今回の
旅で
いちばん
いい経験に
なったのは
パートナーでもある
心友との
喧嘩
だ
お互い
久しぶりの
旅で
そして
初めての
ふたり旅
ワタシは
自分に
勝手な
リーダーシップを
課せて
引っ張らなきゃって
想い込んでいた
自分も
未知の世界なのにね(笑)
でも
それは
カノジョを
安心させたり
喜んで欲しかったから
きっと
1分1秒も
ムダにしたくなかった
ワタシの
元気の源の
筈の
カノジョの
笑い声が
途中から
溜息に
変わり
歩幅が
合わなくなって
カノジョの
履き慣れてるはずの
パンプスの
ヒール音だけが
空しく
響いて聴こえて
くるなぁとは
想っていたけれど
旅の疲れ
と
寝不足のせいかな
なんて
高を括り
そっとしておいた
それが
よけいに
火種にも
なったようだ
行ってみたかった
最終目的地に
行く道中
ずっと
黙っていた
カノジョが
口火を切った
「マユミチャンハ、ココニイナイ」
と
・・そういえば
前もこんなコト
あったっけ?
と
想い巡らしながら
聴いていた
カノジョの為の頑張り。
は
いつのまにか
ワタシ自身の愉しみ。
に
すり替わって
しまっていて
振り返るコトもなく
表情を確かめるコトもなく
空しく響く
カノジョの靴音だけで
カノジョの存在を
確認してしまっていたんだ
確かに
ふたり旅
なら
ふたり。で
悩んだり
探したり
見つけたり
間違ったり
喜んだり
笑ったり
しなきゃいけないんだよね
つくづく
自分勝手で
夢中になれば
視野がグッと狭くなる
己れを
知ってしまった
気がした
そうやって
日常の中でも
ワタシは
枠に収まるのを
極度に恐れ
近しいヒトほど
傷つけたり
哀しませて
いるんだろうなぁ
とも
想った
永遠を
信じたいのに
永遠に
捉われたくない
それは
この資質による
モノだろうなぁ・・
多少
気不味い
旅の終焉では
あったけれど
心底
カノジョと
旅ができて
よかった
カノジョと
だから
旅をしたい
そう
ココロから
想えたんだ
帰宅して
水木しげる氏の
訃報と
共に
氏の
著書の
紹介記事を
目にした
~水木しげる
『幸せになるための七カ条』~
第一条
成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。
第二条
しないではいられないことをし続けなさい。
第三条
他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追及すべし。
第四条
好きの力を信じる。
第五条
才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
第六条
怠け者になりなさい。
第七条
目に見えない世界を信じる。
第2・3・4条は
まさに
自身の
信念と
通じ
なんだか
涙が
出た
カノジョは
間違っていない
そして
ワタシも
間違ってはいなかった
ヒトツ
違ったのは
カノジョは
ハートフルな人間
で
ワタシは
自分大好きな妖怪
だった
と
いうコト
だろう
あぁ
それも
いいかな
自身が
望むなら
その
責任は
自身が
取るのなら
軒下のモンスター ~槇原敬之~
突然田んぼの真ん中に
現れたUFOのように
揺れる稲穂があまりにも
似合わない君が立っていた
その時ずっと解けずにいた
謎の答えが分かった
好きになる相手がみんなと
僕は違うんだと
普通に結婚して
子供を何人か授かって
それ以外は幸せとは
誰も信じないようなこんな街で
僕のこの恋はどうやら
上手くいきそうにない
わかってる そんなこと
誰よりもわかっているさ
だけど譫言のように
心は君の名を呼ぶから
ばれないように心の口を
必死に塞いでいる
あまりに都会的すぎる
雰囲気が邪魔してか
彼女もできずに結局
夏祭りに僕を誘った君
さんざん遊んでじゃあねと
分かれた後何故か僕は
泣きたい気持ち収めようと
一人で神社に寄った
親を泣かせることも
心に嘘をつくのも嫌なんだ
いっそ妖怪にでもなって君を
軒下からただ見ていたい
僕のこの恋はどうやら
上手くいきそうにない
わかってる だからといって
恋する気持ちは消えない
僕はモンスターのように
真夜中に一人抜け出して
月明かりの河原で心の
口を塞ぐ手をどける
恋しい人の名前を
遠慮がちに叫ぶと
その声に風が起こり
ススキが隠すようにざわめきだす
僕のこの恋はどうやら
上手くいきそうにない
わかってる そんなこと
誰よりもわかっているさ
だけど譫言のように
心は君の名を呼ぶから
ばれないように心の口を
必死に塞いでいる
僕は軒下のモンスター