おもしろ印 頭の体操第四弾の解答です。
これは、万葉集の中から、柿本人麻呂の歌でした。
万葉集は、現存する最古の歌集です。7~8世紀にかけて作られたものです。
万葉仮名というもので書かれています。この時代、まだ仮名は出来ていません。漢字を崩して書いた、いまで言うと行書と草書の様な字です。
読みは、漢字の音を用います。
当て字です。「い」と読める漢字、井、胃、異、意、伊、…、は全部「い」なのです。
つまり仮名の出発点なのですが、ほぼ漢字です。しかもややこしいのは、訓読みが混じります。
今まで、学校教育の中で万葉集が出てきても、ちゃんと平仮名と漢字を使って表記してありますから、読むことができたと思いますが、実は本物は、現代人には簡単には読まないものなのです。
そんなわけで、この当て字の方法を活用させてもらったのが、この頭の体操ということですね。
さて、柿本人麻呂の歌
元の形では
「天海丹雲之波立月船星之林丹榜隠所見」
で、読み方は
「あめのうみに くものなみたち つきのふね ほしのはやしに こぎかくるみゆ」
で、漢字を交えて分かりやすくすると
「天の海に雲の波立ち月の船星の林に榜ぎ隠る見ゆ」
これに、柿本人麻呂と入れたのが、頭の体操その4の答えです。
意味は、
「天空の海に雲の波が立ち、月の舟が星の林に漕ぎ隠れていくのが見える。」ということです。
頭の体操としては、ちょっといろいろな意味で難しかったですね。
ところで、書の方は、半紙に書いた、ただのメモです。作品ではありませんよ。