先週月曜は「らくご道」へ。
結局、今年は8月の試験直前以外、全部通った勘定。
前説(こごろう)
独演会の話、「サンダーバード」でのリクライニングシートの話。
ちょっとした話を、
詳細に、感情を前面に出してやるのがこの人のスタイルかと思う。
「掛け取り」(生喬):○+
温泉余興のマクラからネタへ。
「狂歌」「タカラヅカ」「喧嘩」。
「狂歌」は、まあ、普通にきっちりと。
家主が最初に「狂歌」と聞いた時の反応が良い。
「自分の好きなことを、こいつも好きと言っている」時の同じ方向を向いている、と感じつつ、
掛け取りの日に借金を取りに来ている家主だ、威厳は必要、と感じる表情付け。
その後、次第に乗せられていく様子も、丁寧に作られていた。
1つ、歌が飛んでいたかも知れない。
「タカラヅカ」はこの日の昼に思い付いたらしいが、
非常に上手く作られていた。
この人がタカラヅカが好きで日頃からよく見聞きしており、
俳優の名前や歌やらが身に付いているから思い浮かぶのだろう。
また、そういったベースがあるために、
ネタの中でも自然な感じで「尽くし」が出てくる雰囲気になるのだと思う。
俳優の名前は分からなくても良い、と後の対談でも言っていたが、同感。
「「尽くし」をやっている」ことと「その部分が「尽くし」の単語である」ことさえ
分かれば良いと思う。
後の歌もよく合っていた。
対談で「ぴったり合う歌」と言っていたが、
そのような歌を見つけられるあたりの蓄積が素晴らしい。
「喧嘩」は怒るところはかなり濃く、強調するように演じていたが、
1つ1つの科白は非常に丁寧に作られている。
如何に借金取りを怒らせるか、怒った借金取りがどう言うか、
それに対して男がどう言って「逆ねじ」を食らわせるか。
「顔に傷が付いたら申し訳が立たない」から喧嘩ができない、という説明を入れていた。
まあ、これはこれで良い工夫かな。
個人的には「わしも持って帰らんと怒られる」てな科白は不要かな、と思う。
以前だったら生喬の「喧嘩」は恐らくキツ過ぎて笑えなかったと思うのだが、
この日は安心して笑っていられた。
「喧嘩好き」が喧嘩好きっぽい科白を単に喋っているのではなく、
普通に存在する(ある程度客として共感を持てる)喧嘩好きな人を描いているから、
といったあたりが理由かと思う。
「骨つり」(こごろう):○
マクラは釣りの話。
「骨つり」ってここから入るケースが多いのだが、
個人的には別に「釣り」に拘る必要もないかも、と感じた。
最初の旦那が、大らかな「若旦那」の遊んでいる雰囲気で良かった。
幇間はもう少しお金への執着が出ていた方が良いかな。
「1寸につき1円」の話が出るための科白が、やや多かったためかも知れない。
骨を釣り上げて「供養をする/しない」の部分が、やはりちと長い。
「馬の骨や牛の骨や」「どう見ても人間の骸骨」が言えれば充分で、
若旦那が「もう呼ばない」あたりの科白を言ってしまうところまで
断ることもないのでは、と思う。
帰宅して幽霊を見た時の表情が、
如何にも美人の女性を見た、やもめ暮らしの男っぽく、
助兵衛さが込もっていて非常に素晴らしい。
その後の「足をさする」云々も良い。
隣の男が同様に釣りに行く。
フナを釣った落胆や
中州で骸骨を見つけたときの狂喜乱舞、骸骨を撫で回すあたり、
そして見せつけられた船頭の恐れる反応など、
濃い目に描かれていて面白かった。
女を待つ部分は、まあ普通。
「飲んで寝てしまったら起きられない」を繰り返していたが、
個人的には別に入れなくても良い設定と思う。
独りでの「つねる」「くすぐる」の繰り返しの場面は良かった。
「布団を敷いて枕を2つ置く」クスグリも良かった。
五右衛門は、やはりあまり差がつかないが、
精一杯声を張ってやっていた。
「御御足なとさすらせて頂きます」の後
五右衛門が布団を敷き出しており、ここまで押して良いと思う。
まあ、先ほど既に敷いているので、
「布団に入って待っている」設定で良いと思うが。
男が「女が来ると思って」敷いている布団に五右衛門が入る、という絵は
やや分かりにくいところもあるが、個人的には好み。
対談「夕焼け日記」(生喬・こごろう)
ネタの話、こごろうのパチンコ話。
「これから一生懸命やるで」みたいなことをこごろうが言っていたが
客席から「おー」といった反応はなかった。
個人的には、
こごろうって今でも充分、落語に対して真面目に取り組んでいると思う。
(ネタの数などは少ないのかも知れないが)
恐らく客席があまり反応しなかったのも、
「別に今のままでも充分」と思っているからではないか、と感じるのだが。
