昨日は朝から松竹座へ。
「勧進帳」と「髪結新三」を幕見で見るため。
雨だからあまり混んでいないだろう、と思って11時前に行ったのだが、
「勧進帳」の幕見席は既に売り切れていた。
三等席は空きがあったので、昼の部は全て見ることにした。
昼の部1幕目「摂州合邦辻」。
菊之助が初役で玉手御前をやるのが売り。
予想通りといえば予想通りだが、まず、菊之助の玉手が好みでない。
出からして足(膝)の使い方など、女形に見えない。
男が女装して歩いているよう。弁天小僧か。
俊徳丸への思いの発露、動きもどうも薄っぺらい。
あまり心の底から出ている感じもしない。
やることはやっている、という感じ。
刺されてからの語りは、想像していたよりは良かった。
ただ、全体を通して感じた
義太夫狂言らしくないコクのなさ、薄さはここでも感じた。
それは玉手もだが、合邦夫婦の問題でもある。
ここだけではなく、全体に科白や思いが単発であり、
相手の科白を受けてさらに自分の思いを出す、といった感じでない。
結果、世界が積み上がっていかない感じ。
三津五郎は上手い人で好みでもあるのだが、どうもハラが薄いと感じた。
器用に科白を廻して済ませていた感じがする。
これならば、下手でも我當の方がマシ。
東蔵のおとくも好みではない。女性の動きではない。
そもそも、この人のニンではないと思う。
時蔵の俊徳丸、梅枝の浅香姫は特に違和感がなかった。
まあ、大してやることのある役でもないが。
2幕目「勧進帳」。
團十郎の弁慶、菊五郎の富樫、藤十郎の義経。
團十郎は、声はまあこの役に合っているが、所作がおかしい。
歩くところなど、主君の命が懸かっている弁慶の重み・緊張感がない。
車輪になるところも妙に足が浮く感じで、変。
歌舞伎座と松竹座では広さがかなり違うので、
そこで違和感を感じつつやっているのかも知れないが。
菊五郎はまあまあ。少し声を出しづらそうだった。
藤十郎が良かった。
流浪の貴公子の高貴さ、思いやり、といった雰囲気が出ていた。
この人の声(音)が嫌いなので、
話す量が少ない方が私の好みの役なのかも知れない。
3幕目「河内山」。
錦之助(元、信二郎)の松江出雲守は癇の立て方などが良い。
切れたときに少し声が聞き取りづらくなるところがあった。
三津五郎の河内山は流石。
高僧らしい雰囲気と、北村大膳に見破られた時の啖呵の落差も大きい。
特に理屈でどうこう言う部分でもなく、楽しめた。
「ばかめ」が少し崩れ過ぎかな、と感じなくもなかったが。
團蔵の北村大膳は少し小悪党過ぎるかな。
家老として、もう少し大きい方が好み。
東蔵の家老が良かった。
こんな役をやってくれれば良いのに、と思う。
そんなところで、あまり満足できずに昼の部は終わり。
まあ、ある程度覚悟はしていたが。
「勧進帳」と「髪結新三」を幕見で見るため。
雨だからあまり混んでいないだろう、と思って11時前に行ったのだが、
「勧進帳」の幕見席は既に売り切れていた。
三等席は空きがあったので、昼の部は全て見ることにした。
昼の部1幕目「摂州合邦辻」。
菊之助が初役で玉手御前をやるのが売り。
予想通りといえば予想通りだが、まず、菊之助の玉手が好みでない。
出からして足(膝)の使い方など、女形に見えない。
男が女装して歩いているよう。弁天小僧か。
俊徳丸への思いの発露、動きもどうも薄っぺらい。
あまり心の底から出ている感じもしない。
やることはやっている、という感じ。
刺されてからの語りは、想像していたよりは良かった。
ただ、全体を通して感じた
義太夫狂言らしくないコクのなさ、薄さはここでも感じた。
それは玉手もだが、合邦夫婦の問題でもある。
ここだけではなく、全体に科白や思いが単発であり、
相手の科白を受けてさらに自分の思いを出す、といった感じでない。
結果、世界が積み上がっていかない感じ。
三津五郎は上手い人で好みでもあるのだが、どうもハラが薄いと感じた。
器用に科白を廻して済ませていた感じがする。
これならば、下手でも我當の方がマシ。
東蔵のおとくも好みではない。女性の動きではない。
そもそも、この人のニンではないと思う。
時蔵の俊徳丸、梅枝の浅香姫は特に違和感がなかった。
まあ、大してやることのある役でもないが。
2幕目「勧進帳」。
團十郎の弁慶、菊五郎の富樫、藤十郎の義経。
團十郎は、声はまあこの役に合っているが、所作がおかしい。
歩くところなど、主君の命が懸かっている弁慶の重み・緊張感がない。
車輪になるところも妙に足が浮く感じで、変。
歌舞伎座と松竹座では広さがかなり違うので、
そこで違和感を感じつつやっているのかも知れないが。
菊五郎はまあまあ。少し声を出しづらそうだった。
藤十郎が良かった。
流浪の貴公子の高貴さ、思いやり、といった雰囲気が出ていた。
この人の声(音)が嫌いなので、
話す量が少ない方が私の好みの役なのかも知れない。
3幕目「河内山」。
錦之助(元、信二郎)の松江出雲守は癇の立て方などが良い。
切れたときに少し声が聞き取りづらくなるところがあった。
三津五郎の河内山は流石。
高僧らしい雰囲気と、北村大膳に見破られた時の啖呵の落差も大きい。
特に理屈でどうこう言う部分でもなく、楽しめた。
「ばかめ」が少し崩れ過ぎかな、と感じなくもなかったが。
團蔵の北村大膳は少し小悪党過ぎるかな。
家老として、もう少し大きい方が好み。
東蔵の家老が良かった。
こんな役をやってくれれば良いのに、と思う。
そんなところで、あまり満足できずに昼の部は終わり。
まあ、ある程度覚悟はしていたが。