臨 百萬塔陀羅尼
「百萬塔陀羅というのは、764年、藤原仲麻呂の乱平定後、称徳天皇の発願により、木造三重の小塔が一万基作られ、その中に収められた陀羅尼である。また、現存最古の印刷物として知られている。」
つまり、お経がちっちゃな塔の中に入っているのだけれど、そのお経がなんと、世界で一番古い印刷物なのです。
印刷物といっても、木版です。
縦5㎝ちょっと、横45㎝前後、文字数にして150から250字くらいの小さな巻物のような形のお経です。
無垢浄光経根本陀羅尼、自心印陀羅尼、相輪陀羅尼、六度陀羅尼、のいずれかで、各々長いものと短いものがあって、百萬の塔に収められて、諸寺に分置されたのですが、今は、法隆寺に伝来しているだけだそうです。
書の古典として、臨書の対象とはほとんどなってはいませんが、今朝は、なぜか目に留まり、書いてみたくなりました。
といっても、鉛筆です。
鉛筆による臨書なんて久しぶり~と思いながら、書きました。
あれ、いつの間にか、鄭道昭になってる!
言偏、、糸偏、草冠、女、なんかが独特でおもしろいですね。
(自心印陀羅尼 鉛筆、西洋紙、部分)