知人宅へ
向かう途中
大輪の薔薇を
見かけた
なんとも
侘びしい
寂れた場所
なのに
そこだけ
光を放っている
ようだった
アスファルトの
裂け目から
列をなしている
クローバーにも
視線を
奪われた
四つ葉じゃなくても
その逞しさに
ひどく勇気付けられた
気がした
たいていの植物は
一生を過ごす場所を
択ばず
かといって
不貞腐れるコトなく
花を咲かせたり
実を成したり
種に委ねて
納得したように
朽ちていく
ヒトは
どうだろう?
整えられた環境には
甘んじ
荒んだ環境には
ただ嘆くばかりでは
なかろうか?
咲く場所も
散る場所も
自由に
ほんとうは
決められるのに
いつまでも
魔法の馬車や
強い風が
吹きつけるのを
待ち侘びてや
いないだろうか?
いま
自身が立っている場所から
どれくらい先に
終わりは
潜んでいるのだろうか
そこは
還りたい場所と
重なるのだろうか
花は咲かなくてもいい
実も成らずとも構わない
これからの人生
今更ながら
根を張るコトに
兎に角
打ち込んでみたい
そう
想えた
つかの間の
散歩道
つかの間の
休息