結局、今年は8月の試験直前以外、全部通った勘定。
前説(こごろう)
独演会の話、「サンダーバード」でのリクライニングシートの話。
ちょっとした話を、
詳細に、感情を前面に出してやるのがこの人のスタイルかと思う。
「掛け取り」(生喬):○+
温泉余興のマクラからネタへ。
「狂歌」「タカラヅカ」「喧嘩」。
「狂歌」は、まあ、普通にきっちりと。
家主が最初に「狂歌」と聞いた時の反応が良い。
「自分の好きなことを、こいつも好きと言っている」時の同じ方向を向いている、と感じつつ、
掛け取りの日に借金を取りに来ている家主だ、威厳は必要、と感じる表情付け。
その後、次第に乗せられていく様子も、丁寧に作られていた。
1つ、歌が飛んでいたかも知れない。
「タカラヅカ」はこの日の昼に思い付いたらしいが、
非常に上手く作られていた。
この人がタカラヅカが好きで日頃からよく見聞きしており、
俳優の名前や歌やらが身に付いているから思い浮かぶのだろう。
また、そういったベースがあるために、
ネタの中でも自然な感じで「尽くし」が出てくる雰囲気になるのだと思う。
俳優の名前は分からなくても良い、と後の対談でも言っていたが、同感。
「「尽くし」をやっている」ことと「その部分が「尽くし」の単語である」ことさえ
分かれば良いと思う。
後の歌もよく合っていた。
対談で「ぴったり合う歌」と言っていたが、
そのような歌を見つけられるあたりの蓄積が素晴らしい。
「喧嘩」は怒るところはかなり濃く、強調するように演じていたが、
1つ1つの科白は非常に丁寧に作られている。
如何に借金取りを怒らせるか、怒った借金取りがどう言うか、
それに対して男がどう言って「逆ねじ」を食らわせるか。
「顔に傷が付いたら申し訳が立たない」から喧嘩ができない、という説明を入れていた。
まあ、これはこれで良い工夫かな。
個人的には「わしも持って帰らんと怒られる」てな科白は不要かな、と思う。
以前だったら生喬の「喧嘩」は恐らくキツ過ぎて笑えなかったと思うのだが、
この日は安心して笑っていられた。
「喧嘩好き」が喧嘩好きっぽい科白を単に喋っているのではなく、
普通に存在する(ある程度客として共感を持てる)喧嘩好きな人を描いているから、
といったあたりが理由かと思う。
「骨つり」(こごろう):○
マクラは釣りの話。
「骨つり」ってここから入るケースが多いのだが、
個人的には別に「釣り」に拘る必要もないかも、と感じた。
最初の旦那が、大らかな「若旦那」の遊んでいる雰囲気で良かった。
幇間はもう少しお金への執着が出ていた方が良いかな。
「1寸につき1円」の話が出るための科白が、やや多かったためかも知れない。
骨を釣り上げて「供養をする/しない」の部分が、やはりちと長い。
「馬の骨や牛の骨や」「どう見ても人間の骸骨」が言えれば充分で、
若旦那が「もう呼ばない」あたりの科白を言ってしまうところまで
断ることもないのでは、と思う。
帰宅して幽霊を見た時の表情が、
如何にも美人の女性を見た、やもめ暮らしの男っぽく、
助兵衛さが込もっていて非常に素晴らしい。
その後の「足をさする」云々も良い。
隣の男が同様に釣りに行く。
フナを釣った落胆や
中州で骸骨を見つけたときの狂喜乱舞、骸骨を撫で回すあたり、
そして見せつけられた船頭の恐れる反応など、
濃い目に描かれていて面白かった。
女を待つ部分は、まあ普通。
「飲んで寝てしまったら起きられない」を繰り返していたが、
個人的には別に入れなくても良い設定と思う。
独りでの「つねる」「くすぐる」の繰り返しの場面は良かった。
「布団を敷いて枕を2つ置く」クスグリも良かった。
五右衛門は、やはりあまり差がつかないが、
精一杯声を張ってやっていた。
「御御足なとさすらせて頂きます」の後
五右衛門が布団を敷き出しており、ここまで押して良いと思う。
まあ、先ほど既に敷いているので、
「布団に入って待っている」設定で良いと思うが。
男が「女が来ると思って」敷いている布団に五右衛門が入る、という絵は
やや分かりにくいところもあるが、個人的には好み。
対談「夕焼け日記」(生喬・こごろう)
ネタの話、こごろうのパチンコ話。
「これから一生懸命やるで」みたいなことをこごろうが言っていたが
客席から「おー」といった反応はなかった。
個人的には、
こごろうって今でも充分、落語に対して真面目に取り組んでいると思う。
(ネタの数などは少ないのかも知れないが)
恐らく客席があまり反応しなかったのも、
「別に今のままでも充分」と思っているからではないか、と感じるのだが。