのを楽しみながら食べていきます。サンフランシスコ郊外に住んでいる長兄は、飛行場から自宅に帰る途中に必ず寄るフォーの店があり、そこで一息ついて旅の疲れを癒すのが常で、私も何度か連れて行ってもらったのが懐かしい。そういう意味では日本のフォーは野菜が少なくて物足りないな。
「チェー」はいろんな豆を炊いたぜんざいのようなデザート。夏場はかき氷にフルーツや甘く炊いた豆、練乳などをのせた冷たいチェーが有名です。この日は、タピオカ・ココナッツ・ミルクにバナナを加えて温かいチェーを作りました。日本のバナナは煮込むと溶けてしまうのでまず皮ごと電子レンジで加熱し、最後に少しだけ煮込みました。バナナの甘味が増し、ねっとり感も増し、タピオカ・ココナッツ・ミルクにびっくりするほど合って美味しかったね。
この日の差し入れは、浅草からのオレンジ・チョコレート、そして比叡山延暦寺からのウェハースにクリームが挟まった意外や洋風なお菓子でした。どちらもとっても美味しかったです。ごちそうさま!