篆刻 補刀「隆」
成人講座の受講生Sさんの印です。
60才台男性ですが、片手の指が不自由なもので、補刀を依頼されました。
僕は、自分で苦労して刻した最初の印ですし、そのままで充分おもしろいと思うのです。
実は、印床を使わずに片手で印を持つ方法でいつもやっているので、印床を講座当日に持参するのを忘れてしまったのです。それで、これはSさんが自宅で万力を使って刻したものです。
不便な思いをさせてしまったと反省しつつ、また、本人が読めるようにという意向ですので、補刀することにしました。
しかし、最初のイメージや刻の良い所を生かして補うのは難しいのです。
結構悩んだのですが、出来上がってみると、とても良い感じです。今までにも、きっと隆は何度か刻したことがありますが、これが一番です。
今回は合計14の印の補刀を行いましたが、お陰で良い体験ができ、勉強になりました。