浄福寺
住所 :甲賀市水口町虫生野字加久戸・山添
南城:http://yahoo.jp/OBUKyi 北城:http://yahoo.jp/VnrXKT
現 状:山林
遺 構:曲輪・土塁・横堀・井戸跡
区分:丘陵城
標高:190m 比高差:約30m
築城期:-
築城者:-
訪城日:2014.4.23
北虫生野城は、内貴の南方に接する北虫生野集落の東背後に位置する。谷間を隔てて南北それぞれの尾根筋に縄張の技法がやや異なる2つの城が存在するが、両城ともに比高約20mの丘陵上先端に集落を見下ろすように築かれている。
集落は山際ぎりぎりに密集しているが、その中程の高台に浄福寺があり、寺内を通り抜けて更に山中へ向かう山道を進むと、まもなく北側の斜面が途切れるところで回り込むと北城Ⅰの虎口が現れる。
虎口へ向かう途中は雛壇状に削平されており、その北端は横堀で北麓からの侵入を防ぐ格好となっている。虎口に建つと、北城の全容を見下ろすことができる。太く高い土塁は圧巻である。
虎口からすぐ内部には入城に邪魔な位置に井戸跡がある。侵入を遮る落とし穴なのだろうか。
北城へ
北城は地形に合わせて少し歪ではあるが、基本的には単郭方形プランと言える。だが最も侵入に備えるべき西山麓側が切岸のみと不自然である。これは後世の破壊による改変があったと考えたい。南北の土塁が西端で途切れる付近で、曲輪に段差が設けられているが、ここに虎口のような通路aがある。また南側の土塁は幅広となっており、他城でもよく見られる虎口上の防御施設の構えで、もしかするとこの段差のラインに土塁は存在したのかも知れない。
主郭への虎口の横矢土塁
左側が城道・・・・北側からの遠景
南城へ
東虎口
南城は、浄福寺境内南東斜面の墓地を通り抜け、登りきると城域に入る。曲輪Ⅳは最高所だが、ほぼ自然地形のままで物見台程度の機能であろう。
南方尾根筋を進むと削平地ⅡⅢとなるが、Ⅱは削平不十分、2つを区切る切岸も低くほぼ無いに等しい。Ⅲには井戸か水溜めのような窪みがある。
Ⅲを過ぎると次の削平地にはL字形の土塁cと、山麓へ向かうL字形の堀切道bが確認できる。しかし土塁cの意図がよく判らない。武者隠し程度にしか機能しないように見える。
築城半ばで頓挫してしまったのだろうか。
このように北城と南城では隣り合っていながら性格が異なっている。類似例としては湖南市の丸岡城⇔東丸岡城、甲賀町上野の冨田山城⇔観音堂城などが挙げられる。
西からの遠景北城(遠景)南城(遠景)
駐車位置
参考資料:滋賀県中世城郭分布調査、甲賀市誌(甲賀の城)、淡海の城
本日も訪問、ありがとうございました。感謝!