たまたま
目に留まった
木が
たまたま
愉しげに
踊っている気がして
とても
うれしくなった
たまたま
見かけた
ワタシが
この木のように
愉しげに
キミに映ったら
うれしいな
情けも
憐れみも
要らないよ
愉しそうだねぇ
キミは
そう云って
つられて
キミも
笑ってくれたら
それで
いいから
それだけで
じゅうぶん
だから
ふいに
目の前に
現れた
要塞みたいな
展望台を
見上げ
たじろぎながらも
ついつい
口ずさむのは
帝国のマーチ
少しだけ
宇宙に
放り出されたみたいで
不安になるけれど
見渡すかぎり
周りは
空と
海ばかり
で
もしも
なにかが
攻めて来ようモノなら
鳥になって
飛び回り
或いは
魚になって
深く潜れるような
そんな気がした
強く風の吹く丘で
ビクともしない
要塞
そこに
然りと立つ
逞しき
オンナ
髪も
スカートの裾も
はためいて
自身の中に
潜む
弱さが
旗を振っているようで
大笑いした
何処か
覚悟を
決めたような
何故か
潔く
観念したような
強いキモチだけが
欲しい
互い
に